世界的なヒット作となったスペイン発のドラマの「ペーパー・ハウス」を韓国でリメイク!
こちらも大ヒットし続編となるパート2(シーズン2)が配信となります。
キャストEX、あらすじ、感想、全何話かなどをまとめました。(トップ画像公式ページより)
ペーパーハウスコリアキャスト一覧
Netflix全6話
シーズン1Netflixにて2022年6月24日配信(6話)
シーズン2Netflixにて2022年12月9日配信(6話)
監督:キム・ホンソン
「ボイス」「ブラック」など
脚本:リュ・ヨンジェ、キム・ファンチェ、チェ・ソンジュン
【教授役】ユ・ジテ
強盗計画の首謀者兼司令塔。
【ソン・ウジン役】キム・ユンジン
刑事。危機交渉チーム長。
【ベルリン役】パク・ヘス
北朝鮮の収容所を脱獄した麻薬犯罪者。
【トーキョー役】チョン・ジョンソ
北朝鮮出身の元兵士。
【モスクワ役】イ・ウォンジョン
元炭鉱員で窃盗犯。
【デンバー役】キム・ジフン
元ストリートファイター。モスクワの息子。
【リオ役】イ・ヒョヌ
天才ハッカー。元医大生。
【ナイロビ役】チャン・ユンジュ
詐欺・偽造のプロ。
【チョ・ヨンミン役】パク・ミョンフン
人質。造幣局の局長。
【ユン・ミソン役】イ・ジュビン
人質。造幣局の秘書。局長の不倫相手。
【アン・キム役】イ・シウ
人質。アメリカ大使の娘。
【チャ・ムヒョク役】キム・ソンオ
北朝鮮人民保安省大尉。
スペイン(オリジナル)のポスター
本作はスペイン発の大ヒットドラマ「ペーパー・ハウス」を登場人物や設定はほぼオリジナルのまま韓国でリメイクした作品です。
ペーパーハウスコリアは全何話?
パート1は6話、パート2も6話で、通しで12話です。
スペインの原作はシーズン5までの全48話ですので、韓国版もそのくらいになるかもしれません。
ペーパーハウスコリア感想・評価
前作から約半年経ってのパート2。
前半では描かれなかった作戦実行前の訓練シーンや仲間たちとのやり取りなども描かれ、ここからがやっと本番といった感じ。
ただ、オリジナルではエピソード1と2合わせて全22話のストーリーを、本作では全12話にしているのでかなり簡略化されている印象があります。
パート1の時にも書きましたが、やはり本作は人間描写がかなり削られていて、テンポ良くストーリーを進行させることに重きを置いている気がします。
それによってオリジナルで感じた進行の遅さは感じませんし、エンタメとして見るならテンポが早いほうが楽しめるのは確か。
しかし、簡略化されていては登場人物たちに感情移入はしにくいですし、仲間同士のぶつかり合いが少ないのも物足りなく感じます。そうなると“警察ではなく犯人側を応援したくなる”という「ペーパー・ハウス」の醍醐味が薄れてしまうんです!
それでも前後編を全て見ると前半だけ見たときよりも面白いと感じることはできます。
前半では物足りなく感じたところも後半を見ればしっかりと補完されますし、登場人物たちの人となりを知れば愛着も湧くというもの。
エピソード6までは疾走感もあり強盗エンタメ作品としては抜群に面白かった。
しかし、どんなキャラクターなのか分からないままだとモヤモヤします。
だから6話まで見てストーリーに入り込めないとしても、その後も一気見するのがオススメです!
シーズンを通して見比べてみるとオリジナルより本作のほうがコンパクトにまとまっていますが、銃撃シーンなどはオリジナルの方がリアルでスリリングでしたし、犯罪ものとしてもオシャレで小気味よいんですよね。
どちらが良いかは好みの問題かと。
オリジナル版と比べると見知った俳優陣が演じている本作の方がキャラクター的な引きは強いですし、それゆえに親近感も湧き感情移入もしやすいのですが、しかし人間的荒々しさや鬼気迫る感じでは敵わないと感じました!
出演俳優の演技が悪いというわけではないのですが、なりふり構わずの演技という面では劣ってるんですよね。。
確かに本作はリメイクとは思えないほど良くできているのですが、比較すると小綺麗すぎるように感じたり、よく見ると作り物のように思えるところがいつもあるんです。
それは犯人や人質たちの身なりだったり、清潔すぎる見た目に表れていて、変に見た目に気を使っているから切迫感は薄れますし、せっかくの面白さも半減するというもの。この状況ならどう考えても汗はかきますし、服も汚れ、髪型やメイクも崩れていくのが当然ですからね。
他の相違点でいうと、オリジナルのシーズン1では匂わせる程度だった政治色が、本作では朝鮮半島の南北問題として序盤からガッツリと組み込まれていること!
しかも南北が再統一するという架空の世界を舞台に、そこでの経済格差や差別などが描かれているんです。
もちろんオリジナル版でも国王が存在するスペインという国と国民との対立構造というものがあるんですが、それはストーリーが進むごとに徐々に描かれていくんです。
このアレンジは実に韓国らしいもので、強盗半分、政治ドラマ半分といった内容になりました。
これは続編があるかどうかが分からないから、メッセージ性を早々に組み込んだのか、それとも出し惜しみすることに我慢できなかったのか。
続編があるのなら今後オリジナルとは違った展開になるのかが楽しみですね。
パート2で特に印象的だったキャラクターは、圧倒的なキレっぷりの演技を披露したパク・ヘスさんと、オリジナルキャラクターであるソウル役のイム・ジヨンさんです。
ソウルはトーキョーと比べても遜色ないクールビューティーなキャラで、その分どんな行動をするのか予想がつかずワクワクさせられるんです。これはリメイクものとしては重要な存在ですよね!
しかし、主役の一人であり本作のヒロインでもあるトーキョーは、オリジナルで見せたほどのイカれぶりは披露しておらず、かなり大人しい印象に。
オリジナルのトーキョーといえばメインキャラであるのにもかかわらず嫌われっぷりが凄まじいことでも有名で、それは現場のリーダーであるベルリンへの噛みつきぶりや、周りに噛みつくときの憎たらしい表情、そして皆をイライラさせるワガママっぷりなどにあります。
特にナイロビに対しての最低な発言には驚愕させられましたね。。
あれほど信奉してきた教授に対しても裏切りの発言や行動をする矛盾にどれだけの視聴者がイライラさせられたことか!
その嫌われっぷりが本作のトーキョーからは見えてこないんです!もちろんオリジナルのトーキョーは仲間や視聴者からも嫌われたキャラでしたが、イライラさせられても彼女がいてこそドラマは盛り上がりましたし、展開が予定調和にならなかったのも彼女の功績でした。
本作も基本的には同じ展開になりますが、トーキョーが目立たなかったのはドラマの面白さ的にかなりのマイナス!!
それにしても後半のリオはウザかったぁ。。
オリジナルでもPCに詳しいだけの弱虫年下キャラでしたが、本作では見た目のチャラさや俳優の演技力もあってかウザさに拍車がかかっていました。
局長もとにかくウザかったですが、問題が起きたときにマイナスな発言をしたり、リーダーへの不満を口にしてチームワークを乱そうとしたりと、仲間としては厄介すぎます。
しかも仕事でそんなに役に立っている印象もなく、それよりもトーキョーの気を引く方に熱心というんだから一層腹が立つというもの。
つまり、一人だけお坊ちゃん育ちというのが丸わかりだということ。
この他にも韓国ならではの要素が加えられているため、どこがどう違い、展開に何か変化があるのか?については見てからのお楽しみということで!
おかげで主人公と対立する側の方が余計に目立ってしまい、権力者たちに立ち向かう強盗集団を応援するという醍醐味が薄まる結果に。。。
最後に
韓国作品ではお馴染みの南北問題や、半島が統一したという架空の世界を舞台にするなど、リメイク作品でありながらかなりオリジナル要素が盛込まれた作品でした。しかし、基本的な流れや展開は同様で作品の完成度としてはかなり高かったですね!
ーーーー*ネタバレあり!ーーーー
とはいえ、結局は政治家や大企業の会長といった権力者たちの不正を明らかにするという韓国ドラマ王道の展開になってしまい、そのせいで軸がぶれてしまった気がします。
女性刑事の元夫を刑事から大統領候補の政治家にするなんて、そりゃテイストも変わるってもんですよ。。
あと、死ぬ予定のベルリンが生き残ってるなんて、じゃあベルリン一番の見せ場は!?
・・・この先続編があるとしたらストーリーは完全オリジナルにするんでしょうか??
ペーパーハウスコリア【パート1】↓