イ・ジヌク、クォン・ナラ、イ・ジュン、コン・スンヨン共演によるダーク・ファンタジー。
600年前に不死の怪物になった男と、男に呪いをかけて600年間転生を繰り返している謎の女との数奇な運命を描く!
キャスト、あらすじ、感想、トッケビに似ているかなどをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
不可殺【韓国ドラマ】キャスト一覧
Netflix全16話
平均視聴率:4.2%
最高視聴率:6.3%
放送期間:2021年12月18日~2022年2月6日まで韓国tvN、Netflix同時放送
演出:チャン・ヨンウ
「アントラージュ~スターの華麗なる人生~」
「ミスターサンシャイン」「Sweet Home-俺と世界の絶望-」など
脚本:クォン・ソラ&ソ・ジェウォン
「アントラージュ~スターの華麗なる人生~」
「客 -ザ・ゲスト-」など
【タン・ファル役】イ・ジヌク
600年前に不可死(プルガサル)になった男。家族を殺した女性に復讐し人間に戻るため探し続けている。
【ミン・サンウン(ヒョンジュ)役】クォン・ナラ
600年間転生を繰り返す謎の女性。プルガサルに追われている。
【オク・ウルテ役】イ・ジュン
黒い穴と呼ばれるもう一人のプルガサル。ファルより前から存在し人の生き血を吸い続けてきた鬼物。
【タン・ソル/ミン・シホ役】コン・スンヨン
600年前はファルの妻で、サンウンの妹として転生している。
【タン・グク / クォン・ホユル役】チョン・ジニョン
600年前はソルの父で、現在は元刑事の探偵をしている。
【ナム・ドユン役】キム・ウソク(UP10TION)
ファルを慕う高校生。
【巫女 / イ・ヘソク役】パク・ミョンシン
600年前ファルの呪いを予言した巫女で、現在はファルの支援者。
韓国tvNとNetflixで同時放送された話題のファンタジードラマ!
当初はウォンビンさんがオファーを受けたことでも話題になりましたが(もし実現していれば約10年ぶりの俳優復帰となっていた)、結局は辞退されたようです。
そんな話題作の監督を務めたのは「ロマンスが必要シーズン2」と「Sweet Home-俺と世界の絶望-」でイ・ジヌクさんを起用しているチャン・ヨンウ監督。
「ミスター・サンシャイン」といった大作も手掛けており、本作にも400億ウォンもの制作費が投じられています。
脚本は「アントラージュ~スターの華麗なる人生~」「客 -ザ・ゲスト-」を夫婦で共同執筆しているクォン・ソラ&ソ・ジェウォン氏・ジュン さん。ドラマ「カプトンイ」でのサイコパス役や大ヒット映画「LUCK-KEY ラッキー」などで知られており、近年では豪華キャストによるNetflixドラマ「静かなる海」へも出演しています。主要人物をはじめ、本作に登場する殆どの人物は前世を描いた時代劇パートにも登場しており、俳優陣の多くは一人二役以上を演じているのが本作の特徴です。
誰が前世でどう関わっていたのか、前世で関わった人物が現世ではどういう立場として登場するのかにも注目です!
「不可殺(プルガサル)とは?」
殺すことも死ぬことも出来ない不死の”鬼物(クィムル)”。魂を奪われたことで肉体だけの存在となっており、魂を取り戻さなければ”不可殺”の呪いから逃れられない。
ちなみに、鬼物とは日本語でいうところの化物や妖怪のような意味で、本作には複数の鬼物が登場します。
スポンサーリンク
不可殺【韓国ドラマ】あらすじ
今から600年前、朝鮮の地には人を捕まえては喰らう化物・鬼物(クィムル)が存在していた。
そんな鬼物たちの中でも特に恐れられていたのが不死の怪物・不可殺(プルガサル)だった。
そんなプルガサルの呪いを受けたとして意味嫌われていた少年ファルは、村で起きたある事件を切っ掛けに村人たちから追われることに。
しかし、村にやって来た将軍により命を救われ、それ以降は将軍の養子として生きることになる。
それから17年後、大人に成長したファル(イジヌク)は鬼物殺しとして兵士たちからも恐れられる存在になっていた。
妻からも嫌われ、盲目の息子ともうまく接することが出来ずにいたファルは、自らの呪いを解くため鬼物退治の旅に出る。
各地に住まう鬼物を退治していくファルだったが、最期の鬼物であるプルガサルがかつてファルの命を救った謎の女性だったことを知る。
しかし、プルガサルによって妻と息子を殺されてしまい、その怒りからファルはプルガサルに剣を突き立てることに。
その結果、プルガサルから不老不死の呪いをかけられたファルは、女性を殺すも自らがプルガサルとなってしまう。
その後、転生した謎の女性を見つけ出し復讐するためだけに600年間も生き続けることになるのだが・・・。
スポンサーリンク
不可殺【韓国ドラマ】みどころ
本作は、前世や因縁というものをモチーフとしたダークファンタジードラマです。
殺されることも死ぬこともできない不可殺(プルガサル)になった男が、男に不死の呪いをかけ600年間転生を繰り返している女性を見つけ出し復讐するという内容の作品で、時代劇と現代劇が交錯するストーリーとなっています。
主人公がプルガサルにされた理由と、呪いをかけた謎の女性の正体、二人の因縁を知るもう一人のプルガサルの存在に、前世からの因縁により現世でも関わることになる人々など、複雑な人間関係が魅力のドラマです。
ファンタジー、アクション、ゴシック、ミステリー、家族ドラマなど様々な要素が盛り込まれており、前世の記憶を持つものと記憶を失っているものとが存在することで、過去に何があり真相はどうだったのかを考察する楽しさもあるドラマになっています!
スポンサーリンク
不可殺【韓国ドラマ】感想・評価
悪縁、輪廻転生といったものをテーマとした複雑なドラマ。
考察好きな人にはもってこいの作品といえますが、個人的には初回が一番面白く、前半はともかく中盤以降は狭い範囲内での愛憎劇を延々と繰り広げているだけのように思えました。
終盤の盛り上がりまでは山場が少なく中だるみした感がありましたね。
最後まで見てしまえば「あぁ、なるほどね!」なるのですが、真相を知らないままだと登場人物たちの心情や立場がコロコロ変わりすぎで、キャラクター像がイマイチ掴めないのにヤキモキしてしまいます。
一種の復讐ドラマとはいえ、そもそも前世の恨みを現世で晴らされてもたまったもんじゃないですし、前世の関係を持ち出されても見ている方からすれば感情移入しにくいという点も問題でした。
確かに、過去に起きた悲劇が同じように繰り返されるのは見ていて苦しかったですし、生まれ変わってもそんな悪縁を断ち切れないのも最悪だと思いましたが、そもそも1,000年間も恨み続けたり、記憶がないことで勘違いをしてたり、それにより別の相手を恨んでいるというのは共感しようがないですって!
不可殺はトッケビと似てる?
トッケビポスター
とはいえ「トッケビ」と似ているという情報は半分正解といった程度でした。
確かに設定などは似ていますが、ラブロマンスよりも復讐劇要素が満載なのが本作であり、よりダークテイストなものが好きな人にとっては本作の方が向いているかもしれません。
そもそも、呪いにより死ねない体になってしまったのは同じでも、神からの罰(トッケビ)と鬼物からの呪いとではかなり違い、しかもなんでプルガサルになったのか分からず、原因となる過去の記憶もないというのではドラマの方向性自体が違うというもの。
それにファルとサンウン、ウルテの関係の複雑さは「トッケビ」にはないもので、初回は伝奇ものっぽく、プルガサルのキャラクターはヴァンパイアっぽいなど、ダークファンタジーと愛憎劇を混ぜ合わせたような内容でした。
ですが、本作が「トッケビ」を越える作品だったかといえばそうではありませんでした。
物語のスケールは大きいのに、登場人物たちは狭い範囲内の”知り合い(過去も含めると身内争いといえる)”しかいなく、そこに鬼物たちが加わる程度なんです。
現代でウルテが権力を持っているとはいえ、警察やマスコミ、他の人間勢力などがわずかしか登場しないのは無理があり、そのせいで物語自体が意外とこじんまりしたものに見えてしまいました。まぁ、前世も含めるとキャラクター数は結構多いんですけど。
ただ、ラブロマンスとしては「トッケビ」が上だとしても、死ねないという事に関しての苦悩や、無くした家族への思い、そして数奇な運命については本作の方が細やかに描けていたと思います。
まとめ:ダークファンタジーな世界観を使って人の心の弱さや恨みの感情を描いた実に韓国らしい愛憎劇!
物語序盤は登場人物の関係性や過去に何があったのかを考察しながら楽しめたのですが、真相が分かるまでの展開は予想以上に回りくどく、思ったほど感情移入出来ませんでした。
「トッケビ」のようなラブロマンスを期待すると肩透かしを食らうかもしれません!
最後に
※ネタバレあり!
大多数の人は序盤の血みどろな展開よりも、それ以降の真相がコロコロ変わる展開の方がは面白かったと言っているようですが、私としてはまるで映画「ブレイド」を時代劇にしたかのような序盤の方が好みできた。
確かに最初の数話は楽しく考察出来ていたんですが、記憶がよみがえる度に味方になったり敵になったり、信じたり疑ったりを繰り返すだけの展開は正直退屈で、ある程度見ると過去に起きたことも推測出来てしまったんです。
結局は主要の7人による1000年も前から続く因縁のドラマ、愛憎劇といったもので、過去の怨みや因縁を生まれ変わっても忘れられずにいるというなんとも韓国らしい内容でした。
過去のことを正確に覚えていたり記憶していないから逆恨みしたりこじれたりするわけなんです。
前世でやられたから現世でやり返すというのは鬼物たちにも当てはまり、過去の悪縁は生まれ変わっても続くというのは見ていて憐れでしたね。
しかし、悪の塊かと思っていたウルテは、実は親の愛情に飢えた寂しい人物で、誰よりも愛されたかったのに、嫉妬し孤独になってしまったというキャラクターでした。
このウルテこそが一番人間くさい人物だったのかもしれません!
それをいうとファルやサンウンも愛情や嫉妬が原因で事態を引き起こすことになりますし、シホ、ホユル、ドユン、ヘソクに関してもこの悲劇に巻き込まれた人たちでしかありません。
このなんともやりきれない関係性についてはうまく描かれていたと思いますね。
ただ、プルガサルという化物がどのようにして生まれ、いつから存在していたのかについては詳しく描かれておらず、だからプルガサルが対で存在する理由や同時に殺さないといけない理由も分からず仕舞いなんです。
鬼物たちは殺されても人として生まれ変わり、前世返りのように悪事を働いているところを見ると、プルガサルも同じように今後転生する可能性もあるってことか?
愛憎劇の始まりを描いたのは当然ですが、この辺りをもっと深堀して欲しかったですね。
とはいえ、同じ生まれ変わりを描いた作品なら、「トッケビ」や「九家の書」といったラブロマンス要素が強いものの方が好みなんですけど!