チョン・ジヒョン&チャ・テヒョン共演で贈る大ヒットラブコメディ!
監督のクァク・ジェヨンは本作以降ヒットを連発、韓国恋愛映画を代表する作品のひとつです。
キャスト、あらすじ、感想、みどころなどをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
猟奇的な彼女(映画)キャスト
原題:My Sassy Girl
2001年7月27日韓国で公開(日本では2003年1月25日公開)
上映時間:122分
観客動員数:約480万人
監督、脚本:クァク・ジェヨン
原作:キム・ホシク
【彼女役】チョン・ジヒョン
【キョヌ役】チャ・テヒョン
【キョヌの父役】キム・インムン
【キョヌの母役】ソン・オクスク
【キョヌの叔母役】ヤン・グムソク
【彼女の父役】ハン・ジンヒ
【ホテルの主人他多数役】キム・イルウ
本作はネット小説を原作とした作品ではありますが、あくまで名前と設定を借りただけでクァク・ジェヨンのオリジナル脚本というのがポイント!
本作は主演二人の出世作でもあり、第39回大鐘賞ではチョン・ジヒョンが主演女優賞と人気賞を受賞し、第22回青龍賞ではチャ・テヒョンが新人男優賞を受賞しています。
本作の出演以降、二人は韓国を代表する俳優となり今なお第一線で活躍しています。
本作は原作が人気だったにも関わらず低予算で制作が行われた作品で、その為監督をはじめスタッフの多くがエキストラで出演していたり、印象的な劇中劇の部分も制作会社からはカットされそうになったのだとか。
なんとか監督の尽力でこの形となり、その結果その年の興業収入2位となる大ヒットとなりました。
その後、本作はハリウッドでリメイクされたりインドでも映画化され、更には日本や中国ではテレビドラマ化もされることに。
近年は韓国・中国合作で続編映画が作られたり、韓国でも映画のリメイクとなる同名のテレビドラマが作られたりもしています。
OST情報
この映画は音楽も非常に魅力的で、テーマ曲となる「シン・スンフン/I Believe」は、ピアノバージョンも作中で印象的に使われています。
他にもクラシックの定番曲「パッヘルベルのカノン」のピアノバージョンも本作には欠かせません!
猟奇的な彼女(映画)あらすじ
キョヌ(チャテヒョン)は兵役後に復学した、勉強よりも酒や女の子が好きな大学生。
ある日ひょんなことから出会った”彼女”は、曲がったことが大嫌いな正義感の塊のような強烈な人物で、行く先々で問題を起こしキョヌもいつも暴力を振るわれていました。
しかし、彼女はそんな一面からは想像もつかない悲しい過去を抱えていたのです。
そんな彼女のことを広い心で受け止め、癒してあげようとさえ思う様になったキョヌは、彼女のワガママに付き合い、願いを叶え、いつの彼女に寄り添っていたのですが・・・。
猟奇的な彼女(映画)みどころ
本作の一番のみどころは、彼女とキョヌという二人のキャラクターでしょう!
チョン・ジヒョンの可愛らしさと、その後のイメージともなった破天荒なキャラクターを見事に演じていて、劇中劇でのアクションシーンも抜群なんです。
そしてキョヌことチャ・テヒョンもコミカル演技が抜群で、決してイケメンとは言えないチャテヒョンだからこそ、彼女に振り回され殴られる役が似合っているんだと思います。
この二人ともに共通するのが、その表情の豊かさ!
彼女の「ぶっ殺されたい?」と言い放つ時の表情や、ぶっ飛ばされた時のキョヌの表情など笑いどころが満載なんです。
そういったキャラクターの面白さも勿論ですが、現実にはなかなかあり得ない展開をうまくまとめた脚本が秀逸で、物語は前半はコミカルに、後半はシリアスに、そして延長戦にさらっと感動させられて終わるのも素晴らしいですね!
コミカルなシーンと、感動の物語のギャップが非常に大きい作品なんですが、それに疑問を抱かせず世界観に没入させるのは本当に見事だと思います。
猟奇的な彼女(映画)感想と評価・評判
この映画を見なければ韓国映画を食わず嫌いしてたままだったと思います。
そういう意味でも私にとってターニングポイントとなった作品。
日本公開当時、そんなに大々的な公開でなかったのですが何故か映画館に見に行っていて、誰かとデートで見たはずなんですが相手が誰だかは思い出せないのに、映画館で号泣したことだけはハッキリと思えています。
ちょっと見たことがある人や、名前や概要だけ知っている人からすれば、”暴力的な彼女”とそれに振り回される男のドタバタラブコメだと思っているかもしれませんが、この物語は荒唐無稽なエピソードを含みながらも、凝った展開と観客に彼女の人となりを想像させながら見せる奥の深い作品となっています。
視聴者の思い込みや先入観をうまく利用した演出にも見事に騙されてしまいましたね。
彼女とキョヌのやり取りに爆笑したり、彼女の行動の裏に隠されたものを想像しながら見るこの作品は、単純な好き嫌いだけを描いたりイチャイチャやラブラブを描いたものではなく、過去のことを何も語らない彼女と、その事について問い質さないキョヌに深く感情移入して号泣してしまう作品で、”ラブコメ=単純で分かりやすい”というものとは一味違ったストーリーに何度見ても飽きることがありません。
直接的な愛情表現やキスなどもない!という恋愛ドラマでありながら、ラストに視聴者全てを納得させる運命的展開を見せるのがニクいですねぇ。
このラストを見て「こんな事あるわけない!」とか言う人がいたら、その人はそもそもラブコメ見なくていいです。
まとめ:韓国の恋愛映画・ラブコメといえばこの作品無しには語れないでしょう!現実にはありえないと思うことも、この人たちならやりそうだなぁと思わせてくれる説得力がある大傑作です!!
最後に
冒頭とラストが繋がる展開はよくあるパターンなんですが、ラストにたどり着くまでの展開で誰もが「あっ!」と思ってしまうのが本作の一番凄いところでしょう。
しかも、一度見てオチが分かっていても作品内に散りばめられた細かいネタがあったり、彼女が過去を語らないことから何度も見返して「この時の彼女はどんな気持ちだったのかな?」と想像しながら楽しむことも出来るんです。
もちろん、彼女の行動や性格が苦手な人もいることでしょうが、私の様に彼女のことがドンピシャタイプの人なら何度も見返したくなるでしょう!
リアルな恋愛ドラマが好きな人からすると、本作は少女漫画のようなものだと言われてしまうかもしれないのですが、この世界観に没入出来る人にとっては最高の作品だと思います。