キム・ユンソク、チョ・インソン主演。
大ヒット映画「ベテラン」の監督による実話を基にした2021年度韓国No.1ヒット作品。
ソマリア内戦に巻き込まれた韓国と北朝鮮の大使館員たちの脱出劇を描く!
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
モガディシュ【韓国映画】キャスト一覧
2021年7月28日韓国にて公開(日本公開日2022年7月1日)
上映時間:121分
観客動員数:360万人以上
監督・脚本:リュ・スンワン
「ベルリンファイル」「ベテラン」
/制作「EXITイグジット」「スタートアップ!」など
【ハン大使役】キム・ユンソク
駐ソマリア韓国大使。
【カン参事官役】チョ・インソン
駐ソマリア韓国参事官。
【リム大使役】ホ・ジュノ
駐ソマリア北朝鮮大使。
【テ参事官役】ク・ギョファン
駐ソマリア北朝鮮参事官。
【キム・ミョンヒ役】キム・ソジン
ハン大使の妻。
【コン書記官役】チョン・マンシク
駐ソマリア韓国書記官。
【チョ・スジン役】キム・ジェファ
駐ソマリア韓国大使館事務員。
【パク・チウン役】パク・キョンへ
駐ソマリア韓国大使館事務員。
【ペ・ヨンスク役】パク・ミョンシン
リム大使の妻。
2021年度の韓国映画No.1大ヒットとなった実話を基にした作品。監督は大ヒット作「ベテラン」などで知られるリュ・スンワン。
本作はコロナ禍でヒットしただけだなくメディアや評論家からも高く評価され、韓国の映画賞を数多く受賞し、第94回アカデミー賞国際長編映画賞部門の韓国代表作品にも選ばれています。
本作の舞台となる1991年のソマリアを再現するためにモロッコがロケ地として起用され、政府の協力を得て舗装された道路を非舗装にしたり、建物を当時のソマリア様式に変えるなど徹底した作品づくりとなっています。
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モガディシュ【韓国映画】あらすじ
韓国が国連への加盟を目指し東奔西走した時期の1991年のソマリアの首都モガディシュでは、韓国大使を務めるハン(キムユンソク)を中心に熱心なロビー活動が行われていた。
一方、韓国よりも20年も早くアフリカの国々との外交を始めていた北朝鮮のリム大使(ホジュノ)は、韓国と同様のロビー活動に奔走していた。
両国は互いに妨害工作をし、内容もエスカレートしていくのだが、そんな最中にソマリア政府に不満を持つ反乱勢力により内戦が勃発してしまう。
暴徒化した市民、銃を持ち立ち上がった反乱軍、統制の取れない警察や政府軍などが入り混じる緊急事態となってしまったソマリア。
その影響は各国大使館にまで及び、北朝鮮の大使館も暴徒に襲撃されてしまう。
食料をはじめとする物資も奪われたことで、北朝鮮のリム大使は犬猿の仲である韓国大使館に助けを求める決意をする。
韓国のハン大使はカン参事官(チョインソン)の反対もよそに北朝鮮の大使館職員たちを受け入れることにするのだが・・・。
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モガディシュ【韓国映画】みどころ
内戦下のソマリアからの命がけの脱出劇を描いた実話を基にした社会派アクション映画!
モロッコでオールロケを実施したスケールの大きな作品で、戦争映画さながらの戦闘シーンやカーチェイスに、そして突然内戦が勃発してしまった国からの脱出劇を描いたスリリングな逃走劇が楽しめるエンタメ要素満載の作品となっています。
これまで真実が明らかにされなかった実話を基に映画化した作品で、空港は封鎖され通信網も遮断された危機的状況の中で、普段足を引っ張り合っていた韓国と北朝鮮が協力してソマリアからの脱出を目指すことになります。
果たして両国は、日頃の恨みつらみを払拭して協力することができるのか?
北朝鮮の大使館員たちを韓国に亡命させようとする企みや、何とかして独自に脱出を図ろうとする北朝鮮側など、当時のソマリアの政治情勢と南北問題についても考えさせられる作品となっています!
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モガディシュ【韓国映画】感想・評価
韓国映画だけど全編海外ロケという今の日本映画界では考えられない規模の映画!
1991年のアフリカはソマリアの地で、韓国と北朝鮮は国連加入のためのロビー活動を行っていたのですが、北朝鮮は韓国の大使に対しで妨害活動をし、その仕返しとして韓国はウソの情報を新聞に載せるなど、相変わらずの犬猿の仲ぶりを発揮していたのですが、そんな中でソマリアで内戦が勃発し韓国と北朝鮮はソマリア脱出のため渋々協力することになるという嘘のようなホントの話でした。
韓国が国連に加入するためのアフリカでのロビー活動やソマリアの問題など、当時の国際情勢や政治についても描かれた作品ですが、そういった情報に詳しくなくてもエンタメとして十分楽しめるのは流石だと思います。
映像も本格的で、現地の方たちを大勢起用したデモや大量の銃器を使用した戦闘シーン、そして銃撃にさらされながらのカーチェイスなど、ハリウッド映画と比べても遜色ないスケールになっています。
それに、話によるとこの規模の現地キャストを決めるのに韓国でオーディションし、エキストラ300人余りが参加し、現地でスタントマン希望者のアクショントレーニングまでしたというんですからとんでもないですよね!
銃弾が飛び交う中を大使館職員たちが車で爆走するという本格的アクションが楽しめる本作ですが、内戦というものの恐ろしさや韓国と北朝鮮の関係性についても考えさせられる作品でした。
国民の一斉蜂起が起きるような国だから当時のソマリア政府は腐敗していたのかもしれませんが、警察が他国の大使館に押し入ろうとしたり、市民が暴徒化し子供まで銃を片手に大使館を襲撃するなんてこれはもう戦争映画そのものですね!
そんな情勢が不安定かつきな臭い国に対してもロビー活動しなければ国連に加入できないなんて、大使って命がけの仕事なんですね!!
戦争映画さながらのスケール感抜群の銃撃&カーアクションを見るだけでも楽しめますし、生死をかけたスリリングな逃走劇としても見応えがあります。
最後に
流石リュ・スンワン監督というべき極上のエンタメ作品でした。
扱う題材が実話を基にした内戦下の国からの脱出というものなのに、それをシリアスさ満載にするでも小難しい政治作品にするでもなく、アクション、サスペンス、ヒューマンドラマとして楽しめるエンタメに仕上げたのは監督の手腕あってこそですよね!
ハリウッドばりのエンタメを目指してあえて付け加えるなら、大使館員の中に元スパイや軍人がいて、その人物が一人で大立ち回りするというバリバリの格闘&ガンアクションですが、そうなると史実でもなんでもなくなってしまいますし、立ち向かえるなら逃走劇としてのスリリングさも失われるので無理ですかね。。