ソウルのど真ん中で俳優「ファンジョンミン」が誘拐されたというリアリティアクションスリラー!
ファンジョンミンさん本人が役を演じています。
キャスト、あらすじ、韓国での評判などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
人質【韓国映画】キャスト一覧
韓国公開日2021年8月18日
94分
観客動員数163万人
演出:ピル・カムソン
【ファン・ジョンミン役】ファン・ジョンミン
誘拐された韓国トップスター
【チェ・ギワン役】キム・ジェボム
誘拐犯グループのリーダー。
【パン・ソヨン役】イ・ユミ
拉致されたカフェの店員。
【ヨム・ドンフン役】リュ・ギョンス
誘拐犯グループのナンバー2。
【ヨンテ役】チョン・ジェウォン
誘拐犯グループのメンバー。
【コ・ヨンロク役】イ・ギュウォン
ギワンのボディガード的存在。
【セッビョル役】イ・ホジョン
誘拐犯グループの武器制作担当。
2016年公開ユ・ドクファ主演の中国映画「Saving Mr.Wu」を原作としています。
ファンジョンミンがファンジョンミン役を演じる・・・それだけで面白そうな映画ですが、実は企画段階からご本人が参加しています。
制作会社のサムカンパニーはファンジョンミンさんの所属事務所で、奥さんが代表を務める会社。
映画に出演する新人俳優オーディションにもご本人が参加し、監督とともにキャスティングを進行したそうです。
本作を手掛けた監督はこれまで短編映画をいくつか手掛けてきた方で本作が長編映画デビュー作となりますが、それをサポートするのは「ベテラン」のリュ・スンワン監督(本作では制作として参加)や「国際市場で逢いましょう」「ベテラン」などのチェ・ヨンファン撮影監督、「天命の城」「EXIT イグジット」のチェ・ギョンシン美術監督といった豪華スタッフたち!
友情・特別出演
その他、映画でおなじみ以下の豪華な俳優たちが特別出演しています
長年映画俳優としてキャリアを築いたファンジョンミンさんだけに、友情出演は名優がずらりですね!
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人質【韓国映画】あらすじ
普段と全く同じある世焼け、ソウルのど真ん中で、証拠も目撃者もないまま韓国トップ俳優「ファンジョンミン」が拉致され、極限の脱走が始まる!
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人質 韓国人の感想・評価
こちらが2022年9月時点の韓国での評価です。
いい評価
・なんでこんなに評価が低いのかな。酷評が多いね。リアルの実感できる演技がよかった。ファンジョンミンより悪役たちの演技が光った。
そうでもない評価
・よくあるストーリーと陳腐なキャラクター達
・ファンジョンミンでなくても他の俳優だったとしても似た感じになったのでは?
・思ったより暴力性が強くてびっくり。
・演技力はいいけどストーリーが残念。
「ファンジョンミンが演じるファンジョンミン。おかげで観客はキャラクターにすぐ感情移入することができた。見どころに集中するのではなく、リアルな状況とキャラクターの力を前面に出して簡潔だが説得力のある話を繰り広げる。ファンジョンミンの演技は言うまでもなく素晴らしく、表情だけでもあらゆる感情を表現している。」(映画雑誌記者)
「ファンジョンミンがファンジョンミンを演じるという状況は、映画と実際を行き来して、現実との接点を感じることができる。迅速な展開と鮮やかなカメラの動きで、没入感を高めている。ファンジョンミンを除くほかの主演キャストに有名人を起用しなかったところも新鮮で良かった。」(映画ジャーナリスト)
「映画が目標として脱出という地点に向かってスピード感をもって駆け抜け、ジャンル映画としての楽しさを感じた。何よりファンジョンミン演技が面白い映画」(映画ジャーナリスト)
ファンジョンミンさんを含む、俳優たちの演技力により無難によくできた映画だが商業映画としては残念だ、という声が多くみられました。
人質【韓国映画】の感想・評価
予想外の面白さ!!
タイトルから想像したのは、ファン・ジョンミンの人気を利用したB級作品というものだったんですが、実は余計な要素を省いた骨太なサスペンスアクションだったんです!
「もしファン・ジョンミンが誘拐されたら?」というテーマで、ファン・ジョンミンの誘拐犯との対決や、事件を解決しようと誘拐犯の正体を探る警察の奮闘、そして誘拐犯グループ内での仲間割れという最小限のものだけが描かれていくのがシンプルかつスピーディで惹きつけられました。約一時間半という短さも功を奏していましたね。
ファン・ジョンミンが本人役として登場するのに、カメオ出演ではなく主演というのがまず面白いですし、俳優としての素が垣間見れたり、役柄のイメージとは違う弱い面も描かれていたり、それでいて誘拐犯の前で演技をすることで何とか危機を乗り越えようとする展開もあったりと、本作におけるファン・ジョンミンは最早ファン・ジョンミンというキャラクターになっていました!
犯罪者たちとの対決や追走劇というものは主演作品で山程見てきた状況ではあるんですが、そこに何らかの役柄が乗っかっていないだけで見え方が新鮮になるんですね。
そして本作はファン・ジョンミン一人の存在感に頼っていないのも素晴らしく、本作が初見だったキム・ジェボムはいい意味で迫力の無い顔だからこそ怖さが増していますし、プロの誘拐犯という感じもなく感情で突き進んでいる様なタイプなので何をしでかすか分からないんですよね!
正直、リュ・ギョンス演じるドンフンや大柄なボディーガードの方が見た目も怖いし攻撃的でもあるんですが、キム・ジェボム演じるギワンには底が知れない怖さがあります。特に計画性もなく、ファン・ジョンミンの金を手に入れようと動くも失敗だらけなんですが、手製の銃を躊躇なく撃ったり、街中で爆弾も投げたりと無茶が過ぎる。
特に自分を危険に晒しながらも警察を罠にはめたシーンは、死への恐怖が感じられなくてぶっ飛んでいると思いましたね。
タイトルだけ見るといかにもB級作品という感じがするのですが、実はシンプルかつテンポの良い最高のエンタメ作品でした!
余計な感動要素や笑いが入っていないのも潔い!!
最後に
これはファン・ジョンミンの代表作の一つ「ベテラン」と比べても遜色ない名作かもしれません。
いや、個人的にはベテランにある胸糞悪い展開を見ずに済む分、本作の方が好みでした!
主人公のキャラクターは全くの別物ですが、悪役の存在感やサイコパスぶりはユ・アインとは違った恐ろしさがありましたし、罪の重さで見れば圧倒的に本作のギワンの方が上でしたね。
アクション面についてもカーチェイスは負けず劣らずでしたし、格闘シーンは本格的な技術は無いもののリアルさと痛々しさという面で共通していましたね。
そしてストーリーの面白さと展開の良さは本作が上かも!余計な社会派設定や財閥=悪といった国民受けの良い要素を加えてないのも見やすい要因かと。
タイトルだけ見て食わず嫌いすると損をしてしまう程のオススメタイトルです!!