コ・アソン、イ・ソム、パク・ヘス主演による痛快お仕事ドラマ!
韓国で実際に起きたら環境汚染問題をモチーフにした高卒女性社員たちによる大逆転ストーリー。
キャスト、あらすじ、感想、最終回などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
サムジンカンパニー1995キャスト
原題:サムジン(三進)グループ英語TOEICクラス
2020年10月21日韓国公開(日本公開日2021年7月9日)
上映時間:110分
監督:イ・ジョンピル
「全国のど自慢」「花、香る歌」など
脚本:ホン・スヨン、ソンミ
【イ・ジャヨン役】コ・アソン
サムジン電子生産管理3部所属のOL。ドロシー。
【チョン・ユナ役】イ・ソム
マーケティング部所属。ミシェル。
【シム・ボラム役】パク・ヘス
会計部所属。シルビア。
【チェ・ドンス役】チョ・ヒョンチョル
生産管理3部代理。
【ホン・スチョル役】イ・ソンウク
生産管理3部課長。
【ポン・ヒョンチョル役】キム・ジョンス
会計部部長。
【アン・ギチャン役】キム・ウォネ
生産管理3部部長。
【パン・ウンギョン役】ペ・ヘソン
マーケティング部部長。
【オ・テヨン役】ペク・ヒョンジン
常務。会長の息子。
【ビリー・パク役】デヴィッド・リー・マキニス
社長。
韓国で実際に起きた事件を基にした痛快お仕事エンターテインメント作品。
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サムジンカンパニー1995あらすじ
1995年の韓国。
ソウルオリンピックなど国際的なイベントを成功させたこの時代の韓国では、グローバル化の波が押し寄せ語学学校がいたるところに出来ていました。
サムジン電子に勤める高卒平社員のイ・ジャヨン(コアソン)、チョン・ユナ(イソム)、シム・ボラム(パクヘス)の3人もTOEIC600点を超えを目指し英語修得に励んでいました。
彼女たちはそれぞれに高い能力を保持していたのですが、彼女たちよりも実務能力面で劣る大卒の社員たちが役職を貰う中で、主な仕事がお茶汲みや書類整理といった雑用ばかりという状況を変えようと奮闘していたのです。
そんな最中、偶然にも自社工場から有害物質が川に排出されていることを知った彼女たちは、事実を隠蔽しようとしている会社と戦おうと決意するのですが・・・。
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サムジンカンパニー1995みどころ
本作は熾烈な学歴社会である韓国を舞台にした高卒女性社員たちの奮闘を描いた痛快お仕事ドラマです。
高卒であるという理由だけで能力が発揮できない彼女たちの存在は視聴者の共感を得やすくなっていますし、会社内での男尊女卑的な状況や数々のハラスメントといった社会問題も描かれるなど、メッセージ性が強い作品になっています。
それでいて、コミカルかつ個性的な主人公たちのキャラクターや、どこかノルタルジックな演出に小気味いい展開など、環境汚染や内部告発といったシリアスなテーマを扱いながらもエンターテインメント性が高い作品でもあります。
TOEICの点数がよくないと出世出来ないという現在も続く韓国の就職問題や、大卒であれば実務能力はなくとも役職を貰えるというおかしな基準に、不正だと分かっていても何も物申せない状況など考えさせられる要素もありつつ、会社内では末端の主人公たちが周りを巻き込みながら会社の不正を告発する流れはハラハラドキドキの連続です!
主人公である高卒女性社員たちは、果たして環境汚染問題を世間に知らしめその黒幕を突き止めることが出来るのか!?
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サムジンカンパニー1995感想・評価
舞台が1995年ということもあってか全体的な雰囲気はかなり古臭いのですが、それがコメディタッチなキャラクターと上手くマッチしていました。90年代というよりも80年代っぽく見えましたが。
正統派な美人女優をキャスィングしていないのも正解で(いい意味ですよ!)、日本でいうところのバブル期にいそうなOLキャラクターを無理なく演じられたと思います。
とはいえ内容的には環境汚染問題を扱っているので、そんなシリアスなテーマだけだとお堅い作品になってしまいます。
だからこそユニークなキャラクター設定にし、どこかダサい演出をすることでバランスを取っているように思いました。
例えるならジュリア・ロバーツ主演の「エリン・ブロコビッチ」のように環境汚染問題を分かりやすく描いているといった感じでしょうか。
そのシリアスな内容は会社ぐるみでの環境汚染隠蔽というかなり虫酸が走るものな上に、男女差別や学歴差別、ハラスメントの数々なども描かれていて、主人公3人と高卒の末端OLたち以外の登場人物はほぼ悪事に荷担しているという最悪さ。
しかし、そんな主人公たちが間違っていると声を挙げたことで逆転劇がスタートすることになるんです。
実力がありながらもお茶汲みや雑用しかさせてもらえない状況に不満を持っていた彼女たちと、そんな彼女たちを舐めていた会社の男たちとの対立を見ていると、現代においても似たような状況はありえると思いましたし、社会人として働いた経験がある人なら男女問わず共感できる部分も多くあると思います。
彼女たちによる終盤の盛り返しと、上司に従うしかなかった男性社員たちも仲間に加えていく展開などはかなり都合良すぎるようにも感じましたが、この分かりやすい展開があるからこそエンターテインメントとして盛り上がりますし、ただ会社のいいなりになっているだけでは駄目なんだということも痛感させられました。
しかし、多くの社員は悪事を知りながらも目をつぶっていたくせに、最終的には外国のせいだとしてしまったのには納得がいきませんでしたね。
確かに外国のファンドが暗躍していたとはいえ、大規模な環境汚染を引き起こし、農作物や住人たちにも被害を及ぼし、その上嘘で言いくるめ隠蔽しようとまでした企業が存続し続けるというのは如何なものか?
主人公たちの活躍や女性たちをはじめとする立場の弱い人たちが強者に打ち勝つ流れは痛快だったのですが、それでも会社(財閥)が生き残っているという状況こそが韓国社会一番の問題なのかもしれません。
まとめ:会社内では末端の平社員にすぎない高卒OLたちが、環境汚染や会社の不正などの異議を唱え立ち上がるというのは痛快そのものでしたし、女性の社会進出への弊害や学歴至上主義への皮肉などを分かりやすく描いているのも面白かったのですが、責任を海外企業のせいにして会社は存続するという結末には納得がいきませんでした!
最後に
本作は大まかに言えば内部告発の話なんですが、その告発者が末端の高卒OLたちであるというのが面白いところなんですよね。
大卒でないというだけでお茶汲みや雑用しかさせてもらえず、しかも大卒の男性社員たちよりも有能で彼女たちがいないと会社が回らないという状況なのに周りからは感謝の言葉もない。
こんな状況って私たちの周りでもよく見かけるものですよね!
店長よりもリーダーシップを発揮するバイトリーダーっていますし、異動ばかりの社員よりも店の現状や業務に詳しいバイトなんてゴロゴロいます。
本作における主人公たちもこれと近い状況にあり、上司の顔色を伺い自分の意見すら発言できない社員よりも、決死の覚悟で会社を変えようと行動し、自分の仕事に責任を持とうとした彼女たちの方が何倍もいい人材だと思いましたね。
結末には不満はありましたが、彼女たちの行動力と熱意には敬意を表したいと思います!