日本アカデミー賞も受賞した『鍵泥棒のメソッド』をユ・ヘジン主演で韓国リメイクした爆笑コメディ!
キャストや観客動員数、あらすじ、みどころ、感想、日本の原作と比べてなどまとめました。
(トップ画像公式ページより)
ラッキーのキャスト・観客動員数
原題:ラッキー
2016年10月13日韓国で公開(日本では2017年8月19日公開)
上映時間:112分
観客動員数:約697万人
監督:イ・ゲビョク
アクション監督:パク・ジョンリュル
脚本:チャン・ヨンミ
原案:内田けんじ
【ヒョンウク役】ユ・ヘジン
【ジェソン役】イ・ジュン
【リナ役】チョ・ユニ
【ウンジュ役】イム・ジヨン
ラッキー【韓国映画】あらすじ
裏社会で伝説の殺し屋として名を轟かすヒョンウクは、その日も仕事をこなし帰り際銭湯に立ち寄りました。
しかしそこで思いもよらず石鹸を踏んで転倒し、頭を強打した上意識を失ってしまいます。
それを偶然目撃した売れない役者のジェソンは、彼が金持ちだと知りここぞとばかりにロッカーの鍵をすり替えるのでした。
転倒のショックで記憶を失なってしまった
ヒョンウクは、ロッカーがすり替えられたことから自分をジェソンだと思い込んでしまいます。
それを哀れに思った救急隊員のリナは、入院費を肩代わりしたあげく自宅にも送りジェソンを心配してくれます。
それ以降、リナの母が営む店で働かせてもらうようになったジェソンは、そこで見事な包丁さばきの才能を発揮したり、役者として活躍していくようになります。
一方、ヒョンウクに成り済ましたジェソンは、同じマンションに住む謎の女性に興味を抱くようになったのですが、ついヒョンウク宛に掛かってきた電話を取ってしまったことからトラブルに巻き込まれていくことになり・・・。
ユ・ヘジンの魅力全開な作品になっています。
ラッキー【韓国映画】みどころ
本作は堺雅人、香川照之、広末涼子が出演した日本映画をリメイクした作品で、貧乏役者と殺し屋の人生が入れ替わることから繰り広げられるコメディ作品です。
伝説の殺し屋ヒョヌクをユ・ヘジンが演じ、記憶を失ってからの素朴な演技キャラクターと、殺し屋としてのクールなキャラクターを演じ分けています。
イ・ジュンも売れない役者ジェソンのダメっぷりや情けなさをリアルに演じ、後半で見せる殺し屋になりきった時とのギャップが見どころとなっています。
ストーリーは、ひょんなことから記憶を失った殺し屋が役者に料理人にと大活躍していくもので、その時知り合ったヒロイン・リナとの恋愛や役者としてどんどん人気になっていく様がテンポよく展開されます。
最初はとんでもない大根役者だったのが、アクションにはじまりラブシーンまで見せるようになるなど、成り上がりドラマとしても痛快です。
前半はオリジナルと同様な流れが、コミカル要素強めで展開されていくのですが、後半以降は殺し屋としての依頼でのトラブルが起こり急展開を見せます。
本作は記憶喪失と入れ替わりが合わさったコメディとして、ファンタジー要素に頼らず成立した作品です。
ラッキー【韓国映画】感想と評価・評判
これまでは脇役というイメージしかなかったユ・ヘジンですが、本作ではイケメン俳優とは違った魅力を発揮しています。
特に記憶を失い自分を役者だと思い込んでからはコミカルシーンの連続となっていて、その中でも女優とのラブシーンは笑い無しでは見れませんでした!
それは、32歳には見えない老け顔イジリだったり、あまりにもぎこちない演技と大根役者のフリが実に絶妙で、わがままな俳優として登場するイ・ドンフィにも笑ってしまいます。
記憶を無くしてから新生活を謳歌している様子が、オリジナルと比べると大幅にボリュームアップしていて、そこが韓国版ならではの魅力になっています。
そんなユ・ヘジン演じるヒョンウクの大活躍と比べると、イ・ジュン演じるジェソンは当初はほぼストーカーのような印象しかなく、ヒロインもオリジナルと比べるとキャラが弱いですね。
オリジナルでは主演3人といった印象がありましたが、本作ではユ・ヘジン主演に助演二人といった感じがします。
原作と比べてどう?
では、オリジナルと比べてどうなのか?
本作では香川照之が演じた役どころをユ・ヘジンが演じているわけですが、オリジナルと比べて彼に重点を置いた作りになっています。
『鍵泥棒のメソッド』では香川照之と堺雅人の掛け合いや、広末涼子演じる独特な雰囲気を醸し出すヒロイン、そして荒川良々をはじめとしたチンピラ連中のキャラも魅力だったんですが、本作ではその辺が弱くユ・ヘジンというキャラクターを全面に出しているのがポイントなんです!
なので、本筋の殺し屋としての話のボリュームが減っています。
しかし、韓国映画らしくコミカルなシーンはよりコミカルに、そして恋愛要素はよりパワーアップさせて、全体的にエンターテイメント性を高めています。
どちらかと言えばシュールな笑いだったものが分かりやすいコメディになっていたり、ヒロインの設定が大きく違いラブコメ度が増しているのもポイントです。
ただ、後半の流れは無理矢理感が強いので、作品のまとまりでみるとオリジナルに軍配が上がりますが、一般受けや楽しさでみると本作の方が優れているかもしれませんね。
まとめ:ユ・ヘジンの顔面偏差値半端ない!オリジナルのストーリーを踏襲しつつ、韓国らしさをプラスして娯楽大作にビルドアップさせています。
最後に
本作がオリジナルと比べてもどうなのかという前に、韓国と日本の映画の受け入れかたの違いを知る必要があるかもしれません。
日本では賞レースで話題となる作品のほとんどはヒットしないものが多く、『鍵泥棒のメソッド』もその年を代表する作品として高い評価を得たのですが、興業収入は6億円に過ぎませんでした。(観客動員数33~40万人程度)
それに比べて本作は観客動員数は700万人近い大ヒットした作品なんです。
そして、韓国では賞を獲得する作品も劇場でヒットする割合が高く、作品性と娯楽性が上手く融合しているのが韓国映画といえます。
日本映画も真似をした方がいい!とまでは言いませんが、素晴らしい映画を多くの人に見てもらう、知ってもらう努力は必要だと思いますね。
そうは言いながらも、本作に関してはオリジナルの方が好きなんですけどね。