残念なタイトル、内容が伝わらないタイトル、単にダサいタイトルだと思うものを紹介します。
元カレは天才詐欺師~38師機動隊~
「元カレ」なんてつくとラブコメを想像してしまいますが、実は「痛快詐欺エンターテインメント」作品であり、恋愛要素もほぼない悪者退治を描いたドラマです。
天才詐欺師と公務員が協力して悪質な脱税者たちから税金を徴収していくというもので、スリリングな展開と騙し合いの人間ドラマは見るものを引き付け、まるで「必殺仕事人」のような爽快感も味わえる非常に面白い作品です。
1話完結ではないですが、狙う悪人の度合いがどんどん上がっていき詐欺のレベルも高まっていく展開がテンポよく描かれ、作中に張り巡らされた伏線がラストに向けて回収されていくのも見ていてスッキリさせられます。
こういった内容のドラマをソ・イングクと少女時代のスヨンが元恋人同士というだけで、単純に「元カレは~」と付けるのは内容を勘違いさせるもので、それにより本来見るべき人を敬遠させることになっているかもしれません。
恋のスケッチ~応答せよ1988
この作品は「応答せよシリーズ」の第3弾で、これまでは「応答せよ19○○」と年代が変わるだけだったのに、いきなり「恋のスケッチ」って・・・。どういう意図で付けたんでしょうか。
何かつけるならサブタイトルにしてほしいところです。
そして、「恋の」とつけると完全にラブコメと思われてしまって、このシリーズ自体のイメージが変わってくるので完全に失敗だと思います。
このドラマは主人公たちの青春時代たる1988年と大人になった現在とを描いた家族と友情と恋を描いた物語です。割合でいうと家族と友情を描いたものが9割で、恋の話などは1話位程度。これでラブコメ主張するのはもはや詐欺!
ドラマ自体傑作なのに安易にポップなイメージを付けようとするのは困ったものです。
その上、サイトとか見ると「パク・ボゴム主演」と人気に乗っかった宣伝をしてるのも気に入りません。
確かに登場はしますがメインキャストの中でも一番登場場面が少なく、1話まるまる登場しないこともざらにあるのに主演って・・・。
本来の「笑いと感動の家族ドラマ」というのを自信もってアピールして欲しいですね。
となりの美男<イケメン>
この作品もタイトルの印象と内容が合致しない、ちょっと損しちゃってるドラマです。
イケメンと付くと「美男<イケメン>ですね」がイメージされてしまうようで、同じようなラブコメ作品だと思われがちですが、実際は切なくて優しい物語なんです。
もちろんコミカルな要素もありますが登場人物も派手さに欠けますし、ヒロインなんて引きこもりですよ。
そんなヒロインの心の傷を丁寧に描き、隣人たちとの触れ合いを描くことで皆が癒されていくという作品なんです。
ド派手な展開も、夢見るようなシンデレラストーリーもない、日常の延長線上にある恋愛ドラマです。
こんな内容の話を軽いノリのイケメンドラマと捉えられると「思ってたより地味だった」「ラブコメじゃない」と言われてしまうことに。
内容が個人的には好きな作品だっただけに、先入観でガッカリされてるのを知ると残念で仕方ありません。
猟奇的な彼女
オリジナルの映画が大傑作なので、そのリメイク作品と聞いて大いに期待していました。
しかし、内容は映画とは全くの別物でヒロインの特徴と展開の一部が似ているだけでほとんど別物でした。
ところどころに映画版へのオマージュが見られるくらいなのに同じタイトルにするのは、オリジナルファンを獲得しようとしただけじゃないでしょうか。
ダサいとか、いけてないという以前に、タイトルを完全に変えてほしかった。サブタイトルで付くくらいならいいと思います。
キャスト二人は役柄にピッタリだったし、ラブコメとしても時代劇としても王道の作品だっただけに、「猟奇的な彼女」という大きすぎるイメージが無ければ楽しめた作品だったと思います。
ハードルを上げ過ぎて飛び越せなかったら意味ないですよね。
ああ、私の幽霊さま
内容は傑作ラブコメであり、サスペンスドラマとしても秀逸な作品でした。
しかしタイトルで判断すると「幽霊」に恋焦がれる「私」が出てくるドラマのように思ってしまいます。
実際はヒロインに憑依した幽霊の力を借りて好きな人と結ばれる話なので、もう少しいいタイトルはなかったんでしょうか。
私も評判が良かったからこのドラマを見ましたけど、タイトルの印象だけだと「幽霊が出てくる単純なドタバタコメディ」くらいに思っていました。
そもそも、韓国ドラマをタイトルで選んだりしない!と言われてしまえば元も子もないのですが、そうだとは言っても安易に付けたなぁってものが多すぎると思います。
韓国ドラマ好き同士で語るにはこのタイトルでもいいかもしれませんが、普段見ない人に紹介するときにはちょっと恥ずかしいですね。
恋のゴールドメダル~僕が恋したキム・ボクジュ~
ラブコメならとりあえず「恋」を付けようという安易な感じが丸見えの邦題だと思います。ふつうにダサいですね。
スポーツ選手のラブストーリーだとわからせたいんでしょうけど、とても安っぽく聞こえるタイトルになってしまってます。
サブタイトルにも「恋」が入ってるので、これだけでもいいんじゃないでしょうか。
このドラマの原題は「力道妖精キム・ボクジュ」というもので、「力道」は重量挙げのこと。つまり、重量挙げ界の妖精ってことですね。
これも説明がないとよくわからないんですが、恋のゴールドメダルよりはいいかも。。。
夜を歩く士<ソンビ>
単純にタイトルの意味を予想するとホラー映画、ゾンビ映画のように思えてします。
クールなイケメンたちがヒロインを巡るロマンス要素もありながらも、基本は硬派なフュージョン時代劇でアクション要素が高い硬派な作品です。
タイトルに「ヴァンパイア感」を出すか、サブタイトルに「ロマンス感」を出しても良かったと思う。夜を歩く士・・・地味ですね。
また!?オ・ヘヨン~僕が愛した未来(ジカン)
これもちょっと微妙なタイトルです。「!?」が付くことでラブコメ感が漂いますし、実際に見ないとタイトルの意味するものが分からないもの。
サブタイトルだけでも良かったパターンじゃないでしょうか。
物語の内容は、どこか影のある主人公とヒロインの恋愛ドラマに、謎の多い予知能力を絡めた運命を感じるもので、そこに魅力的な脇役がコミカルに絡んでくるロマンティックコメディです。
結構ダークな部分も多く、ヒロインの転落を描いた作品でもあります。
単純なラブコメを期待するとちょっと重いと感じる人も多いかもしれません。
私としてはタイトルに個人名が入ってる作品は面白いものが多いと思うのですが、実際には内容が伝わらないのでそのまま邦題にするのは疑問です。
帰ってきてダーリン!
この作品もタイトルと内容と合っていないと感じました。
タイトルから内容を想像すると、居なくなった・別れた恋人を想うヒロインを描いたラブコメという印象がありますが、実際はファンタジー要素が強いヒューマンラブコメディです。
ラブコメディとは言ってもヒューマンストリーがメインで、そこに切ないラブストーリーと、死人が別人の姿で蘇ってきたドタバタコメディの3要素に別れていて、残された家族や恋人を想う面白悲しい物語なんです。
そのため単純にラブコメと捉えられるのとは違うと思います。
原作小説は「椿山課長の7日間」というものですが、かなりアレンジされているのでこれは違います。
韓国での原題は「さようなら、私の大切な人」から「帰ってきて、おじさん」に変わっているものの「さようなら、私の大切な人」が一番内容に合っているかもしれませんね。
韓国のドラマは色んな要素が入っているのでラブコメと言っても間違いではないのですが、やはり本来伝えたいことからすると違うと思いました。
7級公務員
「7級公務員」というのはいわゆる「スパイ」のことを指すようなのですが、日本人には意味が分からないのでタイトルだけ見てもどんな内容のドラマなのかが伝わりません。
公務員と付くのもお役所ドラマ、お仕事ドラマのようなイメージしかなく、カッコいいタイトルとは思えないですね。
内容的にはスパイアクションとラブコメ、サスペンスがミックスされたもので、エンターテインメント性の高い作品となっています。
原題の「秘密男女戦」も微妙ですが、7級公務員というタイトルからは興味を惹かれる要素が感じられません。
「スパイ」というフレーズを入れるか、ラブコメの匂いがするものが良かったんじゃないでしょうか。