天命の城【韓国映画】感想・評価・あらすじ・イビョンホン他キャスト!

韓国映画天命の城

イ・ビョンホン×キム・ユンソク×パク・ヘイル×コ・スという豪華共演で贈る歴史大作。

『怪しい彼女』のファン・ドンヒョク監督による作品で、坂本龍一が音楽を手掛けています!

キャスト、あらすじ、感想、みどころなどをまとめました。

(トップ画像公式ページより)

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目次

天命の城【韓国映画】キャスト一覧

原題:南漢山城

2017年10月3日韓国で公開(日本では2018年6月22日公開)

上映時間:139分

観客動員数:約385万人

監督、脚本:ファン・ドンヒョク

音楽:坂本龍一

【チェ・ミョンギル役】イ・ビョンホン

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【キム・サンホン役】キム・ユンソク

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【16代王 仁祖役】パク・ヘイル

【ソ・ナルセ役】コ・ス

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【イ・シベク役】パク・ヒスン

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本作はキム・フン作家のベストセラー小説を原作とする作品です。

音楽監督は、映画『戦場のメリークリスマス』や『ラストエンペラー』といった名作の映画音楽を手掛けた他、YMOのメンバーとしても知られる坂本龍一氏。これが韓国映画初参加となります。

本作は観客動員数はふるいませんでしたが、韓国映画評論家協会賞で4冠王(作品賞、監督賞、撮影賞、音楽賞)に輝いた他、青龍映画賞では脚本賞も受賞しています。

そして、内容が内容だけにキャスティングに非常に苦労したそうで、パク・ヘイルに至っては2回断られ、3度目の説得でようやく出演を決めたんだとか。

キャストも40以上の男性ばかりというもので、真冬の5ヶ月に渡ってのロケは相当きつかったそうです。

天命の城【韓国映画】 あらすじ

舞台は1636年の朝鮮。

大陸では明が衰退し、清が版図を広げ朝鮮にも進出を始めてきました。

この1636年から1637年にかけての戦いを”丙子の役(乱)”と呼びます。

清は朝鮮に対して臣下となるよう要求してくるのですが、朝鮮16代王・仁祖はこれを拒否します。

すると清の皇帝は自ら大軍を率いて朝鮮に侵攻してきたのです。

それを察知した仁祖は江華島に逃げようとするのですが、既に清の大軍に進路を塞がれており南漢山城へ逃げ込むことになります。

そこに立て籠った仁祖と臣下たちは、戦うか降伏するかで意見が激しく対立することに。

対立する二人の大臣と仁祖を中心に、一国の存亡をかけた47日間が描かれます。

きむとま
朝鮮王朝史上、もっとも激しい戦争として知られる”丙子の役”。その最後の47日間を描いたのが本作です。

天命の城【韓国映画】みどころ

韓国の時代劇といえば、外敵との戦いよりも骨肉の争いや宮廷内での人間ドラマが描かれるイメージがありますが、本作ではこれまでに題材にされることが少なかった清国と戦いが描かれています。

とはいえ、大国の大軍に挑む小国の善戦を描くというものではなく、滅亡を覚悟で戦いに挑むのか、それとも敗けを認め素直に従属を選ぶのかで意見が割れるところに本作のみどころがあるんです。

恥辱に耐えても生きる道を選ぶミョンギルをイ・ビョンホンが演じ、反対に死を覚悟して戦うことを選ぶサンホンをキム・ユンソクが、そして幾度も失政を繰り返す王・仁祖をパク・ヘイルが演じ、王がどちらの意見を選ぶのかで朝鮮の命運が決まることになります。

この会話劇が戦場の戦いと比べても劣らないスリリングなもので、どちらか一方が正解とも言えないため見ていて悩ましく思うんです。

とはいえ、南漢山城を取り囲む清の軍勢の壮観さや、大砲による攻撃といった派手なみどころもあるので、人間ドラマだけでなくスペクタクル大作としても楽しめると思います!

そんな清の軍勢の中を逃げたり、氷壁を鎌でよじ登るシーンの主役となるのは、コ・ス演じる鍛冶屋のナルセです。

この鍛冶屋は密書を届ける重要な役割を担っていて、本作の中で数少ないアクションシーンを守御使シベク役のパク・ヒスンと共に担当しています。

しかし、思わぬ裏切りに合ったり信用してもらえなかったりと過酷な目にあうことになります。

このキャラクターたちがいるおかげで会話劇だけの平坦なものにならず、作品によい刺激を与えてくれています。

そして、そんな鬼気迫る役柄を演じているのは演技派の俳優ばかりで、ストーリーや世界観に感心させられるだけでなく演技面でも満足のいく作品になっています。

天命の城【韓国映画】感想と評価・評判

本作で描いた”丙子の役(乱)”によって朝鮮は清国に敗れ清の属国となってしまうのですが、これは朝鮮の歴史上でも屈辱的なものであり、それゆえ歴史ドラマなどで殆ど描かれることはありませんでした。

とはいえ、まったく無い訳ではなく映画『神弓KAMIYUMI 』やドラマ『推奴チュノ』なども同時代を描いたものなんですが、前者は10万人の大軍相手に孤高の戦いを挑むというアクション・エンターテイメント作品ですし、後者は戦乱から8年後の権力闘争を描いたもので、本作のような屈辱的な出来事の裏側を描いたものとは全くの別物なんです。

それは朝鮮が清に攻められて、国王が逃げて降伏し属国となったという内容だけに、避けられていたのだと想像出来ます。

その証拠に、豪華な製作陣に一流の俳優が揃い、作品的にも素晴らしいのにもかかわらず観客動員数が385万人程度でしかなかったということからもわかると思います。

上記の2作品は、作品としては面白いのですが史実に沿って描いたという作品ではなく、時代を捉えた視点もテイストも別物だと言えますね。

本作は大軍対大軍の戦いを描いたものでも、最後に奇跡的な逆転劇が待ち受けるといった感動の作品でもないですし、主人公たちも英雄といった人物でもありません。

しかし、こういう歴史があった上で現在の世界があるのだと思うと感慨深いものがありましたし、アクション少な目のシリアスな作品ではありますが非常に観入ってしまいました。

まとめ:歴史アクションを期待すると拍子抜けするかもしれません。歴史の転換期の裏側を丁寧に描いた名作だと思います!大国に戦いを挑むか、それとも素直に降伏するかの二択には正解などないのでしょうが、それを真剣に語り合う見応えたっぷりの会話劇は素晴らしいものでした!!

最後に

韓国映画はメッセージ性とエンターテイメント性が両立した作品がヒットし、しかも面白いというのが常識ですが、本作のような商業的な内容ではない作品でも素晴らしいものはあると思い知らされました。

歴史について知っている韓国の方からすると、本作の話は屈辱的に感じて目をそらしたくなるものなのかもしれませんが、それについて深く知らない日本人からするとスリリングで学ぶところが多い作品だと思いました。

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