ペ・スジとヤン・セジョンによるラブロマンス「イ・ドゥナ!」
人気web漫画を原作にしたこのドラマはキャスティングが原作のイメージにぴったりだと話題になりました。
引退した元アイドルと平凡な大学生のシェアハウスでの同居を描いたロマンス。
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
イ・ドゥナ!キャスト一覧
全9話
2023年10月20日Netflix公開
演出:イ・ジョンヒョ
(愛の不時着・ロマンスは別冊付録など)
脚本:チャン・ユハ
制作会社:スタジオドラゴン
「トッケビ」「ミスターサンシャイン」
「愛の不時着」など
【イ・ドゥナ役】ペ・スジ
アイドルを引退し大学に復学した
【イ・ウォンジュン役】ヤン・セジョン
イ・ドゥナとシェアハウスで同居することになった
【キム・ジンジュ役】ハヨン
【チェ・イラ役】パク・セワン
寄宿舎を出てシェアハウスに来た
【ク・ジョンフン役】キム・ドワン
【ソ・ユンテク役】キム・ミンホ
ドリーム・スイートのキャストは?
イドゥナの所属していたアイドルグループ「ドリーム・スイート」に主演も務める人気女優コ・アソンがのメンバーとして出演しています!
メンバーはコ・アソンのほか、
・シミズ(ダンスクルーLACHICAのメンバー)
・リアン(ダンスクルーLACHICAのメンバー)
・ジャネット(歌手)
※シミズは清水さんかなと思いきや、韓国の方で日本人ではありません。
コ・アソンプロフィール↓
ダンスのプロ・歌のプロ・演技のプロをメンバーに入れ、最初はダンスが合わずに苦労したそうですがだんだんまとまっていく様子に、スジはアイドル時代を思い出したようです。
イ・ドゥナ!あらすじ
大学生のウォンジュン(ヤン・セジョン)は開校を控え、シェアハウスに入居。
下の階には引退したアイドル、イドゥナ(ペ・スジ)が住んでいることがわかり・・・。
イ・ドゥナの態度に翻弄されるウォンジュン。
イ・ドゥナはなぜ自分の家を出てシェアハウスに住んでいるのか?
アイドル時代に何があったのか?
イ・ドゥナの感想は?
ペ・スジ演じるイ・ドゥナのキャラクターを堪能する作品ですが、他のキャラクターも魅力的でしたしストーリーも十分面白い!
元アイドルと大学生が偶然同じシェアハウスで暮らすことになり、しかも同じ大学に通っている。
この設定だけみると都合の良い設定のラブコメのように見えるかもしれませんが、本作ではいかにもな演出はされておらず、登場人物の年齢以上に落ち着いた大人のロマンスになっていました。
アイドル活動の苦悩やストレスを描くドラマ自体は珍しいものではありませんが、アイドル業界の裏側をエンタメとして描いた作品ではなく、アイドルとして頑張っていたけれど傷付き疲れてしまった一人の女の子の悩みや、一人の男性と出会ったことで癒やされ惹かれていく様が描かれています。
親が金に汚く、子供がアイドルとして家政でも使い込まれたり、お金と世間からの目というものに毒されて心が蝕まれたり、事務所やグループの仲間たちと上手く行ってないなど、これらの設定は定番ではありますが薄っぺらい“アイドル業界裏話ドラマ”になっていないのが気に入りました。
しかし、一人のアイドルをとことん追い込むような事務所の対応は「そりゃ自殺者も出るよな!」と思わせるもので、業界の闇の部分をかなりシニカルに描いていたと思います。
当然、再起を目指す元人気アイドルとただの大学生の恋という格差恋愛要素もあり、暗いだけのドラマにはなっていませんでした。
イ・ドゥナの妖艶かつ小悪魔的なキャラは男心をくすぐりますし、華やかな見た目に反して悲しみを抱いているのも惹かれる要素で、アイドルという職業でなくとも何かで挫折をした経験のある人なら自分のことと置き換えて見ることも出来ます。
最初は過去に囚われて引きこもり生活を送っていたドゥナ。
ウォンジュンに対しては、からかいがいのある弟のように接していましたが、彼の優しく偏見のない姿に触れることで徐々に別の感情が生まれてくるという展開。
はじめはストーカーと勘違いし冷たい対応を取ってきた彼女が、次第にウォンジュンの前だけで笑顔や子供っぽい一面を見せるようになるのですが、小悪魔的キャラとのギャップから魅力が倍増します!
一見強く見えるも実は寂しがり屋で傷付きやすいというヒロインと、そんなヒロインのことを助け優しく接する主人公。
厄介なタイプだけど根は良い子で、普段強い女性の弱い部分を俺だけが知っている優越感というのは男目線の独りよがりなのかもしれませんが、皆にいい顔して普段は良い子ぶっているけど実は腹黒というキャラよりは当然惹かれますよね。
もう辛くて苦しいことだらけのあの世界には戻りたくない!という気持ちがある一方で、かつて自分が輝いていたあの場所に戻りたいという相反する気持ちもあるなど、簡単には決別できない複雑な想いもちゃんと描かれていました。
一方で主人公が片思いしていた相手ジンジュもドゥナとは違った厄介なキャラで、誰に対しても人当たりが良いから男からすると勘違いしてしまうという典型的な思わせぶりキャラなんですよね。
男ならこういうタイプの女の子に一度は惹かれた経験があるものなので、勝手に勘違いしてヤキモチを焼いていた過去の自分にイライラしてしまうんです。
この人も家庭環境に問題があってウォンジュンに対し素直になれなかっただけで、実はすごく純粋で一途なタイプなんですけど、序盤では思わせぶりなキャラだと誤解することになります。
この人それぞれに見た目からは分からない重荷を抱えているというキャラ造形も良いんですよね。
そして、本作に明るさと笑いを提供してくれるのが、ウォンジュンの幼なじみ兼天敵のイラです。
イラが登場することでキャラクターの幅が広がりますし、シェアハウスでの共同生活というエンタメ展開も生まれます。最初は天真爛漫かつトラブルメーカーなキャラなんだと思いますが、実はウォンジュンのことを心配してくれるいいヤツなんです。
本作は、業界の裏話を丁寧に描くタイプのドラマではありませんし、キャラクターの背景について分からないこともあります。
しかし、全てを描くよりもこうじゃないか?と想像させる方がいい場合もあり、本作の場合は後者なんだと思いました。
家族間の問題やゴタゴタなんかは、細かく描かなくても想像できますしね。
だから、王道設定にしているのかも!?
まとめ:様々な問題を抱えた元アイドルと大学生との切ない格差恋愛を描いたラブロマンス!
ドラマの題材や設定はかなりベタでありながら、変にわざとらしい演出をしていないのでかなり見応えがありましたし、キャラクター描写も絶妙でした。
イ・ドゥナというキャラクターが魅力的なだけでなく、スジの魅力を活かしたハマリ役でした。
最後に
設定はよくある王道なものなのに、余計なことはせずサラッと描いて視聴者の想像する余地を残していたのが正解だったのかもしれません。
ドゥナやウォンジュンが置かれた状況はかなり大変なものなのに、そこをあえて余白を残して描いているので、状況は理解できるけど見ていて暗くなりすぎない!という上手い演出になっているんですよね。
これはドラマというより映画的なのかな?
終盤急ぎ足のように展開するのが気に入らない人もいるかもしれませんが、二人に感情移入できていれば理解できますし、共に悲しむこともできます。
ラストもいかにもドラマチックな展開はあえて避けた感じがして私は好みでした!