チ・ヒョヌ、アン・ネサン共演によるWebマンガ原作の社会派ドラマ!
韓国の社会問題を丁寧に描いた共感するところが多い作品。
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
錐キリ【韓国ドラマ】キャスト一覧
全12話
平均視聴率:1.57%
放送年度2015年10月から韓国で放送(JTBC)
演出:キム・ソクユン
映画「朝鮮名探偵」シリーズなど
脚本:イ・ナムギュ
「今週、妻が浮気します」
「眩しくて~私たちの輝く時間~」など
キム・スジン
「恋のゴールドメダル」
「マッド・ドッグ」など
【イ・スイン役】チ・ヒョヌ
外資系大手スーパープルミ・イルドン店の野菜青果パート課長。
【ク・ゴシン役】アン・ネサン
プシン労働事務所の相談所長。
【チュ・ガンミン役】ヒョヌ
プルミ・イルドン店の野菜青果パート主任。
【ファン・ジュンチョル役】イェソン(SUPER JUNIOR)
プルミ・イルドン店の水産業パート主任。
【ナム・ドンヒョプ役】パク・シファン
プルミ・イルドン店の野菜青果パート職員。
【ムン・ソジン役】キム・ガウン
サムジン株式会社労組員。
【チョン・ミンチョル役】キム・ヒウォン
プルミ・イルドン店部長。
【ホ課長役】チョ・ジェリョン
プルミ・イルドン店の水産パート課長。
チェ・ギュソク作家の人気WEBマンガをテレビドラマ化。
本作を演出するのはチ・ヒョヌさんも出演していたシットコム「オールドミスダイアリー」や映画「朝鮮名探偵」シリーズなどを出掛けたキム・ソクユンさん。
このキム・ソクユンさんはJTBCの制作企画局長であるとともに映画監督もされている人物です。
視聴率は平均1.57%と高いものではないですが、ケーブルテレビドラマとしては及第点越えであり、独自性もある作品となっています。
主演のチ・ヒョヌさんは気が弱く争い事も苦手な人物だが不条理なことには立ち向かうという複雑なキャラクターを演じ、名優アン・ネサンさんは主人公と共に弱者を助け会社と戦う姿を披露しています。
共演陣には、ヒョヌさん、演技初挑戦のSUPER JUNIORイェソンさん、歌手パク・シファンさん、キム・ガウンさんといった若手から、キム・ヒウォンさんをはじめイ・ジョンウンさん、ファン・ジョンミンさん、ウ・ヒョンさん、イ・ジェヨンさん、パク・ヒョックォンさん、チェ・ムソンさんといった名脇役たちも多数出演しています。
本作のOSTには、俳優として出演もしているSUPER JUNIORイェソンさんのソロ曲「とても恋しい」や歌手パク・シファンさんによる「叫んでみる」をはじめ、「キム・ヨンジ/私の人」などがあります。
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錐キリ【韓国ドラマ】あらすじ
気弱で臆病だが、不条理なことには我慢できない性格のイ・スイン(チヒョヌ)は、規律が守られやるべき事が決まっている軍隊に憧れていました。
しかし、入隊してみると内部の不正に嫌気が指し除隊することになります。
その後、外資系企業プルミに入社しスーパーのマネージャーとして働くことになるのですが、非正規社員を追い出そうとする会社の不義を見ていられなくなってしまいます。
会社とパート職員との板挟みという状況の中で、スインは労働相談所を訪れそこでク・ゴシン所長(アンネサン)に出会います。
そしてゴシンと共に労働者の為に会社と戦うことになるのですが・・・。
錐キリ【韓国ドラマ】の背景
韓国では大型スーパーが増えてきた1990年代後半ごろから女性労働者を低賃金かつ非正規職として活用するようになったのですが、2000年代に入ると人件費の削減も行われるようになり、売り上げが悪ければ年齢の高い女性からクビになるという過酷な状況だったようです。
そんな中、2003年に起きたのがフランス資本のスーパー・カルフールのイルドン店での労働闘争で、512日間の闘争の末に労働組合が勝利を収めることになりました。
この労働者側が勝ちを納めたという数少ない事例を元にしたのが本作です。
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錐キリ【韓国ドラマ】みどころ
本作はある大手スーパーの解雇事件を中心に、韓国社会の不条理や不義に立ち向かう者たちの姿を描いた作品です。
主人公は会社と非正規社員との間に挟まれて苦悩する中間管理職役イ・スイン。
彼は臆病ながらも不条理なことには立ち向かうというまっとうな人物で、リストラをめぐって会社からは疎まれ社員たちから無視されながらも、弱者のために戦うことを選択します。
そんなスインに協力するのが労働相談所の所長ク・ゴシン。彼は長年に渡る労働運動に疲れていたのですが、スインと出会ったことで忘れかけていた希望を取り戻すことになります。
この二人を中心とした労働運動と人としての成長を描いたのが本作であり、その結果不当な解雇を阻止することが出来るのかというのがみどころとなります。
実際の社会問題と人物像についても深掘りしたヒューマンドラマでもあります!
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錐キリ【韓国ドラマ】感想・評価
日本と比べると圧倒的にデモや労働運動が多いイメージの韓国。そんな韓国だからこそフィクションではなくノンフィクションとして見れるのが本作です。
日本のドラマでいうと「ハゲタカ」や「パンドラ」「空飛ぶタイヤ」といった作品が社会派作品だと思うんですが、本作もそういったテイストの作品といえば分かりやすいかもしれません。
日本では近年、各局が社会派ドラマを放送していますが、韓国でも「ミセン」をはじめとしてメッセージ性の強い作品はいくつもあります。
とはいえ、社会派路線のみで突き進む作品は少なく、そこには殺人事件や恋愛要素などもミックスされていたりとエンターテイメント性の高いものが多いのが韓国ならでは。
しかし近年ではNetflixで「アルゴン」や「補佐官」といった作品が世界に向けて配信されていたり、日本のマンガをリメイクした「ザ・バンカー」があったりと、余計な飾りを外した作品が多く見られるようになってきました。
そもそも韓国は社会問題を描くのがうまく、映画にしてもドラマでも色々な要素を詰め込みながらもメッセージ性を入れ込むのは欠かせません。
そんな中で本作は、社会派路線のみで突き進むタイプの重苦しい作品であり、そこに成長ストーリーがプラスされている骨太な内容でした。
これはイメージする韓国ドラマとはテイストが違うので、イケメンキャスト目的で見た人には楽しく感じないかもしれません。
しかし、実際に起きた社会問題を下地にしていることもあり、社会派作品が好きな人なら見始めるもハマること間違いなしだと思います!
錐【韓国ドラマ】最終回感想は?
労働者のリストラ問題というのは、どんなジャンルのドラマの中でも度々登場する要素ですが、それだけ登場するというのは実際に社会問題としてあるからでしょう。
本作はそんなリストラ問題を深く描いた作品であり、善悪を単純に描いていないのも特徴でした。(善人といわれる人にも悪の面はあり、悪人にも当然善の面はあるということ)
最終回については、良く言えば韓国ドラマらしい波瀾万丈な展開でしたが、悪く言えば出来すぎだと思いました。
実際にあった社会問題を描いた作品とはいえ、あくまでもドラマであるので盛り上がる展開は必要ですが、あまりドラマチックにするとリアリティに欠けると感じるかもしれませんね。
テーマは重苦しいものの、俳優陣の演技力が素晴らしいので、見るものを惹き付ける魅力があります!