韓国ドラマ「六龍が飛ぶ」は過去を抱えた6人の英雄“六龍”が苦悩や葛藤を重ね、新しい国を作る為に立ち向かう姿を描いたドラマ。
放送開始から同時時間帯視聴率トップを独走した究極の歴史エンターテイメントドラマです。
キャスト、あらすじ、感想、みどころを紹介します。
(トップ画像公式ページより)
六龍が飛ぶ キャスト
全50話
放送年度 SBS 2015年10月5日~2016年3月22日
平均視聴率 14.35%
最高視聴率 17.3%
監督 シン・ギョンス
脚本 キム・ヨンヒョン・パク・サンヨン
(「善徳女王」「根の深い木~世宗(セジョン) 大王の誓い~」の名コンビ)
【イ・バンウォン役】ユ・アイン
【プニ役】シン・セギョン
【イ・ソンゲ役】チョン・ホジン
【チョン・ドジョン役】キム・ミョンミン
【ムヒュル役】ユン・ギュンサン
【タンセ/イ・バンジ役】ピョン・ヨハン
【ヨニ役】チョン・ユミ
【キル・テミ役】パク・ヒョックォン
【キルテミの息子役】パク・ソンフン
【ミン・ダギョン役】コン・スンヨン
【カップン役】イ・チョヒ
【ユルラン(チョク・サグァン)役】ハン・イェリ
【イ・ソンゲの父役】イ・スンジェ
【イジラン役】パク・ヘス
【ユルランの兄役】パク・フン
総製作費300億ウォンと総勢130名の俳優が出演した超大作!
この物語は実在の人物に仮想の人物を加えたフィクション時代劇でキム・ヨンヒョン、パク・サンヨン脚本家は「善徳女王」「根の深い木~世宗(セジョン) 大王の誓い~」で知られる時代劇名コンビ!
それぞれ立場は違う6人、朝鮮王朝の初代イ・ソンゲ、朝鮮第3代王イ・バンウォン、建国に貢献するチョン・ドジョン、貧しい暮らしでも希望を捨てないプニ、家族を想う剣士ムヒュル、悲しみ背負い戦う剣士イ・バンジが、新しい理想国家を目指して立ち上がる!
イ・バンウォンの青年期が描かれるのはこのドラマが初めて。青年時代の理想を追う姿から、成長して冷酷な野心家となっていくバンウォン・・・・。
シンギョンス監督は俳優たちの確立した個性が適材適所に配役され、作品の完成度を高めたと話しています。特にユアインさんはその若さが信じられないほど奥深く多彩な表現で、説得力がありました。
これまでもイバンウォンを題材としたドラマはいくつかあり、描かれる角度によって英雄だったり悪人だったりもしましたが、監督と脚本家が見せたかったのはそういうイバンウォンではなかったといいます。
監督は自分が思い描くイバンウォンをユアインが見事に演じてくれたと絶賛しました。
そして子供が観るには残虐だと指摘されていたシーンについては、
「アクションシーンはカッコよさを追求することが多いが、刀を使うことには血が流れ、苦痛を伴うということをあえて表現したかった。残酷な場面があったことについてお詫びしたい」
と語りました。
六龍が飛ぶ あらすじ
この物語は、高麗王朝の滅亡から、李氏朝鮮王朝建国と、その後の後継者争いについて描いています。
14世紀の高麗後期。
辺境の地、咸州(ハムジュ)に暮らす李芳遠(イ・バンウォン)は、弓の名手として知られる将軍李成桂(イ・ソンゲ)を父に持ち、憧れと共に自らも強くあろうと夢見ていました。
ところが、初めて都を訪れたバンウォンは都堂(トダン)三人衆が政界を牛耳り、尊敬する父も悪徳官僚であるイ・インギョムに屈する姿を見て絶望してしまいます。
そんなに中で成均館のチョン・ドジョンは、イ・インギョムたちの企みを暴き明との戦いを阻止したのです。
そんなドジョンは流刑に処されてしまうのですが、彼に惚れ込んだバンウォンは都に残り成均館に入学することに。
その後、ドジョンを心の師と仰ぐバンウォンは、苦しむ村人を救いたいプニ、武術を極めたタンセ、剣士としての出世を目指すムヒョルらと出会います。
そして、ソンゲやドジョンも含めた6人の勇者たちは、今の高麗の悪政を正し、新国家を築くことを目標に一つになるのでした。
六龍が飛ぶ みどころ
このドラマは、韓国時代劇として新機軸を打ち出した作品と言えるでしょう!
『チェオクの剣』よりもリアルな剣劇、時代の転換期を描いた政治エンターテイメント、国王から一般庶民までそれぞれの目線で描かれた人間ドラマ、そして色々な形の恋愛物語までが丁寧に描かれた作品が本作です。
これまでにも、イ・ソンゲやイ・バンウォン、チョン・ドジョンを描いた作品はありましたが、本作は史実とフィクションが絶妙にミックスされており、普段韓国時代劇を見ない方でも存分に楽しめます!
歴史ドラマとしては勿論、アクションドラマや、複雑な人間ドラマとしても楽しめる非常にエンターテイメント性が高い作品なんです。
そして、忘れてはならないのが魅力的な役者陣!
メインキャスト以外の登場人物にもスポットが当たったこのドラマは、若手一の呼び声も高い演技派俳優ユ・アインの圧倒的な熱演を筆頭に、キム・ミョンミン、チョン・ホジン、チェ・ジョンウォンたちベテランの妙演や、ピョン・ヨハン、ユン・ギュンサン、パク・ヒョックォンらの迫力満点な殺陣シーン、そしてシン・セギョン、チョン・ユミ、イ・チョヒ、ユン・ソナ、コン・スンヨンら女性陣の恋や嫉妬のドラマなど、130人を越えるキャストがそれぞれに個性を発揮しています。
特に、パク・ヒョックォン演じるおネエキャラの天才剣士キル・テミは、悪役でありながらコミカルで作中でも一二を争う濃いキャラとなっています!
六龍が飛ぶ 感想と評価
六龍が飛ぶ
すごい面白い…現実世界に帰ってこれない(*≧∀≦*)— 大好き❤️韓国ドラマ 蒼井みう (@azurbleu5116) 2017年11月24日
普段、韓国の時代劇は見ない私ですが(特に20話以上もある長いのは)、このドラマは好きなキャストが多く出てたことや、堅苦しい話やよくあるパターンの宮廷ドラマでなかったので見ることにしました。
すると、主演が6人とも呼べる色んな魅力溢れる作品だったんです。
“主人公とはこうあるべき”という概念を打ち破った人間味溢れるイ・バンウォンや、仲間同士で対立するようになったり、容赦なく敵対勢力を滅ぼしたり、恋愛感情より政治的結び付きを優先したりと、決してご都合主義になっていないのが実に爽快でした。
韓国ドラマによくある、最後には悪人が改心して何の罰も受けなかったり、ゴタゴタが山ほどあっても主人公とヒロインは結ばれたり、なんやかんやで都合よくまとまることなんかは本作にはなく、見ながら突っ込みどころばかりになることがないのは、ある意味凄いですね。
つまり、予定調和や想像通りに物事が進まない”先が読めないドラマ”なんです!
勿論、色々あったけど最期はハッピーエンドというのもいいんですが、何十話も見てきて最期は同じパターンというのは飽きませんか?
本作は決してハッピーエンドとは呼べない、実にリアルな最後で、その過程も何がどう展開されるのかわからないスリリングなもの。
スリリングなシーンといえば、本作のみどころの一つ剣劇も実に素晴らしく、剣士同士の壮絶な対決はやり過ぎにならずヒリヒリとした緊張感もちゃんとあるもので、タイプの違う三人の天才剣士イ・バンジ、ムヒョル、キム・テミの戦いや、のちのち登場する作中最強の剣士チョク・サグァンとの戦いは、中国の武俠ドラマにも匹敵するレベルでした。
味方は勿論、敵も含めて魅力的な登場人物が多いこの作品は、時代劇という枠に囚われずジャンル関係なしに見てほしい作品だと思います!
時代劇には正統派とファンタジーの大きく2つに分かれますが、この作品は実在の人物に架空の人物を加え、この二つを両立したと言われ、第三の時代劇と評価されました。
また時代劇は一般的に一人の人物を中心に描かれますが、このドラマでは「六龍」全員を同等に描き、それぞれの立場から多角的に歴史を捉えています。この作品が描かれた時代はその後ドラマ「根の深い木」へ続いていきます。同じ脚本家による二つのドラマがつながったという点も、興味深いですね!
最後に
韓国の時代劇には、日本のような大河ドラマのような史実に忠実な作品はないようですが(殆どが創作なため)、規模の大きさや面白さでいうと本作は決して負けていないでしょう。
むしろ、エンターテイメント性だけでいうなら、本作の方が上かもしれません!
このドラマは、人間を人間らしく描いていて、主人公をはじめヒロインや悪役に至るまで、決まったパターンに収まっていないのが特徴です。
“どうせくっつくんでしょ?”や”最後には丸く収まるんだろ?”といった予想をいい意味で裏切るドラマで、見ていて辛くなる場面も出てきますが、実に”作り物臭がしない”流れだと思いました。