アガサ・クリスティーの女性探偵シリーズ「ミス・マープル」をドラマ化!
主演は何と19年ぶりに韓国ドラマ復帰するキムユンジン!
アメリカでワールドスターになったキムユンジンの韓国代表作となるのでしょうか?
(トップ画像公式ページより)
復讐の女神キャスト一覧
全32話(60分基準では16話)
最高視聴率 9.1%
放送年度 2018年10月6日~11月24日 SBS
演出:ミン・ヨンホン
「おバカちゃん注意報」
「私の婿の女」
脚本:パク・ジヌ
「ドクター異邦人」
【ミス・マ役】キム・ユンジン
【ハン・テギュ役】チョン・ウンイン
【ソ・ウンジ役】コ・ソンヒ
【コ・マルグ役】チェ・グァンジェ
【チョ・チャンギル役】ソン・ジル
【チャン・イルグ役】トン・バンウ
世界最高の推理作家と名高いアガサ・クリスティーの「ミス・マープル」をドラマ化。
韓国でのドラマ化とあって、主人公の名はミス・マとなりました。(マという姓が韓国にある)
物語は娘を殺したという濡れ衣を着せられたミス・マが、鋭い推理力で真実を明らかにするというもの。
原作を知らない視聴者には全世界を熱狂させた推理に興奮し、読者にとってはテレビで再現される楽しみがあるでしょう。
アメリカ人気ドラマ「ロスト」出演でワールドスターとなったキムユンジンの19年ぶりの韓国ドラマとあって、大変話題となりました。
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復讐の女神あらすじ
少女が残酷な方法で殺される。殺人容疑で逮捕されたのは遺体の第一発見者であり実の母親。無実を訴えながらも無期懲役で投獄されてから9年。収容されていた医療刑務所から脱獄に成功した女を刑事のハン・テギュは彼女を追跡する。数カ月後、女はある町で推理小説家のマ・ジウォン(ミス・マ)として生活しながら、娘を殺害した犯人の情報を得ていた。そんな中、静かな町で事件が次々に起こる。ミス・マは自分と同じようにぬれぎぬを着せられ苦しむ人々のため、優れた推理力で事件を次々と解決する。https://www.twellv.co.jp/
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復讐の女神・キムユンジン出演理由は?
キムユンジンにとって19年ぶりとなった国内ドラマ。
韓国ドラマ出演を決めた理由について
「出演を決める基準は一つ。台本が面白いかどうか。映画ならお金を払っても観たいと思うかどうか。テレビドラマだったら、自分の貴重な1週間のうちの2時間を割愛しても観たいドラマかどうか」
「原作のファンだったため、オファーがあった時、やらなかったら後悔すると思った」
とのこと。19年前のドラマ「情熱」では助演として出演していました。
「韓国の女優なのに韓国ドラマの代表作がないということが個人的にとても残念だった。このドラマがいい反響を得て、自分の代表作になればと思って撮影に臨んでいる」
と話していました。
19年前のドラマ撮影を当時を思い出して
「ドラマの現場はAからZまですべてが変わっていたし、自分が韓国を離れ19年の間に経験したアメリカの撮影現場ともまた別だった。」
「アメリカのドラマ撮影は12時間の休憩時間があり、週に4日ほど撮影し、残りは日常的な生活を送れる。」
「1日に20シーンも撮るなんて想像もできなかった。アメリカでは多くても1日9シーンくらい。不可能を可能にする俳優もスタッフもすごい」
と話していました。
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復讐の女神 視聴率・評価
制作発表会でキムユンジンは「視聴率は17.5%を目標にしたい」と話していました。
初放送は5.8%と好スタートを切り、4話(全32話)では9.1%をマーク。
しかし残念ながらこれが最高視聴率となり、その後は下落し、9話では2.1%と最低を記録。
これは地上波ドラマ歴代最低視聴率10位となるものです。
最終的に7.4%で幕を閉じました。
視聴率に対して、1人2役を演じたキムユンジンの演技力はかなり高く評価されました。
「一つの事件を中心に進んでいくストーリーの特性上、途中から視聴するのが難しい面があるが、キムユンジンの演技力のおかげで、一度みると釘付けになる吸引力があった」
「ジャンルの特性上、万人受けするタイプではないから視聴率は残念だが、さすがキムユンジンだ。娘を失う前後で完全に変わってしまったミス・マの姿を描きながらドラマを導いた」
とする評論家も。
一方、真犯人を見つけるという軸と個々のエピソードが大きなつながりがなく、別のストーリーが同時進行していくような演出が問題視されました。
話の流れがぶつぶつ切れるのも視聴者を混乱させ、また最近のドラマトレンドに合わせたと思われるスピーディな展開も、視聴者にとっては強調すべき点とそうでない部分が区別されず、緩急がうまくなかったようです。
推理劇の一番の魅力である伏線もフル活用されておらず、公権力を表現する部分も現実的でなかった・・・とさまざまな点が指摘されました。
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復讐の女神 感想
シャーロック・ホームズ、エルキュール・ポアロ、フィリップ・マーロウなど、世界で有名な探偵と言えば男性のイメージがあるかと思いますが、そんな中女性として最も有名と言えるのがミス・マープルこと「ミス・ジェーン・マープル」です。
このミス・マープルは、名探偵ポアロの生みの親でもあるアガサ・クリスティーが創造したクリスティー作品を代表する主人公の一人で、読書や編み物、庭いじりなどが趣味の老婆ながら、警察も匙を投げるような難事件をいくつもの解決に導いている素人探偵なんです。
そんなミス・マープルを韓国でドラマ化したのが本作!
内容はミス・マープル・シリーズの一作「復讐の女神」を軸に、他のミス・マープル登場作品をミックスして一つの話にまとめられています。
この点が本作最大の問題点で、ストーリーを長くするためとはいえ世界的名作をごちゃ混ぜにしたことで作品全体のバランスは同然悪くなっていますし、ミックスするために用いたオリジナルな要素のせいで粗だらけになってしまっているんです。
これはミステリーものとしては大失敗。犯人は誰なのか?どうやって犯行を行ったのか?といった一番重要なところよりも、他の粗に目が行ってしまうというのは最悪ですよね。
もちろん、最初からミス・マープルのドラマ化だと分かっているので犯人が誰だか分かったり、どんなトリックが使われているのかも予想がつくのですが、それをどのように見せるのか?どんな現代的アレンジがなされているのか?に注目して見るのが醍醐味なはずなんです。
それなのに、あまりにも強引な設定が新たに盛り込まれていたり、韓国ドラマらしい都合よすぎる展開があったりと、原作の良さを台無しにするかのような扱い方になってるんですよね。
そもそも、主人公ミス・マがオリジナルの未婚の老婆という設定から娘がいる母親になってますし、いきなり娘殺しの犯人にされ逮捕されるもその後脱獄し推理小説家になって・・・と、かなり驚きの展開。
まぁ、そこはリメイクならではのオリジナル要素として受け入れたとしても、主人公のイメージがあまりにも違いすぎるというのは残念でなりませんでした。
もちろん、原作を知らない人はそういうものとして楽しめるのかもしれませんが、それにしても細かな伏線や心理描写が重要な推理ものでありながら、あり得ない設定や展開が沢山あるというのは矛盾していますよね!
原作が書かれた時代の雰囲気をそのまま描くのは現代では無理があるとするなら、無理にミス・マープルをドラマ化しなくてもオマージュされたサスペンスドラマという形でも良かったのでは?
まぁ、ミス・マープルとは関係ないオリジナル作品として見たとしても、都合よく自分とそっくりな推理小説家がいたり、韓国ドラマおなじみの巨悪が登場したりと、まったくもって推理ものらしくない強引な展開ばかりが待っていて呆れてしまうばかり。
この作品は、韓国ドラマでよくあるサスペンスドラマに、世界的名作ミス・マープルの要素をところどころ拝借したといった程度の作品で、ミステリーとしての面白さは感じられませんでした!
最後に
視聴率が思わしくなかったため、放送終了後のキャストたちのインタビュー記事もありませんでした。
キムユンジンにとってアメリカのスケジュールを整えて臨んだ韓国ドラマでしたが、代表作と言えるドラマとは評価されなかったようです。