それだけが僕の世界【韓国映画】イ・ビョンホン×パク・ジョンミン共演。
出演陣の演技力が光る家族の絆を描いた感動作!パクジョンミンは代役を使わずご自身が演奏しています!
キャスト、みどころ、あらすじ、感想をまとめました。
(トップ画像公式ページより)
それだけが僕の世界【韓国映画】キャスト一覧
原題:Keys to the Heart
2018年1月17日韓国で公開(日本では2018年12月28日公開)
上映時間:120分
観客動員数:約340万人
監督、脚本:チェ・ソンヒョン
製作総指揮:ユン・ジェギョン
【ジョハ役】イ・ビョンホン
かつて東洋太平洋チャンピオンにまで上り詰めた元ボクサー。ジンテの兄。。
【ジンテ役】パク・ジョンミン
サヴァン症候群を患うジョハの弟。ピアノの天才。
【インスク役】ユン・ヨジョン
ジョハとジンテの母。ジンテを溺愛し、ジョハとは17年間離れて暮らしていた。
【ガユル役】ハン・ジミン
お金持ちの御嬢様で元ピアニスト。過去の事故により片足が義足に。
【スジョン役】チェ・リ
インスクとジンテが暮らす家の大家の娘。ジンテと仲良し。
第38回黄金撮影賞において、イ・ビョンホンが演技大賞に輝いた他、撮影賞金賞(撮影監督が受賞)や、新人女優賞(チェ・リ)も受賞しています。
それだけが僕の世界【韓国映画】あらすじ
元ボクサーのジョハ(イビョンホン)は、ボクシングジムで相手役を買って出たり、チラシ配りをしながらその日暮らしをしていました。
ある日、17年前に別れた母と偶然再会したジョハは、自分に弟のジンテ(パクジョンミン)がいることを知ります。
かつて、暴力を振るう父親の元に彼を置いて逃げた母を憎く思っていたジョハでしたが、住む場所も決まっていないこともあり母の家に転がり込むことにします。
しかし、ジンテはサヴァン症候群を患っていてなかなかジョハに打ち解けません。
そんな中、仕事の都合で釜山に行くという母の頼みで弟の面倒を見ることになったジョハ。
天才的なピアノの才能を持つジンテをコンテストに出したいという母の頼みもあり、ジョハは彼が尊敬する女性ピアニストに会わせるのですが・・・。
半年もの練習を経て実際にピアノ演奏したパク・ジョンミンの凄さも見逃せません!!
それだけが僕の世界【韓国映画】みどころ
本作は、登場人物が多い作品ではありませんが、出演者全員の演技力が光る作品だと思います。
主演のイ・ビョンホンは、見た目も役柄もこれまでにない地味なものですし、パク・ジョンミンも全く違和感無く自閉症でサヴァン症候群という役柄を演じています。
他の登場人物にしても、変にキャラクターを強調しようとしていないので、見ていて作り物のように見えないのが凄いところ。
本作のテーマは、家族の絆の修復や再生というものですが、それを仰々しく扱ってなかったりわざとらしく泣かせようとしていないのもポイントで、派手な展開や演出は極力抑えながら、それでいて大いに感動出来るというのは、物語のシンプルさとこの世界観に違和感無く入り込め説得力があるからでしょう。
そして本作一番の見所は、パク・ジョンミン演じるジンテのピアノ演奏シーンにつきます!
作中で練習を重ねたりピアノと真剣に向き合うといったシーンはないものの、あくまでも楽しくピアノを弾いてそれが素晴らしい演奏というのは正に天才的です。
ラストのコンサートシーンがピークですが、ジンテとガユルの連弾シーンも見逃せません!
監督や作家など制作陣は「イビョンホンは生まれながらの俳優。演技の神」と話し、パクジョンミンも憧れのイビョンホン先輩と共演でき、自分も努力しなければと思ったそうです。
また、監督はパクジョンミンを「怪物のような俳優」といい、イビョンホンも「才能もずば抜けてる上に努力と誠実さは他の追随を許さないくらい素晴らしい俳優だと思う」と絶賛していました。
それだけが僕の世界【韓国映画】感想と評価・評判
この映画はサヴァン症候群を患う青年がピアニストとして成り上がっていくといった作品ではありません。
あくまでもテーマとしてあるのは「家族の絆」であり、登場人物たちが新しい未来へ一歩踏み出す姿を描いたものです。
ストーリーや展開にキャラクター設定など、これらは特に珍しいものではないんですが、大袈裟にお涙頂戴にしてなかったり、差別的シーンや恋愛なども無く、不必要にドラマチックにしていないのが特徴で、これが本作のいいところなんです!
これだけ聞くとなんてことない作品に思うかもしれませんが、そんな作品を引っ張っているのは俳優たちの演技力とパク・ジョンミンのピアノ演奏シーンです。
変な髪型にジャージ姿のイ・ビョンホンには最初は少し違和感があったんですが、見ていくうちにシックリくるようになり、イ・ビョンホンの演技力の素晴らしさを改めて実感しました。
そしてジンテ役のパク・ジョンミンがお見事!
こういう役柄だと、”才能もありイケメンなのに自閉症”という安易な設定にしがちですが、彼が演じたジンテは実にリアルで、彼の他の出演作品を見たことがない人からすればこれが演技だと思わないかもしれません。
こういう難役が登場する作品は、下手をすると作品自体が嘘っぽくなりがちなのに、本作は見ていて感動出来たし違和感もありませんでした。
私がこの映画を見て好きだなと思った理由として、ジンテの周りの人々がとても温かく優しいということです!
様々な困難を乗り越えて最期に認められるという展開の作品も悪くはないですが、彼の才能や人柄を見て素直に評価されるという本作のような作品は、見ていて心がほっこりしますし嫌な気分になりません。
ストーリーは悪く言えばベタなんですが、作品全体が暗くてジメっとしたものでなく、温かいユーモアに包まれているのが良かったです。
まとめ:韓国お得意のベタな設定と展開の作品なであるものの、出演陣の素晴らしい演技力と感動的なピアノ演奏に引き込まれました!それでいて大袈裟な泣き所を作っていなかったり、過剰な演出していないのが嘘臭く無くなくて良かったです。
最後に
本作はメインキャストから脇役まで、全ての俳優さんたちが素晴らしい演技を見せてくれました。
ジンテの友人で姉弟のようなスジョンも、彼を特別扱うことなく自分が可愛いか聞いてきたりと、二人のやり取りがコミカルで微笑ましく見ていられました。
ヒロインでありながら誰かと恋仲になるわけでもないガユルも、一見ぶっきらぼうに見えるもののジンテを導いてくれ、彼女の母もジンテの存在を認め娘をサポートし、そして最初は嫌なおばさんなのかと思っていたスジョンの母親も実は温かい人だったりと、この映画には韓国作品にありがちな悪人が登場しないんです!
実際には作品では描かれていない辛く悲しいことが沢山あるのでしょうが、それを描いて山場を作るようなことはせず、人の温かさを描いているからこそ本作は名作となったんだと思います。
【それだけが僕の世界】出演者