韓国映画歴代3位の観客動員数を誇る大ヒット作!
ファン・ジョンミン×ユ・アイン競演で贈る、刑事と財閥御曹司の対決を描いたアクション映画です。
キャスト、あらすじ、感想、みどころなどをまとめました。(トップ画像公式ページより)
ベテラン(映画)キャスト一覧
原題:VETERAN
2015年8月5日韓国で公開(日本では2015年12月12日公開)
上映時間:123分
観客動員数:1340万人越え
監督、脚本:リュ・スンワン
【ソ・ドンチョル役】ファン・ジョンミン
【チョ・テオ役】ユ・アイン
【チェ常務役】ユ・ヘジン
【オ チーム長役】オ・ダルス
【ユン刑事役】キム・シフ
【ミス・ボン役】チャン・ユンジュ
【ワン刑事役】オ・デファン
【ペ運転手役】チョン・ウンイン
【チョン・ソグ所長役】チョン・マンシク
【カン・ジョンシク総警役】チョン・ホジン
【チョ・ドンゴン会長役】ソン・ヨンチャン
【イ・ジュヨン(ドチョルの妻)役】チン・ギョン
【チョン・ダヘ役】ユ・イニョン
【中古車販売業カン社長役】ペ・ソンウ
作品紹介
本作は観客動員数1340万人を越え韓国映画歴代3位となった大ヒット作です。
監督のリュ・スンワンは『ベルリン第ファイル』や『軍艦島』などの大ヒット作を手掛けていて、本作では52回百想芸術大賞:映画部門監督賞をはじめ、第36回青龍映画賞、第35回韓国映画評論家協会賞においても監督賞を受賞しています。
主演のファン・ジョンミンとは『生き残るための3つの取引』以来約5年ぶりのタッグとなります。
本作で初の悪役を演じたユ・アインは、高い演技力を評価されることになりましたが、この役は当初キム・スヒョンにオファーしていたそうで、ドラマ『星から来たあなた』のスケジュールの兼ね合いもあり実現しなかったのだとか。
キム・スヒョンの傍若無人な悪役も見てみたかったところですが、その結果ユ・アインの狂気に満ちた熱演が見れたので結果良かったように思います!
本作の音楽は昭和感満載のテイストで、それが80年代の日本の刑事ドラマを見ているようでもあり良かったですね。
エンディング曲は普通にカッコいい!
ベテラン(映画)あらすじ
武闘派ベテラン刑事ソ・ドチョルは、広域捜査隊に所属し特殊協力事件を担当しています。
そのメンバーはオチーム長をはじめ個性的な面々ばかりで、今回長年追ってきた詐欺集団を捕まえ、昇進に浮かれていました。
そんな中、あるパーティーで財閥3世のチョ・テオと出会うことになります。
ドチョルは、すぐにテオから犯罪の臭いを嗅ぎとり警告するのですが、警告むなしくすぐに事件が起こることに!
それは、テオの会社で社員が飛び降り自殺を図ったというものでした。
この事件にテオが絡んでいるとにらんだドチョルでしたが、警察上層部からの圧力などもあり捜査を打ち切るように迫られるのでした。
しかしドチョルとチームは事件の真相に迫っていくのですが、テオは金と権力を使い捜査の手をかわして行き・・・。
ベテラン(映画)みどころ
『ベテラン』は、一見とても分かりやすい作品。熱血漢のベテラン刑事が、しがらみや権力など関係なく突き進み、財閥のバカ息子を追い詰めていくという勧善懲悪のドラマなんです。
特に珍しいテーマでもなく、最後には犯人を捕まえることになるのは分かっている流れですし、それまでに警察上層部や財閥からの圧力をはじめ、様々なところから邪魔が入ることは想像がつくと思います。
じゃあ、何がこの作品が面白いのかというと、作品のスピード感と個性的なキャラクターでしょう!
犯人逮捕のためには違法スレスレのことも平気でする熱血刑事な主人公ドンチョル、そんなドンチョルといいコンビネーションを見せるオチーム長、男より男らしい女刑事ミス・ボン、肉体派刑事ワン、末っ子刑事ユンと、かなりバラエティーに富んだチーム。
対する財閥御曹司テオもとんでもないゲスっぷりで、このキャラクターは実際のニュースをモチーフにしたなんて驚きです!
それを悪役初挑戦とは思えない見事さで演じきったユ・アインの演技は必見ですね。
そんなテオに振り回され、見ていて哀れに思ってしまうチェ常務をユ・ヘジンが見事に表現しています。
物語の流れに驚きや新鮮さは感じないんですが、そのドラマに登場する彼らがいい意味でも悪い意味でも人間らしいのがこの映画のポイントと言えます。
そして、終盤に入っての街中での激しいカーチェイスに、見ていて本当に痛々しい格闘というよりケンカなシーンは激アツです!
本作は悪い権力者がしっかりやっつけられるからこそ、見ていてスッキリ出来るんだと思います。
ベテラン(映画)感想と評価・評判
なんでこの映画が韓国で超ヒットしたんでしょうか?
韓国国民の中に日頃からある、韓国財閥へのウップンを映画を見て解消させるためなのかもしれないですが、内容的には(事件的に)地味で、テロや大量殺人、暗殺者などの出ない、TVドラマサイズの事件なんですよね。
しかし役者陣の演技の素晴らしさや、ラストのアクションシーンの痛々しさは必見です!
財閥御曹司のゲスさ加減や、それを取り巻く連中のバカっぷり、それを良しとする親の愚かささと、三拍子揃ったダメな金持ちの話に終始胸糞悪くなる作品なんです。
主人公たちも熱心に捜査するも、最後は力業ですし。
救いとなるのは刑事たちの軽快なノリとユーモア、そして主人公の奥さんのスカッとした性格ですかね。
この映画のような事件が実際にあったそうですし、近年日本のニュースでも騒がれていましたが、ここまでのクズ人間は人を殺してないとしてもそれに値する刑罰を負わし、それを隠蔽した財閥自体も相応のバツを与えるべきだと真剣に思いました。
作品全体には軽快なノリがありエンターテインメント性も高い為、重苦しい社会問題を扱いながらも見やすくなっているんですが、ラストで主人公があまりにやられまくるのでどこか消化不良なところも。
あと、目の前で事件が起きていても、何百人もいる傍観者たちはただカメラを構えいるだけというのも、リアルなんでしょうが本当に気持ちが悪かったです。
日本でこの手の内容だと単館系作品になると思うんですが、韓国では大ヒットしたのは本当になぜなのか?
これは、韓国財閥の実態や社会問題を知ってるからこそわかる内容であり、そうだからこそ実際の話をモチーフにした本作を見て普段感じていたモヤモヤが解消されるのかもしれないので、日本人以上に見ていて興奮するんでしょう!
最後に
面白いは面白いんですが、傑作というほどではないかも。
テレビドラマシリーズの映画化といったレベルの作品だと言えば分かりやすいですかね?
韓国ではとんでもなく大ヒットしたのに、内容はかなり地味なんですよ。
日本映画で例えるなら『踊る大捜査線THE MOVIE2』といった感じかもしれません。
あと毎回思うんですが、韓国映画やドラマは国からの支援もあり日本のそれより制作費が潤沢らしいんですが、どこにそんなにかかってるのでしょう?
確かに街中での撮影が出来てるのは協力体制があるんでしょうが、刑事ものにしてはパトカーや警官たちは登場数は少ないですし、今作だけでなくもっと大きな事件の作品でも控え目な印象があるんですよね。
日本のTVドラマでももっと登場してるのに不思議なんですよね。