ソン・ガンホ、イ・ビョンホン主演の航空パニック映画。
高度28,000フィートを飛行中の飛行機内でバイトテロが発生!その飛行機に乗り合わせた人々と地上にいる家族たちの奮闘を描く。
共演はキム・ナムギル、チョン・ドヨン、イム・シワンなど超豪華!!
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
非常宣言【韓国映画】キャスト一覧
2022年8月3日韓国にて公開
(日本公開日20年1月6日)
上映時間:140分
監督・脚本:ハン・ジェリム
「観相師」「造られた殺人」「ザ・キング」など
【ク・イノ役】ソン・ガンホ
ベテラン刑事
【パク・ジェヒョク役】イ・ビョンホン
飛行機恐怖症の男
【キム・スッキ役】チョン・ドヨン
国土交通大臣
【ヒョンス役】キム・ナムギル
副操縦士
【リュ・ジンソク役】イム・シワン
不審な男
【ヒジン役】キム・ソジン
チーフパーサー
【パク・テス役】パク・ヘジュン
大統領府国家危機管理センター室長
主演のソン・ガンホとハン・ジェリム監督がタッグを組むのは「優雅な世界」「観相師 -かんそうし-」に次ぎ3作目となります。
非常宣言【韓国映画】あらすじ
ある事情から飛行機恐怖症になったジェヒョク(イビョンホン)は、娘の病気療養のためハワイへと向かうため空港にいた。
しかし、そこで不審な男に執拗につきまとわれ、しかも同じ便に搭乗していることに不安を抱いていた。
一方、妻との旅行をキャンセルしたベテラン刑事イノ(ソンガンホ)は、警察署で飛行機テロ予告映像を確認していた。
最初はただのイタズラだと本気にしていなかったのだが、テロ予告容疑者の自宅から死体と不審なウィルスが発見されたことから、本格的に捜査を開始し容疑者が妻と同じハワイ行きの飛行機に搭乗していることが分かる。
その後、飛び立ったハワイ行き飛行機内で一人の男性が死亡し、その後次々と乗客が死亡していき、機内はパニック状態となる。
飛行機内でのテロの報告を受けた国土交通大臣のスッキ(チョンドヨン)は、緊急着陸のために各方面に交渉を開始するのだが、ウィルスの正体も治療法も分からないまま受け入れる事は出来ないと各空港から受け入れを拒否されてしまう。
操縦士もウィルスに犯された結果、副操縦士であるヒョンス(キムナムギル)が一人奮闘するのだが…。
非常宣言【韓国映画】感想・評価
コロナ禍における未知のウィルスの恐怖と、航空パニックを上手く掛け合わせたエンタメ感動作!
とはいえ、単純な航空機テロを描きたくなかったのか、かなりゴチャゴチャと詰め込みすぎていて軸がハッキリしない…。案の定、後半にそれが瓦解します。
特に「日本=悪」という設定は見ていて胸クソ悪くなるだけ!まったくもって不必要な演出でしたね。
序盤はホラー/スリラー感が漂っていて本当に面白く、テロ犯が誰かすぐに推測できてもハラハラドキドキ感が失われることはありませんでした。
むしろ、「コイツが何かやらかす!?」と分かっていることで、どこで何を何の目的でやるのか?が気になります。無表情のイム・シワン怖っ!!
ただこれはスリラーキャラとしては正解かもしれませんが、普通に考えればこんな怪しいやつがついたら搭乗前に気付くでしょ?!という疑問が生まれます。
搭乗前から変な質問をしたり罵声を浴びせるという行為はこれからテロ行為を行おうとしている人物としては明らかに不適切!
テロが不発に終わる恐れがありますからね。
他のテロを扱った作品ではこんな不審者は大抵未遂に終わるので、このキャラクター設定にしたのは疑問でした。普通は何食わぬ顔で搭乗して、主人公だけが怪しむパターンになるかと思うんですけど、これはキャラクターの怪しさを描くために際立たせたためなのでしょうか?
この疑問点が気になるかどうかでスリラーになるのか、粗の多いサスペンス/パニック映画になるのか変わってくると思います。
そもそも本作の一連流れも、そんな明らかに不審な人物を搭乗させた空港や航空会社の無能ぶりを問いたいのか、それともテロ予告を軽く考えた警察の危機感の無さを描きたいのかが分からないところもあり、この流れが都合良すぎに思えるんですよね。
怪しいけどギリギリセーフなところを付けばよかったんですけど、関わった人のほとんどがミスして大事になっているというのは都合が良過ぎですし、後半になると飛行機が着陸できるかどうか問題がメインになるためか、急に機内で急患や死亡者数が出なくなるというのもご都合主義でしたね。
このように俳優陣の演技力や存在感は抜群でしたし、序盤のヒリヒリした空気感もとても良かったのですが、色々と都合よすぎる展開が多すぎて徐々に冷めることに。
大体、よく分からないウィルスがバラまかれた飛行機内で暴動も起きず、あの程度の言い合いやケンカ程度で済むわけがありません!もっと乗客同士で揉めてこそリアルに見えたと思います。
そして、ソン・ガンホとイ・ビョンホンという名優二人が主演していながらも、共演シーンが無いというのも勿体ない!
最後に
—※ネタバレあり!—
本作に低評価な口コミをした人の意見には大きく二つのマイナス要素が見受けられました。
それは、最近の韓国作品に多い不必要な反日演出と、終盤のやり過ぎお涙頂戴演出です。
まずは、日本の航空自衛隊に迎撃されるシーンは悪意しかなく日本人としては胸糞悪いということです。
映画を盛り上げるために悪役が必要なのは理解できますが、それが毎回日本なのはイラッとしますし、どうみてもやり過ぎなんです。
まだ何のウィルスか分からず、テロの脅威を痛いほど分かっているアメリカなら入国や空港への着陸拒否することも理解できますが、正体が分かった状態なのに日本が受け入れ拒否をして、しかも撃墜姿勢をとり発砲までするというのは映画としてもありえません。
最近の作品でこういった反日描写をよく見るようになりましたが、その中でも飛び抜けて酷い描かれ方でしたね!!
そして大げさすぎるお涙頂戴の展開。
乗客が犠牲になるという悲しい決断をしてからのワクチンの効果あり!という大逆転展開はそりゃ盛り上がりますが、あまりにも劇的すぎるゆえにどこか白けてしまう…。
それまで散々受け入れ反対だ賛成だと揉めていたのに、いきなり一致団結するのも出来すぎですしね。
さらにそこから安全に着陸できるかどうか!?というさらなる問題まで起きるんですから、これはちょっと盛り込みすぎ!!
正直、お涙頂戴作品が多かった90年代のハリウッド作品よりもクドかったかも。
キャストプロフィール記事↓