新人女優イ・ハンビョル、AFTERSCHOOLのナナ、コ・ヒョンジョンの3人が主人公(3人1役)を演じたヒューマンドラマ。
外見のコンプレックスを持った平凡な会社員が予期せぬ事件に巻き込まれていく!
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
マスクガールキャスト一覧
Netflix全7話
放送期間:2023年8月18日よりNetflixで配信中
監督・脚本:キム・ヨンフン/映画「藁にもすがる獣たち」など
【キム・モミ役】イ・ハンビョル
会社員から人気ネット配信者(BJ)に 整形前。
【キム・モミ/アルム役】ナナ(AFTERSCHOOL)
ショーガール 整形後
【キム・モミ役】コ・ヒョンジョン
監獄に収監された12年後のキム・モミ
【チュ・オナム役】アン・ジェホン
モミの同僚。ネット配信を見るのが楽しみでモミに想いを寄せている。
【キム・キョンジャ役】ヨム・ヘラン
チュ・オナムの母親。
【キム・チュネ役】ハン・ジェイ
モミと間違われる同僚ホステス。
同名のウェブトゥーンを原作にしたドラマ。
韓国や日本での1位をはじめ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ、ベトナムなどで1位に上がり、Netflixが配信しているほとんどの国で10位圏内に入る人気作品です。
キムモミを演じた3人
左からナナ、イハンビョル、コヒョンジョン
主人公キム・モミは、整形前・整形後・転落後をそれぞれ3人の女優が演じています。
整形前を演じたイ・ハンビョルは1,000人以上の中からオーディションを勝ち抜いた新人で、本作がデビュー作。
ちなみにナナは本作でさすがアイドルというダンスを披露し、コ・ヒョンジョンは役作りのためにトレードマークのロングヘアーをカットしたそうです。
マスクガールあらすじ
外見にコンプレックスを抱くキム・モミ(イハンビョル)は、昼間は普通の会社員として働き、夜はライブ配信をするという生活を送っていた。
顔をマスクで隠したモミの配信は人気を集めており、視聴者からの要求に何でも応え投げ銭を稼いでいた。
しかし、ある日酔っ払って配信事故を起こしたことを切っ掛けに更なる事件を引き起こし、モミは会社を辞め整形し姿をくらませてしまう。
その後、ある男性の自宅から遺体が発見され、行方不明となった自宅の住人であるチュ・オナム(アンジェホン)が犯人とされてしまう。
しかし、息子が犯人だとは思えない母親キム・キョンジャ(ヨムヘラン)は、同時期に行方をくらましたキム・モミこそが犯人だとして彼女を探し始めるのだが・・・。
マスクガール韓国の評判は?
世界的にヒットした本作ですが、本国の口コミ・反応は賛否両論あるようで、演技面での評価は非常に高いものの、原作ファンからはストーリー上必要なシーンがカットされ、登場人物の関係性も脚色されていることが批判されているのだとか。
そして主人公の悪行がマイルドになっているのも原作の魅力を失わせているとガッカリだったようです。
単純に刺激的な場面が減っただけではなく、原作の核心要素であったキムモミの整形中毒の部分を排除してしまった上に、ドラマ版はそれに代わる要素がなかったためと思われます。
原作ファンからの酷評はあったものの、俳優たちの演技力については高く評価されています。
マスクガール感想・評価
ライブ配信を発端とした殺人事件と現代社会の闇をシュールに描いたサスペンス。
原作を知らずに見れば、原作との違いにがっかりということはなく、特に問題はないですかね。
原作ではこれよりも悪行が際立っているらしいですが、そこまで胸クソ悪い展開は見たくないのでマイルドにしてくれて良かったと思います。
ただでさえ登場人物たちの見た目に関するハラスメントにはムカつきますからね。
その上、犯罪を扱ったドラマなのにコミカルさもあるので、これだとマイルドにした方がバランスが取れて正解だと思います。
普段地味な女性が顔を隠してネット配信者として人気者となるというストーリーは、日本のマンガ作品などでもよく見かける定番の設定ですが、そこに韓国らしい外見至上主義社会へのメッセージと整形という要素を加え、スリラーでありブラックコメディでもあるドラマに仕上げたのが本作。
それに加えて定番のイジメや親からの過度なプレッシャー、ストーカーなどの問題も絡めていて、妙にポップに展開されていくのが魅力でした。
イケメンに騙されて金を貢ぐ女と、アイドルになるも過去の不良行為がバレてクビになる男とのベタなエピソードもあり、各話で主人公とテイストが変わってくるのも見ていて飽きさせない要因でした。
殺人事件が起き、その犯人としてチュ・オナムが疑われるのですが、そんな息子の容疑を晴らしたい!変態ではない!と証明しようとするのが母親のキム・キョンジャです。
このおばさんは息子がいじめられていることにも気付けず、息子にプレッシャーを与えて避けられていた母親ですが、息子のピンチに“母は強し!”ということを証明してみせます。
不甲斐ない警察に代わって息子の行方を追おうとするキョンジャは、まずはパソコン教室に通って息子が残したパソコンのデータを確認し、SNSでマスクガールの正体を探るなど探偵のような行動を取り始めます。
遂には人探しのためにタクシー乗り場運転手になったり、マスクガールを殺そうと銃まで手に入れたりとまるで殺し屋のようで、その過程がシリアスではなく珍道中かのようにコミカルに描かれるのも最高でしたね!
ただ終盤の行動はミモ本人への復讐ではなく、親や子供も巻き込んでの卑怯なものなので、キャラ立ちはしていましたが見ていて痛快と言うよりも陰険に思えました。
キム・モミは確かに人を殺しました。
見た目にコンプレックスがあったことでコミュ力も低く、男性との関わりもないので悪人かどうか見抜けずにホテルについて行ってしまったのはモミの失敗ですが、元はと言えば見た目で女を差別してきた男たちの罪は大きく、最初の殺人なんて正当防衛からの事故でしかありません。
その後も襲われたから反撃しただけであり、過剰防衛ではあるものの真の加害者は男たちなんですよね!
結果的にはモミは連続殺人犯ですが、なぜ殺人を犯すことになったのか?
被害者はどんな人たちだったのか?
は報道せず、ただモミを殺人犯だとするのは一方的過ぎますよね。
殺人犯に対する報道なんてどの国も似たようなものかもしれませんが、ただ結果だけ報道して過程を描かないのはどうなのかと考えさせられました。
まぁ、刑務所に入ってからのミモのイカれっぷりを見ると同情心は薄れますが、キョンジャの追走劇と並ぶほどコミカルなシーンなので良しとしましょう。
それに刑務所にいるクズな囚人や看守たちの方が殺人犯よりも最低で、母親の子供への想いを利用するのはルール違反でしょ!?
登場キャラクターの中で一番迫力があったのはキョンジャでしたが、原因はどうあれ一人息子が無惨に殺されたとなればこのような鬼女になっても仕方ないのかもしれません。。。
整形前、整形後、収監中、追うものと追われるもの、そしてその関係者たちの話が各エピソードで描かれ、丁寧なのにコンパクトにまとまっていたのが見事でした。コミカルさもあって見やすいのも好みです!
最後に
一人の整形女性を3人の女優が演じ分ける。
ナナが成長してコ・ヒョンジョンになるとは思えませんが、その3人共が素晴しい演技力を披露してくれたのは間違いありません。
そして、登場シーンは短いながらもアン・ジェホンはオタクキャラを見事に演じ、ヨム・ヘランも主役を食うほどに抜群で、ハン・ジェイも魅力的でしたね。
本作は、ストーリー展開が魅力的で男尊女卑の社会を描きながらもコミカルなのがウリでしたが、やはり一番のみどころは出演陣たちの演技力の高さでした!
ーーー※ネタバレあり!ーーー
原作を知る人たちの口コミではマイルドになっている点がマイナス評価になったようですが、決してそんな風には感じませんでした。
これ以上過激ってR-18要素が満載だったのでしょうか??
殺害シーンも血しぶきありですし、DVシーンもエグいなど十分過激でしたし、ラストなんてスリラーアクションとでも呼べるもので、特に老女VS老女の戦いなんてなかなかお目にかかれるものではありません!