多くの新人をブレイクさせたことでも有名な「応答せよ」シリーズの第一弾。
本作は視聴率1%を超えれば大ヒットされるケーブルチャンネルにおいて7.55%を記録し「応答せよ」というフレーズが流行語になるほどの現象を巻き起こした作品です。
このドラマは、主人公たちの現在と過去を行き来しながら初恋、家族、友情といったものを時に切なく、時にユーモラスに描かれています。
最後まで誰がカップルになるかが分からず、それを予想しながら見る凝った作品でもあります。
(トップ画像公式ページより)
応答せよ1997 キャスト一覧
全16話
韓国放送時全20話
放送年度(2012年7月から菅野国で放送)
最高視聴率 7.55%
監督:シン・ウォンホ/パク・ソンジェ
脚本:イ・ウジョン/イ・ソンへ/キム・ランジュ
【ソン・シウォン役】チョン・ウンジ(A Pink)
【ユン・ユンジェ役】ソ・イングク
【カン・ジュニ役】ホヤ(INFINITE)
【モ・ユジョン役】シン・ソユル
【ト・ハクチャン役】ウン・ジウォン(元Sechs Kies)
【パン・ソンジェ役】イ・シオン
【ユン・テウン役】ソン・ジョンホ
【ソン・ドンイル役】ソン・ドンイル
【イ・イルファ役】イ・イルファ
このドラマは脚本・演出共にバラエティ出身のスタッフにより制作された異例のもので、様々な仕掛けが施されたこれまでにないドラマ。
主演のソ・イングクはそれまでの歌手のイメージから、この作品で俳優として認知されるようになりました。
アイドルが多く出てるだけに同世代のみが見るドラマだったかと言えばそれは違い、各年代別で視聴率1位を獲得するほど幅広く愛された作品です。
1997年は釜山を舞台とした物語であり、話す言葉は訛りだらけのため、韓国では字幕が流れたのだとか。
のちのTV番組でシン・ウォンホプロデューサーが語ったのですが、本作のキャスティングを考えている際、のちに「応答せよ1994」に起用されたユ・ヨンソクにも注目していて、実際に連絡もしたのだとか。
ところが方言が使えないとのことで、次の機会を約束したそうです。
応答せよ1997 あらすじとみどころ
2012年ソウル。釜山のとある同窓会で1組のカップルが結婚を発表するという・・・。ソウル市内の居酒屋に集まった30代の男女。懐かしい顔ぶれとの再会に、テーブルを囲む彼らには笑顔があふれる。今宵、この場で結婚を発表する2人とはいったい誰なのか…? その真相を解き明かすように、物語は彼らが高校生だった1997年の釜山にさかのぼる。
18歳のソン・シウォン(チョン・ウンジ)はH.O.Tのトニー・アンの大ファンで、勉強そっちのけで毎日トニーのことばかり考えていた。一方、幼少時に亡くした両親の親友であるシウォンの父母の世話になりながら、兄のテウン(ソン・ジョンホ)に育てられてきたユンジェ(ソ・イングク)は、成績は常にトップで運動神経も良く、非のうちどころのない“完璧”な男子。生まれた時からいつも一緒のシウォンとはケンカばかりしているが、いつの頃からか“ただの幼なじみ”だった彼女に恋心を抱くようになっていた…。現実の男子よりもアイドルに夢中で「恋」だの「愛」だの言われてもピンと来ないシウォンだが、ある日、親友ユジョン(シン・ソユル)からユンジェに告白したことを知らされる。ユンジェもまた、告白の返事をどうするべきか、シウォンに相談するのだが…?
いわゆる韓国ドラマが苦手な方にも自信をもってお勧めしたいドラマがこの「応答せよ」シリーズです。
この作品には、財閥の御曹司も、出生の秘密も、記憶喪失や、不意に起こる事故などの定番展開は存在しないからです。
このようなワンパターンに飽きた方、苦手な方にこそお勧めしたいドラマがこの「応答せよ1997」です。
もともとシリーズにするつもりで作ったのではないでしょうが、今までにありそうでなかった「バラエティ的要素」を盛り込んだ青春ドラマが大ヒットし「応答せよ1994」「恋のスケッチ~応答せよ1988」とシリーズ化されました。シリーズと言っても物語の続きではなく、同じ設定やテーマが踏襲されているということですが。
じゃあ、このドラマの何が新しかったのか?それは、まずは結末の一部を披露するということ。大雑把に例えると「古畑任三郎」方式ですね。最初に犯人が分かっていて、そこに至るまでの過程を覗くというもの。
このドラマだと、最初に1組のカップルが2012年には結婚するということが分かっていて、そのカップルとは誰なのか?それが物語が進むごとに徐々に明かされていき、視聴者も推理しながらあーだ、こーだと考えるのです。2012年現在と、1997年釜山での昔話が交互に展開されて、少しずつ物語のピースが埋まっていく様に視聴率はどんどん上昇し、後追いで動画を見る人も続出、これにより一大ムーブメントを巻き起こしたのです。
ここで一つ重要なことを言わなければなりせん。「カップルを予想するドラマなら、リアルタイムで見ないと意味ないんじゃ?」という疑問です。
結論から言わせてもらえば「そんなことはない!」です。
出演キャストも若手のアイドルが多く、そういったアイドルファン向けのドラマなのかと最初は思っていました。
しかし、実際に見てみると凝った展開や、コメディ要素の強さ、胸キュンな恋愛がありながらも、軸としてあるのは家族のドラマであったり、兄弟愛、友情といった不変なものだったから。
元々の物語の素晴らしさがあったからこそ、アイドルの追っかけ同士のケンカや、ポルノ映画ネタなどのおバカな笑いを散りばめても成立しているのです。
つまり、アイドル俳優好きな人が見る作品というのではなく、斬新な展開をしながらも基本は古風な家族もの、という作品であったのです。そもそも、早い段階でカップルの予想は絞られるため「予想すること」が一番重要な作品ではないことがわかり、あくまでもドラマを盛り上げるための演出の一つととれば問題ないということ。
基本の恋愛ドラマとしての楽しみ方も、シリーズ通して同姓同名の別人として登場する強烈キャラ、ソン・ドンイル&イ・イルファ一家の話に涙するもいいでしょうし、ふんだんに散りばめられたコメディ要素を満喫するもよしと、実に多く人のノスタルジックを呼び覚ますであろうドラマが「応答せよ1997」なのです。
応答せよ1997 感想と評価・評判
応答せよ1997を久々に見始めた💕💕
ほんとこのドラマすき!!#応答せよ1997 pic.twitter.com/h6h3Q9CT11— 아이리 (@airing_ppp) 2018年5月20日
最後に
この作品はドラマのいいところと、バラエティの持ち味を見事に融合した傑作です。とにかく引きが強く、緩急の付け方が抜群にうまいのです。
誰がカップルになるか、というキャッチ―な餌に食いつき、若手アイドルたちの変に飾らない演技に引き込まれ、懐かしいアイテムや、かつての自分にも当てはまるネタに笑う。
アイドルの追っかけという特殊なキャラをヒロインにしたり、恋愛ドラマでもあるのにものすごく奥手だったりと、ラブストーリーとしてのハードルが低いのも珍しいですね。
だからこそ、たまに起こる二人の急接近に異常にドキドキし、自分の初恋ともシンクロしたりするのでしょう。
このような色んな凝った演出がありながらも軸になっているのは不変のテーマであることが、広く愛された理由の一つなんでしょう。
そして多くの名ゼリフや、名ナレーションも物語をうまく引き締めていて、それらの言葉に感動することも多かったです。
若い世代からは新鮮に映り、この時代を知ってるものには懐かしく映る。話が進むごとに時間が流れる展開では、この成功はなかったんだと思います。たぶん5年後、10年後に見ても古く感じないドラマなんだと思いますよ。す。