チョン・ジヒョン×イ・ジョンジェ×ハ・ジョンウ×チョ・ジヌンという豪華なキャストにより観客動員数1200万人を突破した大ヒットアクション・エンターテインメント作品!
キャスト、あらすじ、感想、みどころなどをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
韓国映画【暗殺】キャスト一覧
原題:ASSASSINATION
2015年7月22日韓国で公開(日本では2016年7月16日公開)
上映時間:139分
観客動員数:1270万人越え
監督:チェ・ドンフン
脚本:チェ・ドンフン、イ・ギチョル
【アン・オギュン役】チョン・ジヒョン
【ハワイ・ピストル役】ハ・ジョンウ
【チュ・サンオク(速射砲)役】チョ・ジヌン
【爺や ヨンガム役】オ・ダルス
【ヨム・ソクチン役】イ・ジョンジェ
【ファン・ドクサム(爆弾職人)役】チェ・ドクムン
【カン・イングク役】イ・ギョンヨン
【キム・ウォンボン役】チョ・スンウ
【アネモネ マダム役】キム・ヘスク
【川口大尉役】パク・ビョンウン
本作の監督・脚本チェ・ドンフン氏と脚本のイ・ギチョル氏は大ヒット作『10人の泥棒たち』でもタッグを組んでいて、チョン・ジヒョンとイ・ジョンジェも出演しています。
この監督、脚本家コンビは二作連続で観客動員数1200万人越えとなりました!
韓国映画【暗殺】あらすじ
1933年日本統治時代。
中国の坑州に拠点を置く大韓民国の臨時政府は、祖国を裏切った親日派や日本側の重要人物を暗殺する作戦を計画。
そんな暗殺メンバーに選ばれたのが、狙撃手アン・オギュン(チョンジヒョン)、速射砲ことチュ・サンオク(チョジヌン)、爆弾職人のファン・ドクサム(チェドクムン)の3人でした。
この3人を上海に集めた臨時政府のヨム・ソクチン(イジョンジェ)は、彼らを探す一方、仲間と政府を裏切り日本の密偵としても活動していたのです。
暗殺チームのターゲットを知らされていないソクチンは、ハワイ・ピストルという殺し屋をオギュンたちに差し向け暗殺計画を阻止しようと暗躍します。
そんな暗殺チームのターゲットとなるのは、朝鮮駐屯軍司令官の川口守(パクビョンウン)と、親日派朝鮮人のカン・イングク(イギョンヨン)で、オギュンたちは暗殺実行のため上海から京城(現在のソウル)へ送り込まれ・・・。
韓国映画【暗殺】みどころ
本作で一番目を引くのはやはりチョン・ジヒョンのアクションヒロインぶりでしょう!特に終盤のウェディングドレス姿でのアクションシーンは最高!!
スナイパーなのに眼鏡をかけてたり、お嬢様に成りすましたりと萌え要素も抜群で、これまでのチョン・ジヒョン=コメディエンヌというイメージを塗り替える素晴らしい演技を見せてくれます。
彼女を取り囲む男性陣もそれぞれに個性が強く、イ・ジョンジェ演じるヨム・ソクチンは本作一番の曲者として暗躍し、殺し屋コンビを演じるハ・ジョンウ&オ・ジョンジェもギャング映画に見るようなカッコ良さがあります。
そして、ヒロインと共に暗殺チームを結成するチョ・ジヌンとチェ・ドクムンもそれぞれにキャラが強く、特にチョ・ジヌン演じる速射砲はもっと登場シーンが見たかった!と思わせてくれるほど魅力的。
その他にも、短い出演シーンながらも強い印象を残すメンバーが揃っていて本当に豪華なキャスティングになっています。
本作はエンターテインメントのお手本のようなストーリーで、どんでん返しの連続となる展開や、敵が味方になったり、味方が敵になったりというのも観るものを強く引き付けてくれます。
そして、魅力的なキャラクターたちが縦横無尽にアクションを繰り広げ、その舞台となる1910年代から1940年代までの上海、満州、京城の様子もリアルに再現するなど、どこをとっても魅力的な作品なんです!
韓国映画【暗殺】感想と評価・評判
事をなすために優秀な人材を集める(犯罪者や政治犯など)という展開は、エンターテインメント作品でよくあるものですが、本作でもそれを踏襲しつつ「一見すると抗日映画」を日本人が見ても楽しめるものにしています。
この作品は韓国で1200万人越え(歴代8位の観客動員数)となる大ヒットを記録した映画なんですが、決して反日感情を満足させてくれるからヒットしたという訳ではないんです。
確かに物語は日本統治時代の朝鮮半島や満州、上海を舞台とした日本政府の要人や親日派の朝鮮人を殺す暗殺者たちの話なんですが、キャラクター設定が漫画チックというかリアリティより面白さを追求した内容で、どう見ても”これぞ映画!”といったバリバリのエンタメ作品であるからなんです。
これを見て反日感情が煽られたり、反韓感情なんて湧かないですよ!
この作品を見て変に勘ぐる人は今まで映画を見たことない人としか思えませんね。
つまり何が言いたいかというと、物語の舞台や設定だけ見て内容を推測して欲しくないということなんです。
確かにあからさまに韓国万歳的な作品もあるのですが、本作がそうではないことだけは間違いありません。
それよりも、金のために仲間を売った人間や、多くの人間を犠牲にしてきた悪い奴等を倒すことで、見ていて爽快になる!というエンターテインメントのお手本のような作品なんです。
裏切り者を倒すために暗殺者としてキャラ立ちしたメンバーを集め、それを倒すために殺し屋が雇われたり、二重スパイがいたりと面白要素が満載で、なおかつ非現実的な双子設定があったり、何発撃たれてもなかなか倒れないという主人公側に有利な設定があったりと、かなり突っ込みどころも満載な作品なんですが、それでも楽しめて面白ければOK!と思わせてくれる引きの強さがこの作品にはあります。
この手のタイプでよく話題となるのが”日本語の片言問題”なんですが、人によって日本語の上手い下手はありますが、そもそも役柄が日本人でなければ気になりませんよね。
しかし、明らかに日本人役の人の日本語が片言というのはどうも気になったので、贅沢を言うなら映画『密偵』で鶴見辰吾をキャスティングしたように、誰か日本人俳優を使って欲しいところでした。
とはいえ、映画の中で日本語をはじめ、朝鮮語、中国語、フランス語など色んな言語が飛び交っているというのは、時代背景が見えてきて面白いと思いました。
最後にきっちりと悪者を倒す展開でスッキリした気分で終われるのですが、そこでの嬉しい人物の登場にニヤリとしてしまいました。
この辺の締め括り方を見ても、本作がエンターテインメント作品として優秀だと言えます。
目的のために集まった個性的なメンバー、裏切者、作戦遂行中に次々と倒れていく仲間たち、そして悪者との対決と決着という流れは抜群に面白く、エンタメ作品の見本のような出来でした。
最後に
2016年韓国で公開された『密偵』と本作は時代背景がかなり近いもので、『密偵』が1920年代を舞台としているのに対して、本作は1930年代を舞台としています。
どちらの作品も上海と京城が舞台となっていて、もちろん日本統治時代であるというのも同じなんです。
『密偵』が歴史サスペンスだったのに対して、本作はアクション・エンターテインメントと呼べるもので、面白さでいえば本作に軍配が上がるでしょう。
しかし、冷静に見ると突っ込みどころも多く、物語の質や人間ドラマの重厚さでいえば『密偵』かもしれません。
とはいえ、どちらも韓国映画の素晴らしさを表した名作だと思うので、出来れば両方とも見て欲しいですね!