パク・ヘイル×キム・ゴウン共演で贈る大人の恋物語。
トッケビの人気でスター女優となったキムゴウンのデビュー作。
地味なお顔立ちではありますが、演技力が抜群で注目を浴び、映画界で活躍するようになりました。
作品を見ると必ず彼女が好きになる、という話もあるほど魅力のある女優さんです。
キャストや作品紹介、あらすじ、感想をまとめました!
ウンギョキャスト一覧
2012年韓国で公開
観客動員数 約135万人
日本未公開作品
監督・脚本:チョン・ジウ
【イ・ジョギョ役】パク・ヘイル
【ウンギョ役】キム・ゴウン
【ソ・ジウ役】キム・ムヨル
作品紹介
原作はパク・ボムシン作家による同名の小説。
映画『黒く濁る村』の脚本や、チェ・ミンシク、パク・シネ、リュ・ジョンヨル共演作『沈黙、愛』の監督・脚本を手掛けたチョン・ジウによる作品です。
露出シーンが話題となった作品だと、自然と男性客の割合が高くなるものですが、本作は30代から40代の女性の割合が最も多く、作品全体で見ると女性が7割だったそうです。
主演のパク・ヘイルは演技派俳優として知られ、映画『グエムル~漢江の怪物~』などの作品が有名です。
老いメイクをするために撮影前に毎回8時間、計60回の特殊メイクをしてそうです。
キム・ゴウンは本作でデビューし数多くの映画祭で新人賞を獲得しています。
デビュー作にしてフルヌードでのベッドシーンに挑戦し、大きな話題となりました。
映画に多く出演し、ドラマ『トッケビ』で国民的女優となりました。
ウンギョ韓国映画あらすじ
文壇の大物で詩人のイ・ジョギョは弟子のソ・ジウと共に、自宅の庭で昼寝をしている少女を見つけます。
ソ・ジウはこれまで師匠の身の回りの世話を行っていたのですが、作品の執筆に専念するとのことで少女ウンギョを家の掃除のアルバイトとして雇い入れることにします。
ウンギョの出現によりイ・ジョギョは、次第に特別な感情を抱くようになります。
その生き生きとした若さを目の当たりにすることで、自らの老いも感じるようになるのでした。
一方のソ・ジウは、ウンギョとイ・ジョギョの関係を怪しむようになり、師匠であり父のようにも感じていたイ・ジョギョと接するウンギョに嫉妬のような感情を抱くようになります。
そしてある日、イ・ジョギョの書斎から”ウンギョ”というタイトルの原稿を見つけ・・・。
ウンギョ韓国映画みどころ
この作品はキム・ゴウンの大胆な露出ばかりが取り上げられがちですが、繊細な欲望の描写こそが真に見せたいものだと思います。
ただの、ベッドシーン目当てに見る映画ではない!ということは強く言いたいですね。
30代のパク・ヘイルが70代の老人をどう演じているのかにも注目ですし、イ・ジョギョからは年老いていくことへの哀しみを感じて欲しいです。
師匠の才能に憧れと共に嫉妬し、そんな師匠に気に入られているウンギョにも嫉妬する、弟子のソ・ジウという平凡な男。
この人の存在が師匠の凄さを際立たせ、これがごく一般的な人の姿なんだと切なくもなります。
そして、二人の関係を知らず知らずの内に変えてしまう少女ウンギョ。
この役を演じたキム・ゴウンを見るためだけに見てもいい作品と言えます!
体当たりのヌードやベッドシーンも勿論みどころなのですが、それよりもバックボーンは想像するしかないという謎多き少女を、新人とはとても思えない演技力で見事に演じたキム・ゴウン。
少女らしい明るさや元気さに加え、時おり見せる艶かしい色気は天性のものなんでしょうか。
少女と老人との惹かれ合いと、それに嫉妬する青年。この三人の人間模様を楽しむ作品となっています。
ウンギョ韓国映画感想と評価
キム・ゴウンはデビュー作にしてすでに仕上がってますね!
大ヒットしたドラマ『トッケビ』は、この映画から4年もあとなのに(撮影時期を考えると5年後とかかも知れませんが)そんなに空いてるとは思えないくらい変わっていません。
それは見た目もそうですが、この頃すでに素晴らしい演技力を備えているんです!
少女の青さと、大人の艶かしさも備えていて、ポイントでも挙げたように”田中裕子さという名前がふと浮かびました。
元々キム・ゴウンは見た目が好みではなかったので、この映画も見ることなく来てたんですが、『トッケビ』を見た後で気になって見てみるとこれまでとまったく印象が違うんですね。
ただの一重まぶたの地味な感じの少女ではなく、とても可愛らしく美しい女性に見えたんです。
『トッケビ』でキム・ゴウンの魅力に気付いた方には是非見てほしいですね。
しかし、作品としては”まぁまぁ”といった印象で、ヒロインにしか惹かれなかったですかね。
パク・ヘイルが実年齢30代にして70代の老人に扮しているんですが、どうもそうは見えず、肌をさらすシーンでの体も老人とは呼べないものでしたし、動きからも見た目が老けた50代くらいにか感じなかったです。
表情は見事だと思ったので、特殊メイクが残念でしたかね。
この作品ではパク・ヘイル演じる詩人の”老いに対する恐怖と、若さへの憧れ”を描いた作品で、その”若さ”の象徴がキム・ゴウン演じる高校生ウンギョなんです。
芸術家と少女の関係を描いた作品はこれまでにも数多くありますが、その二人の関係を邪推し嫉妬する詩人の弟子が二人の間に割って入ろうとして、この人が本当に邪魔でしたね。
まぁ、この人の考えや行動がごく一般的なのかもしれませんが、芸術家(小説家)としては感性が鈍過ぎなんですよね。
頭は冴えているのに若さを失った詩人が、少女に憧れとも恋ともとれる感情を抱く。
そういうものを、この弟子はイヤらしい想像しか出来ず嫌悪感を抱くというのは、才能がないことの証拠ともとれましたね。
老人と少女はお互いに寂しさを補い合い、老人は創作意欲を掻き立てられ、少女も拠り所としていたのに、弟子の存在により後半サスペンス的な流れになったり、老人が抱いていた(見る人も想像していた)”ウンギョという夢の少女”像が壊されてしまうからです。
果たしてこの展開は必要だったのか?
それよりもっとウンギョの背景を描いて欲しかった!と憤ってしまいました。
老人が勝手に”聖なるもの”として思っていただけで、ウンギョは決して特別なものではなかったんだよという事なのかもしれませんが、男としては何ともやるせない気持ちになってしまいますね。
最後に
作品の紹介では”エロティックな大人のラブストーリー”となっていますが、この紹介文は作品の真意とは違うと思いました。
男はいくつになっても美しい女性を見ると、イヤらしいことを想像したりするものですよ。
しかし、老人である詩人の先生が少女に何かしようとしたわけでもなく、勝手に平凡な弟子が嫌悪感を抱いただけなんですね。
この映画は別にエロティックな映画ではなく、心の機微と美しい映像を描いた作品の筈なのに、その点が残念ですね。