チョン・ジヒョン、チュ・ジフン主演、「トッケビ」の演出家×「シグナル」の脚本家による山岳ミステリードラマ!
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
智異山(チリサン)キャスト一覧
U-NEXT全32話
放送期間:2021年10月23日~12月12日まで韓国tvNで放送
平均視聴率8.385%
最高視聴率10.663%
演出:イ・ウンボク
「太陽の末裔」「トッケビ」など
脚本:キム・ウニ
「シグナル」「キングダム」など
【ソ・イガン役】チョン・ジヒョン
智異山(チリサン)国立公園最高のレンジャー。
【カン・ヒョンジョ役】チュ・ジフン
元軍人の新人レンジャー。
【チョ・デジン役】ソン・ドンイル
智異山国立公園海東(へドゥン)分署分署長/隊長。
【チョン・グヨン役】オ・ジョンセ
ヘドン分署所属レンジャー。イガンの同期。
【パク・イルヘ役】チョ・ハンチョル
ピダム避難所レンジャーチーム長。イガンとグヨンの同期。
【イ・ヤンソン役】チュ・ミンギョン
へドゥン分署行政職員。
【イ・ダウォン役】コ・ミンシ
ヘドン分署所属のひよこレンジャー。
【キム・ウンスン役】チョン・ソクホ
海東(ヘドン)派出所勤務のベテラン警官。イガンたちの友人。
【キム・ソル役】イ・ガソプ
全北事務所資源保全課職員。
「シグナル」「キングダム」脚本家と「太陽の末裔」「トッケビ」演出家がタッグを組み、韓国歴代2位の莫大な制作費(約30億円)をかけた山岳ミステリー。
BTSのJINや少女時代のテヨン、「梨泰院クラス」の主題歌で知られるGahoなど、豪華メンバーが参加したOSTも注目です!
※ちなみに本作に登場するレンジャーというのは、普段は国立公園の自然保護活動をしていて、遭難者が出ると山岳救助隊のような職務につくというもの。
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智異山(チリサン)あらすじ
2018年、智異山国立公園ヘドン分所に配属された新人レンジャーのカン・ヒョンジョ(チュジフン)は、配属されてすぐに最高のレンジャーと呼ばれるソ・イガン(チョンジヒョン)とコンビを組み、遭難者の少年の捜索に駆り出される。
しかし、チリ山周辺には台風が接近しており、二次遭難の危険が高まったために捜索中止となってしまう。
ところがおかしな幻影を見たというヒョンジョはイガンに少年は生きていると言い張り、サンスリ岩を目指して捜索を強行することに。
そこで本当に少年を発見したヒョンジョは、「行方不明になった人々の幻影が見える」とイガンに伝えるのだが…。
2020年、事故に遭い車椅子姿となったイガンが仕事復帰してくる。
しかし、同じく事故に遭った相棒のヒョンジョは未だに集中治療室にいるようで…。
一年前、二人に一体何があったのか!?
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智異山(チリサン)みどころ
本作は智異山(チリサン)国立公園を舞台とした、自然保護活動と人命救助活動を仕事にするレンジャーたちの活躍と、山で起きた連続殺人事件を描いたヒューマン・ミステリードラマです。
過去の災害で両親を失ったことから山の恐ろしさを知る最高のレンジャー・イガンと、軍人時代にチリ山で事故で部下を亡くしたことからチリ山で亡くなる人の幻影が見えるようになった新人レンジャー・ヒョンジョの二人は、ある事件を切っ掛けにチリ山で起きる連続殺人事件の真犯人を追うために奮闘していくのですが、山が見せる幻影や生霊からのシグナルが事件解決の切っ掛けになるというのが特徴なんです!
この要素は本作を手掛けた脚本家が「シグナル」でも披露していたファンタジー・ミステリーとでもいうもので、そこにオカルト要素が加わります。
誰が何の目的でチリ山で殺人を犯しているのか!?
そして、ヒョンジョの能力で連続殺人事件の真犯人を捕まえることができるのか?
殺人事件の行方のみならず、レンジャーの仕事内容や日常を描くドラマとしても注目で、山の壮大な景色を映した映像美に、山火事のシーンやその消火活動をリアルに描いていたりと、莫大な制作費をかけただけあってドラマとは思えないスケールとなっています!
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智異山(チリサン)感想・評価
豪華キャスト×豪華スタッフ×韓国歴代2位という莫大な制作費をかけた作品だけあってドラマとしては凄い映像が満載ですが、レンジャーの活躍を描くという以外に色々と付け加えたことで微妙な内容に…。
内容を簡単に説明するなら「シグナル」の亜種といった感じで、トランシーバーを通じて過去の人物と話が出来るのと、オカルト的な能力でシグナルを送っているという違いがあるものの、方向性的には近いものがありました。
正直、レンジャーという職業についてと山の怖さを描くだけで十分だと思うんですが、そこにサスペンスを入れちゃうのが韓国らしいというか…。
確かにサスペンス要素が無いとどこかで見たことのある作品になってしまうかもしれません。
だからといってファンタジーやオカルト要素は必要だったのか?またしても詰め込み過ぎの作品になってしまいましたね!
せめてサスペンスかファンタジーか、どちらか一つに絞ればよかったんですけど…。
その上、時系列が複雑という問題もあるので、やり過ぎなだけでなく展開もちょっと分かりにくいんですよね。
さらに犯人匂わせ演出があからさま&多用し過ぎなのでドキドキしない!というのも失敗だったかと。
これ、普通に町中で殺人事件が起きたら普通だから、舞台を山にしてオカルトもちょっと加えよう!という考えから始まったものなんでしょうか?
確かに、山の映像はとてもドラマとは思えない凄さですし、自然の脅威というものが加わることでスリリングさも増しているんですが、そもそも山で連続殺人事件という設定自体が「そんなんあり得るの!?」と思ってしまいました。
そして、ヒョンジョは元軍人だというのに体力がなかったり、勝手な行動ばかりしたり、詐欺師にやられるほど弱いというのはまったく軍人らしくない!何のためにその設定にしたのかよくわかりませんでした…。
さらに、登山客は自分勝手な人が多過ぎですし、違法登山者が山ほどいるというのも理解できず、その人たちに限って遭難して迷惑かけるのも腹立たしいばかりでした。
国立公園となった山を管理するのは大変でしょうが、約一年の間にこんなに事件や事故が多発するものなのか!?
勿論いい点もたくさんありました!
最後の最後まで犯人の正体や目的が分からないのはミステリーとしては最高に面白いポイントで、だれにもバレずに何人も事故に見せかけて殺害してきた犯人の周到さも凄かったですね。この点は楽しめました。
ただ、ファンタジー要素を付け加えるならレンジャーとしての活動の中での自然の脅威や神秘性を描く上で使うのが分かりやすいですし、サスペンスにしたいのなら犯人探しをする上で飛び道具的に幽霊などを使うのではなく、どうやって事故に見せかけたのかや、何件も殺人をする上でどうようにしてバレない様に行動したのかを丁寧に描くべきだったかと!種明かしの無いミステリーはもの足りませんよ。。。
山の自然を守り人命救助もするレンジャーの活躍を描くヒューマンドラマ、山で多発する連続殺人事件を追うサスペンス、主人公たちの周辺で起きるファンタジー/オカルト要素と、それが現在と過去の二軸で同時展開されることによる複雑さ…。
これは盛り込み過ぎですって!!
最後に
ーーー以下*ネタバレあり!ーーー
自分たちが生きるために他人を犠牲にして事故に見せかけて罪を逃れた。
そりゃあ、犠牲になった家族は犠牲にした人たちを恨むでしょうし、直接手を下してなくても傍観者たちにも復讐したい気持ちになるでしょう。
村人たちが結託して犯人たちの親を殺したことを隠していたのは確かに罪ですが、村長も村長でどうかと思うんですよね…。
自分は養蜂で暮らしていけるけど、他の村人たちは法律が変わったせいでまともに稼げなくなった。
そりゃあ、生まれ故郷の自然を守りたい気持ちは分かりますが、村長が他の村人たちの苦しみを理解したり、仕事を斡旋するなどしなかったから揉めることになったんですよね!
そこで村長らしく村人たちを救う方法を考えていたら違う結末になったかもしれませんね…。
チリ山を舞台に事故を装った連続殺人事件が起きるという設定自体は面白いのですが、そこに「シグナル」のようなファンタジー設定があったり、幻覚や予知夢のようなものを見せて危機を伝えたり、生霊が山を彷徨いているというオカルトチックなものなんです。
確かにこうでもしなければ山で起きた事件は事故として処理されたでしょうし、今以上に殺人事件も起きたはずなんですが、だからといって未来が予知できたり生霊が出すシグナルにより事件を防ごうというのは現実味がなさ過ぎます!
レンジャーとしての活動や山の恐ろしさなどはリアルに描いているのに、同時に内容がオカルトというのは無理があるかと。
人智を超えるものとして山の神秘を描くのはまだしも、それが殺人事件解決に利用されるのは如何なものなのか!?
幽霊/生霊という存在が人の目についたり、ものに触れず声も出せ無い設定だったのに、何故かシグナルを出すための枝や石は動かせたり、終盤では会話も出来て物も触れるようになるなんて都合良すぎませんか!?
ミステリーなのに非科学的な要素で事件を解決しようという設定そのものが苦手でしたね…。