アンナ【韓国ドラマ】感想・考察・評価!監督が編集問題で激怒?

ペスジ主演韓国ドラマアンナ

ペ・スジ初の単独主演作!

些細な嘘が切っ掛けで別の人生を生きることになった女性の浮き沈みを描いたヒューマンドラマ。

キャスト、あらすじ、勝手に編集問題、感想などをまとめました。

(トップ画像公式ページより)

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目次

アンナ【韓国ドラマ】キャスト一覧

AmazonPrimeVideo全6話
(ディレクターズカット全8話)

放送期間:2022年6月24日よりcoupang playで配信

監督・脚本:イ・ジュヨン:「エターナル(映画)」

韓国ドラマアンナキャスト

【イ・ユミ/イ・アンナ役】ペ・スジ
些細な嘘から始まり別人として生きるようになった女性。

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【イ・ヒョンジュ役】チョン・ウンチェ
ギャラリー代表。ユミの元上司。

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【チェ・ジフン役】キム・ジュンハン
アンナの夫。有望なIT企業の代表。

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【ハン・ジウォン役】パク・イェヨン
記者。ユミ(アンナ)が唯一信頼する人物。

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長編小説「親密な異邦人」を原作としたCoupang Playドラマ。

韓国で実際にあった学歴詐称スキャンダルの当事者シン・ジョンアをモデルにしたのが本作の主人公アンナですが、彼女の生い立ちを描いたストーリーではありません。

ちなみに、このスキャンダルを元にしたドラマに「ミス・リプリー」(2011年のユチョン、イ・ダへ主演作品)があります。

アンナ【韓国ドラマ】あらすじ

洋服仕立て屋の父と、聴覚障がい者の母をもつイ・ユミ(ペスジ)は、幼い頃より才色兼備な人物として知られ、高校でも上位5%に入る成績優秀者だった。

しかし、進路を間違え大学入試に失敗すると、その失敗を隠すために嘘を重ねるようになり、遂には両親にも嘘をつくことになる。

合格してもいない大学に通い、学生のフリをしながら試験勉強をするという生活を送っていたユミだったが、交際相手に嘘がバレたことからアメリカ留学という嘘をつき偽の大学生活に終止符を打つ。

その後、ギャラリーで働き始めたユミは、そこで出会ったヒョンジュ(チョンウンチェ)の暮らしぶりに嫉妬し、彼女が結婚しアメリカへ行ったことをいいことに、彼女の経歴を盗みイ・アンナと改名して新たな人生を歩み始める。

偽の大学生活時代に知り合った先輩ジウォン(パクイェヨン)から大学講師の仕事を紹介してもらったアンナは、偽の経歴により美術講師として働き始める。

そんな順風満帆な生活の中でIT企業代表のチェ・ジフン(キムジュンハン)を紹介されたアンナは、経歴を偽ったままジフンと結婚することに。

しかし、新たな生活をはじめた矢先に、かつての惨めなユミを知るヒョンジュと再会してしまい…。

アンナ編集問題で監督激怒とは?

オンライン動画サービス会社【クーパンプレイ】が8部作で制作された「アンナ」を制作陣と合意なく6部で編集して公開。

これに対しキムジョンフン編集監督は

「去る6月24日に公開されたアンナは、私が監督と夜を明かして編集したアンナではなかった」

「私が編集したのではなく、誰が編集したかもわからない【アンナ】に私の名前が上がっているのに耐え難い」

と自身のSNSで公開。

キム監督は「アンナ」は創作者とスタッフの努力を排除したまま、秘密裏に誰かによって一方的に作られた、と主張しました。

クーパンプレイ側は

「監督の編集方向が事前に協議された方向とは大きく異なり、これに数ヶ月間修正要請を伝えたが拒絶されたため、製作会社の同意を得て契約に明示された権利を行使し、元の製作意図に合うように 編集をした」

と反論しています。どこまでが編集可能な契約だったのでしょうか。

監督が編集した本来の作品を公開しろ、という要求に対して「ディレクターズカット版」として配信。

6話と8話の二つがあるのはそのためです。

結局この問題は韓国映画監督組合が仲裁に入り、クーパンプレイ側は監督と会って

・協議なしに一方的に編集したことについて総括責任者が謝罪
・6部作にはイ・ジュヨン監督およびスタッフ6人の名前を削除

で解決しました。

ディレクターズカット版と6話編集版、どちらがお勧め?

どちらがイイかと聞かれれば私は間違いなく8話版(ディレクターズカット)をオススメします。

それは8話版が主人公のヒューマンドラマとして描かれているのに対して、6話版は主人公の悪女ぶりを描くサスペンスという印象になっているからです。

もちろん、主人公が犯罪を犯しているのは間違いないのですが、都合良く編集された方は主人公の心情描写が足りずキャラクター像を押し付けているかのような気さえしたんです。

そして後者は主人公以外のエピソードもほぼカットされているため、ドラマとしての面白みに欠けるんですよね。そりゃ監督激怒しますって…。

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アンナ【韓国ドラマ】感想・評価

主人公のキャラクターやプライドの高さには全く共感できないものの、彼女の犯罪行為を描くことで同時に社会の不条理も見えてくる作品。

冒頭で幼少期のユミが言い放った言葉

「農家の人達は売れればいいんだよ。私が食べたかどうかなんてわからないんだから。」

このセリフにユミ=アンナというキャラクターの怖さが詰まっていると思いました。

ご飯を食べない子供に対して親が「食べ物を作った農家さんが悲しむから食べなさい」と教えることはよくあることですが、そこで年端もいかない子供がそんな辛辣な返答をするなんて…。

作中では両親は笑っていますが、私の子供が同じことを言ったなら驚くと共に叱るでしょうね。

これを教育の問題と取るかどうかは微妙ですが、そこで叱らなかった親や、ユミを可愛がり無責任にポーカーフェイスを教えた軍人の奥さまは間違った教えをしたと思います。

ユミに責任をなすりつけたクズ教師(普通女子生徒に教師が手を出したなら教師がクビになると思うんですけど、当時の韓国の学校が差別的なのか男尊女卑なのか…)から受けたトラウマや貧しい家庭環境、障害を持った母親の存在などが影響を与えたともいえますし、ユミが関わってきた人々の多くが金持ちなのにセコいクズばかりだったというのには同情しますが、結局はその道を選択したユミ自身の問題。

傲慢なセレブの人々たちと関わったとしても、憧れたり嫉妬するのではなく“人の振り見て我が振り直せ”だったんですよね。

基本的にユミの両親はいい人ですし、学生時代の友人たちもイジワルな人はいたとはいえ悪人はいませんでした。

つまりは、ユミの過剰なプライドの高さや周りからいい子だと思われてチヤホヤされることに慣れすぎたことが原因なのかと。

学生時代までに受けたその状況を忘れることが出来ず、落ちぶれてもプライドを保とうとした虚栄心が強すぎたということ。

ユミも実家の状況を分かっていて、親にお金の心配をかけたくない、大学に落ちたと言って悲しませたくないという優しい気持ちは持っているんです。

しかしその辛さや寂しさをさらけ出せる人がいれば良かったんですけど、母親や純粋なジウォンにも素のユミを見せませんでした。

結婚前は柔らかい印象だったジフンも、結婚した途端に高圧的になりユミの味方にはならず、政治家候補になり高慢さが増し、ユミを道具として利用するだけなのも不快でしかありませんでした。

詐欺師としては隙を見せないのは有能といえますが、人としてもっと弱さを見せていていれば一線を越える前に止まれたのかも。

見た目の良さは生まれつき持ち合わせているのに、それだけで満足せず学力やお金など多くを望んでしまったことが悲劇を生む切っ掛けになったんでしょう。

ある段階を超えた時点で、自分でも偽の生活が大きくなっていくのを止められなくなったんでしょうか?

セレブになってからもしばらくは人当たりの良さを見せていましたが、徐々にヒョンジュやその父親のようになっていったのは皮肉ですよね。

だからなのかアンナは終始幸せそうにありません。

そしてそんなアンナよりもたちの悪い悪人がゴロゴロいて、アンナの罪なんて大した事ないように思えるのが怖いところ。

それにしても、中身を見ずにコネや学歴だけで採用を決める韓国社会って…肩書と中身が合ってない人材ばかり揃えて大丈夫なんでしょうか??

見栄を張るためについた些細な嘘が切っ掛けで後戻りができなくなる。

嘘をついたことを隠すための嘘が雪だるま式に大きくなり、何のための嘘だったのかも分からなくなる。

事の大小はあるものの、誰もが一度は経験したことがあるかもしれません。

ユミに関しても最初はそんなものだったのかもしれませんが、普通はどこかで修正しようとするところを折れることなく突っ走ってしまったのがユミなんですよね。

経歴を詐称して身分を偽るまでいくともはや犯罪者です。

こうなると誰も共感できないですし、同情するにも遅すぎます。

これを悲劇と見るのか、自業自得と見るのか、なかなかに考えさせられたドラマです。

まとめ:序盤の状況を見ると主人公に同情するところもありましたが、人としてまともでも偽物である限り正義とは見られません。

確かに社会にはクズとしか思えない人たちが権力を握っていたり成功していますが、生きていく上で理不尽に思うことがあるのは当然で、才能も無いのに運良く金持ちに生まれそれを勘違いして他人を見下す人はどこにでもいます。

でも、そんなクズたちに影響されて自分を貶めてしまったのは悲しいことです…。

ストーリー的には非常に暗くて見ていて憂鬱になる内容でしたが、ペ・スジの存在感は抜群でしたね

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