ソル・ギョング、イ・ソンギュン、ユ・ジェミョン共演によるキム・デジュンにまつわる逸話をベースとした政治ドラマ。
キャスト、あらすじ、感想レビューなどをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
キングメーカー大統領を作った男キャスト一覧
2022年1月26日韓国で公開
(日本公開日2022年8月12日)
上映時間:123分
観客動員数:約77万人
監督・脚本:ピョン・ソンヒョン
「マイPSパートナー」
「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」など
【キム・ウンボム役】ソル・ギョング
野党新民党選出の国会議員。
【ソ・チャンデ役】イ・ソンギュン
ウンボムのブレーン。
【キム・ヨンホ役】ユ・ジェミョン
国会議員。新民党総務。
【イ室長役】チョ・ウジン
大統領秘書室長。
【カン・インサン役】パク・イナン
国会議員。新民党総裁。
【イ・ハンサン役】イ・ヘヨン
国会議員。新民党。
【パク秘書役】キム・ソンオ
ウンボムの秘書。
【イ補佐官役】チョン・ベス
ウンボムの補佐官。
【スヨン役】ソ・ウンス
ウンボム陣営スタッフ。
【パク・キス大統領役】キム・ジョンス
本作は、のちに韓国第15代大統領となる金大中にまつわる逸話をベースとした作品で、金大中をモチーフとしたのがキム・ウンボム、その選挙スタッフだったオム・チャンノクはソ・チャンデとして描かれています。
主演は韓国を代表する名優ソル・ギョングさんと、イ・ソンギュンさん。
そして監督は「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」でソル・ギョングさんとタッグを組んだピョン・ソンヒョン監督です。
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キングメーカー大統領を作った男あらすじ
1961年の韓国。
薬剤師として働いていたソ・チャンデ(イソンギュン)は、国政選挙で落選を繰り返していたキム・ウンボム(ソルギョング)に感銘を受け事務所を訪ねていく。
その後、自由に意見が言える社会にしたいというウンボムの理想を叶えるため、ウンボムのブレーンとして働くことになる。
しかし、志だけでは選挙に勝てないと言うチャンデは、ライバルたちの票を減らすための斬新な作戦を成功させ、見事にウンボムを当選させる。
ウンボムのスタッフの中にはチャンデのやり方は卑怯だと言うものもいたが、選挙に勝つにはチャンデが必要だとウンボムが判断することに。
ところがチャンデはいつまで経ってもウンボムの影として支えるだけで、肩書も与えられず都合よく利用されているだけに感じるようになる。
その後もチャンデは、相変わらずの卑怯な手法によりウンボムの政治家としての立場を強めていくのだが、ある事件を切っ掛けに二人の関係が終わりを迎えてしまい・・・。
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キングメーカー大統領を作った男みどころ
実話をベースに大統領選挙の裏側を描いた骨太サスペンス。
本作は第15代韓国大統領・金大中(キム・デジュン)と彼の選挙参謀だった厳昌録(オム・チャンノク)をモチーフにした政治ドラマであり、民主主義社会を叶えるために大統領を目指す男とその“影“となった男の人間ドラマが描かれていきます。
当時の独裁政権を倒すための志はあるものの落選続きのウンボムと、政治は理想だけでなく選挙に勝つことが重要だと語るチャンデ。
目指すところは同じ二人ですが、そこにたどり着くまでの過程と手段が違う二人の男の絆の行方やいかに!?
政治の話がシリアスに語られるのではなく、考え方の違う二人の男の光と影をサスペンスチックに描いた人間ドラマでもあります!
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キングメーカー大統領を作った男感想・評価
最初は政治ドラマだと構えて見ていましたが、思ったほど堅苦しい内容ではなく政治ドラマをエンタメ的に描いた作品でした。
のちに大統領となる主人公を持ち上げる為の展開になっておらず、その影にいた人物の思いと苦悩を描いていたのも共感しやすい要因かと!
チャンデの政敵を倒すためなら何でもする手腕や、この時代ならではの金品のばら撒きや不正をシリアスに描くのではなく、ユーモアも交えて分かりやすく描いていたのは面白く、目指すところは同じでもその過程が違う二人の男の対比をメインとしていたのにも興味を引かれました。
そして、今では考えられないようなあからさまな不正と謀略が韓国お得意のサスペンスとして描かれているのも魅力で、最後には政治家とはどうあるべきか?問題提起もあるんです。
確かに政治とカネは切り離せないという定説を包み隠さず描いたのは大したものですが、それでも裏では良き友人の様であるウンボムとチャンデが目的を成す為に溝が深まっていくという展開は悲しいばかり。
特に選挙スタッフたちはチャンデの能力により自分たちの無能さが目立たなくなっているのにもかかわらず、都合が悪くなるとチャンデを除け者にしたり巻き込まれたくないと逃げるのには腹が立ちました。
チャンデの“勝つためには何をしてもいい”“相手側が不正をするなら同じ手段で対抗するしかない”という考えを否定しながらも、結局はその手法で選挙に臨み結果勝っているんですから、ウンボムやスタッフ結局は同じ穴のムジナなんですよね。
確かにウンボムの影であるチャンデがしてきたことは正しいものではないですが、私としてはそんな人物だけに不正を押し付けて自分たちを正当化するのは実に韓国らしいとはいえ情けないばかり!
常にキレイ事ばかり言っているウンボムと、勝たなければ何も成すことは出来ないし、その立場に立つことすら出来ないと言うチャンデ。
どちらもある意味正しいのですが、正しいことが全て良いとは言えないというのが現実。
これが当時の政治家たちの真の姿だと思うと震えるばかりですが、演出に無理があったとしてもエンタメ的は面白かったです!
まとめ:対立する男たちの人間ドラマや、思いは一緒なれど目的に至るまでの手段や考え方が違う二人の主人公の対比が面白い!
政治の闇に呆れたり、汚れ役を買って出た人物を使い捨て自分たちを正当化する様にも腹が立ちましたが、それらがエンタメとして描かれていたので見やすくはありました。
最後に
ソル・ギョングさんとイ・ソンギュンさんの演技力が光る政治エンタメ。
正直、最初はキム・デジュンを持ち上げるだけの作品なのかと斜めから見ていたのですが、いざフタを開けてみると選挙での不正や闇が描かれていて、無理に持ち上げるだけのストーリーになっていたのには好感が持てました。
それに、選挙で勝つために卑怯な手を使った優秀なブレーンを利用するだけして捨てる様は人としては最低で、正直イ・ソンギュンさんが演じたチャンデの方が主人公に相応しいと思いました!