ハン・ソッキュ、ソル・ギョング豪華W主演!
ひき逃げ事故を引き起こした息子をかばおうとする政治家と、その事故により息子を亡くした電気修理業者。正反対の立場にある二人の父親の葛藤を描いたクライムサスペンス。
キャスト、あらすじ、感想、考察、評価などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
悪の偶像【韓国映画】キャスト一覧
2019年3月20日より韓国にて公開(日本公開日2020年6月26日)
上映時間:143分
監督・脚本:イ・スジン
「ハン・ゴンジュ 17歳の涙」など
【ク・ミョンフェ役】ハン・ソッキュ
政治家。
【ユ・ジュンシク役】ソル・ギョング
電気修理業者。
【チェ・リョナ役】チョン・ウヒ
プナムの妻。中国出身。
【ファン・ウシク役】ユ・スンモク
弁護士。
【キム刑事役】ヒョン・ボンシク
刑事。
【ヨハン役】チョ・ビョンギュ
ク・ミョンフェの息子。
【プナム役】イ・ウヒョン
ユ・ジュンシクの息子。知的障害者。
本作は、韓国を代表する俳優として知られるハン・ソッキュとソル・ギョングが夢の初共演を果たした話題作です。
監督・脚本は長編デビュー作「ハン・ゴンジュ17歳の涙」で国内外の映画賞を数多く獲得したイ・スジン監督。
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悪の偶像【韓国映画】あらすじ
清廉潔白なイメージで知られる政治家ク・ミョンフェ(ハンソッキュ)は、次期知事の最有力候補として市民たちから人気を集めていました。
そんなある日、ミョンフェの息子ヨハン(チョビョンギュ)がひき逃げ事故を起こし、それを母親と共に隠蔽しようとする事件が起きます。
ミョンフェは息子を自首させ、なんとか被害を速やかにおさめようとするのですが、その事故により息子プナム(イウヒョン)を亡くしたユ・ジュンシク(ソルギョング)が事故の真相について探りはじめていたのです。
しかも、事件現場に居合わせたとされるプナムの新妻リョナ(チョンウヒ)の行方が分からなくなっていることも判明し、ミョンフェとジュンシクはそれぞれの思惑を抱えたまま彼女の行方を追うのですが・・・。
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悪の偶像【韓国映画】みどころ
韓国映画界を代表する2人の実力派俳優が初共演!
ひき逃げ事件の加害者の父と被害者の父の運命が交錯するさまを描いたサスペンスノワール。
清廉潔白として知られる政治家は息子のためなら犯罪をもいとわないという狂気を見せ、最愛の息子をひき逃げにより亡くした電気修理業者の父親もまた理解しがたい行動をとる。そして、その二人が行方を追う亡くなった息子の妻にも恐ろしい秘密があり・・・と、この存在感抜群の三人を中心に先読みの出来ないドラマが展開されていきます。
人の業というものが複雑に絡み合った人間ドラマと、どんでん返しの連続の末たどり着いた予想だにしなかった結末に震える新コリアン・ノワールです。
ハン・ソッキュ、ソル・ギョング、チョン・ウヒという演技力抜群の俳優たちによる鬼気迫る演技合戦は必見!
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悪の偶像【韓国映画】感想・評価
とにかく怖かった!
登場する悪人の所業についてはもちろんながら、その悪人たちの心情がよく分からないという点が一番怖いところだと思いました。
なぜそんな行動を取ったのか?
なぜそこまでしたのか?
そんなことをするに至った心境とは?
それが分からないからこそ怖いんですよね。
リョナを演じたチョン・ウヒは、ハン・ソッキュ、ソル・ギョングという名優たちの中にあっても怪物的存在感を発揮しますます魅力的な女優さんだと再認識したのですが、それにしてもリョナについては不明な点が多すぎたのは勿体なかったですね。
視聴者側の想像に任せるとかそういったことなのかもしれませんが、何故こんな人物になったのかをもう少し描いて欲しかったところ。
その他にも不明な点が多い作品で、何度も見返せば予想がつくといった部類の謎ではなさそうなのも不満でした。
人によって色んな解釈が出来るといった作品ではなく、ただ単によく分からないというのでは納得出来ませんよね。
俳優陣の演技力に関しては流石という他なかったので、ストーリーやキャラクターの心情を読み解けなかったというのは残念でした。
悪の偶像【韓国映画】考察
この作品の登場人物について考えてみました。
典型的な政治家のイメージを具現化したかのような偽善者の皮を被ったミョンフェ、そんなミョンフェの息子に子供を殺されたのにその権力にすり寄るジュンシク、そして中国移民としてさまざまな問題と闇を抱えているリョナ。
こんなキャラクターたちに感情移入しようと思うこと自体が今の日本人には到底不可能で、分かるわけもないし分かったふりをするのも違うのだと思いました。
これはそういった闇を抱えた韓国という国について知るための作品かもしれませんし、そんな状況がこの世の中にはいくらでもあるということを認識しておくためにも見ておくべきなのかもしれません。
深く考えすぎずこの世界観だけを楽しむべきなんでしょうが、それにしても何も分からないまま終わってしまうのは酷い!
さんざん色んな伏線を張っておいて、結局それらは何も関係ないしどうなったのかさえ教えてくれない。
不要な要素や設定を省いてもっとスッキリとした作りにしたら傑作になったかもしれない、そんな作品でした。