世界的なヒット作となったスペイン発のドラマの「ペーパー・ハウス」を韓国でリメイク!
朝鮮半島統一間近という近未来を舞台に統一通貨強奪を目論む強盗団と警察との攻防戦を描いたサスペンスドラマ。
出演は、ユ・ジテ、キム・ユンジン、パク・ヘス、チョン・ジョンソ、イ・ウォンジョン、キム・ジフンなど。
キャスト、あらすじ、感想、続編などをまとめました。(トップ画像公式ページより)
ペーパーハウスコリアキャスト一覧
Netflix全6話
Netflixにて2022年6月24日より全世界配信スタート
監督:キム・ホンソン
「ボイス」「ブラック」など
脚本:リュ・ヨンジェ、キム・ファンチェ、チェ・ソンジュン
【教授役】ユ・ジテ
強盗計画の首謀者兼司令塔。
【ソン・ウジン役】キム・ユンジン
刑事。危機交渉チーム長。
【ベルリン役】パク・ヘス
北朝鮮の収容所を脱獄した麻薬犯罪者。
【トーキョー役】チョン・ジョンソ
北朝鮮出身の元兵士。
【モスクワ役】イ・ウォンジョン
元炭鉱員で窃盗犯。
【デンバー役】キム・ジフン
元ストリートファイター。モスクワの息子。
【リオ役】イ・ヒョヌ
天才ハッカー。元医大生。
【ナイロビ役】チャン・ユンジュ
詐欺・偽造のプロ。
【チョ・ヨンミン役】パク・ミョンフン
人質。造幣局の局長。
【ユン・ミソン役】イ・ジュビン
人質。造幣局の秘書。局長の不倫相手。
【アン・キム役】イ・シウ
人質。アメリカ大使の娘。
【チャ・ムヒョク役】キム・ソンオ
北朝鮮人民保安省大尉。
スペイン(オリジナル)のポスター
本作はスペイン発の大ヒットドラマ「ペーパー・ハウス」を登場人物や設定はほぼオリジナルのまま韓国でリメイクした作品です。
ネットフリックスで配信され、同社が集計する週間トップ10で2週連続非英語シリーズ部門1位となりました。
興味深いのはその前の週まで順位圏になかったスペインの原作「ペーパーハウス」シーズン1が非英語シリーズ週間視聴時間9位に入ったこと。
韓国版をみた視聴者が原作が気になって見ていると推定できます。
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ペーパーハウスコリアあらすじ
舞台は韓国と北朝鮮が統一される直前の朝鮮半島。
そんな中、ある一人の男が北朝鮮からやって来た女性をスカウトする。
やがて男は8人の仲間たちを集め、ある壮大な計画を実行することになる。
8人強盗団が狙ったのは南北統一後に使われる新通貨を作っている造幣局。
この強盗団のメンバーは、リーダー兼計画立案者の教授をはじめ、トーキョー、ベルリン、モスクワ、デンバー、リオ、ナイロビといった世界の都市名で呼ばれる犯罪者たち。
そんな強盗団に対抗するのは、交渉人ソン・ウジン(キムユンジン)率いる南北合同の警察チーム。
なかなか足並みが揃わない中、ウジンたちは人質解放のため様々な交渉術を用いるのだが、教授は警察の予想を上回る実力を見せ・・・。
ペーパーハウスコリアみどころ
本作は近未来の朝鮮半島を舞台としたサスペンスドラマです。
オリジナルであるスペイン版は現在の政治状況を踏まえたものだったのですが、このリメイク版では朝鮮半島再統一目前の架空の共同経済区域が舞台となり、南北が協力して造幣局襲撃事件解決に挑みます。
しかし、主役となるのは教授率いる強盗団で、個性的なキャラクターたちによる人間模様と、警察を翻弄し続ける展開がスリリングに繰り広げられます。
造幣局で人質を取り立てこもった強盗団の目的とは?
人質解放交渉も進まず突入作戦も失敗した警察は、教授の真意に気付くことが出来るのか!?
強盗団と警察の攻防戦のみならず、強盗団と人質たちのやり取りもみどころとなります!
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ペーパーハウスコリア続編・シーズン2は?
ペーパーハウスのスペインのオリジナルは2017年に始まり、2022年時点でシーズン5までの計48話。
シーズン1公開後は、続編を待ち望む声がすでに多く上がっています。
シーズン1は原作と大きく変わらず、そのことで批判もありましたが、本作の脚本家リュヨンジェ氏は
「シーズン2が出ればその批判はいくらか解消される。台本を書くとき、シーズン1と2に分けて公開されるという計画はなかった。造幣局内で起こる話を6話までして、後半でこのテーマを明らかにしようとして書いた脚本だから、シーズン2に原作と異なる部分が多くなるだろう。」
とのこと。
トーキョー役のチョンジョンソさんは
「シーズン2がはるかに面白い。物語がより集中し、個々の人にフォーカスがあてられる。彼ら同士の紛争、造幣国の中でのことがより大きくなってねじれながら展開も早くなる。スリルと予測不能の緊張感がある」
と話しています。
シーズン2の公開は2022年12月9日です。
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ペーパーハウスコリア感想・評価
ストーリーは抜群に面白く、直ぐにその世界観に引き込まれてしまいました。
しかし、世界的に評価の高いオリジナル版と比べると、キャラクターたちに魅力を感じられないのが最大の欠点かと!
大まかな設定や展開などはオリジナルを踏襲しているものの、6話と短くなったためかストーリーを追うだけで精一杯になっている気がしました。
オリジナルが傑作だけあってストーリーは確かに面白いですし、南北朝鮮がもし統一に向かう未来があったとしたらという近未来を舞台にしているのも興味深かったんですが、やはり登場人物に共感したりキャラクター的に惹き付けられないと面白さは半減してしまうんですよね。
オリジナル版では計画実行前に5ヶ月の訓練期間を共にしてきており、その時の様子からキャラクターの背景が垣間見れるんです。
そんな造幣局籠城事件以前のエピソードも作品の魅力の一つだったのですが、この韓国版ではそういった人間味を描く場面がかなり縮小されています。
だから対立したり揉め事が頻発する度に「このチーム大丈夫なのか?」と不安に感じてしまう!
さらに、強盗団と人質たちの関わりも少なくなっており、一番目立つのは局長で、次いで秘書や大使の娘といった具合。他にも副局長などもいますが、やはりオリジナルと比較すると目立つサブキャラクターはほとんどいません。
同じシーンを描くとしてもどんな人たちなのか分かっていないと伝わらないのは当然で、ここがオリジナル版を見た者からすると気に入らないところでした。
もう一話か二話長くしてでもオリジナルと同じ描き方をすべきでした。
映画的な短さで描くのならば本作のようなスリリングさに重点を置いた感じでもいいと思うのですが、ドラマとして見るならばもっとキャラクターを深堀りして欲しかったところ。
例え続編で描く予定だとしても、シーズン1でキャラクターの魅力を認識していないと続きを見ようとは思いませんよね?
このようにキャラクターに感情移入しにくいからおかしな行動にもイライラしてしまいますし、トーキョーも頭の固い厄介な存在に見えてしまうんです。
それに加え、ヒロインがトーキョーという呼び名を選んだ理由も「悪いことをするんだから、東京という名前がピッタリ」というような反日的な言動をするのも問題で、つまり最初から好感が持てなかったんですよね。
こんなセリフを世界配信されるドラマで採用するなんて、最近の韓国ドラマではよくあることとはいえやはり気に入りません。
ちなみにオリジナル版では”亡くなった恋人と行きたかった場所が東京だった”という理由で、トーキョーと付けた意味合いがまったく違うんですよね!
こんなマイナスな感想はオリジナル版を見ていない人からは出ないのかもしれませんが、それでも話が面白いことだけは間違いありません!
まとめ:とにかくストーリーが面白く、強盗団と警察の攻防戦のスリリングさだけでいえばオリジナル以上だったと思います。しかし、ストーリーが短いせいかオリジナル版の持ち味であったキャラクターの魅力を描ききれていなかったように思います!
最後に
このリメイク版を見たあとにオリジナルを見返して見たのですが、ストーリーの概要や展開はかなり忠実に再現されていましたね。
ただ、キャラクター的にはかなり韓国的なアレンジがされており、トーキョーは元兵士という設定もあってか印象がかなり違いますし、デンバーもおバカキャラに拍車がかかり、クセが強い局長のキャラクターも誇張され、大使の娘も暗い印象からいけすかない風に変更されていたりと、個性を強めることでエンタメ度合いを高めようと試みたんですかね?