KCIA 南山の部長たち【韓国映画】キャスト・あらすじ・評価・感想

 

KCIA南山の部長たち

イ・ビョンホン主演による実録サスペンス。

「インサイダーズ/内部者たち」のウ・ミンホ監督とイ・ビョンホンが再びタッグを組み、実際に起きた朴正煕(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件を基にして作り上げた作品!

キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。

(トップ画像公式ページより)

 

 

 

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目次

KCIA 南山の部長たち【韓国映画】キャスト一覧

2020年1月22日韓国にて公開(日本公開日2021年1月22日)

観客動員数:約475万人

上映時間:114分

監督・脚本:ウ・ミンホ
「インサイダーズ 内部者たち」など

脚本:イ・ジミン
「密偵」「世宗大王 星を追う者たち」など

製作総指揮:キム・ドス/ファン・スンイル
「金の亡者たち」「未成年」「暗数殺人」など

【キム・ギュピョン役】イ・ビョンホン
韓国中央情報部(通称:KCIA)部長。

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【パク大統領役】イ・ソンミン
大韓民国大統領。

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【パク・ヨンガク役】クァク・ドウォン
元中央情報部部長。

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【クァク・サンチョン役】イ・ヒジュン
大統領警護室長。

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【デボラ・シム役】キム・ソジン
ロビイスト。

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名作映画「インサイダーズ 内部者たち」のウ・ミンホ監督がベストセラーノンフィクションを原作に制作した実録サスペンス。

 

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KCIA 南山の部長たち【韓国映画】あらすじ

1979年10月26日、パク大統領が暗殺されるという大事件が起きます。

その容疑者はなんとKCIA部長のキム・ギュピョン(イビョンホン)。大統領の片腕とも呼ばれていたギュピョンに一体何があったのか!?

韓国中央情報部(通称KCIA)は、大統領直属の諜報機関として大統領に次ぐ強大な権力と情報を握っていました。

そのKCIAの元部長であるパク・ヨンガク(クァクドウォン)が、亡命先のアメリカで韓国大統領の腐敗と政権の実態を告発するという事件が起きます。

更にヨンガクは回顧録の執筆までしているということでパク大統領は激怒し、現在のKCIA部長キム・ギュピョンに事態の収拾を命令します。

ヨンガクと友人であったギュピョンは、何とかして彼をなだめて事をこれ以上大きくしないように働きかけるのですが・・・。

「朴正煕(パク・チョンヒ)大統領とは?」

1961年に軍事クーデターで政権を握り、18年間軍事政権を維持した第5代から第9代の大統領で、朴槿恵(パク・クネ)前大統領の父親としても知られています。

ちなみに妻は大統領暗殺未遂事件に巻き込まれて亡くなりました。

 

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KCIA 南山の部長たち【韓国映画】みどころ

1979年10月26日に起きた韓国の朴正煕大統領暗殺事件を基にした作品。

軍事政権で絶大な権力を誇ったパク・チョンヒ大統領が、側近であった中央情報部部長により殺害されたという世界的な事件。

この事件について描いたノンフィクションを原作にイ・ビョンホン、イ・ソンミン、クァク・ドウォンら豪華俳優陣が共演し上質なサスペンスを作り上げました。この名優陣たちによる演技合戦は必見です!

南山タワーが有名な南山にパク・チョンヒ大統領によって韓国中央情報部(KCIA)が設立されたことから、韓国中央情報部のトップである部長のことを「南山の部長」と呼ぶそうで、本作のタイトルはそこから来ています。その部長を演じているのがイ・ビョンホンで、イ・ソンミン演じる大統領に反対する勢力やデモなど押さえ政権を維持させるのが役目となります。

しかし、そんな大統領の片腕的存在であるKCIAの部長がなぜ大統領を暗殺することになったのか?

その暗殺に至るまでの40日間がスリリングに描かれていきます。

このように実際に起きた政治事件をテーマにした作品なので難しくてお堅い作品のように思われるかもしれませんが、本作にはマフィア映画のような空気感があり、抜群のエンターテインメント性も兼ね備えています!

 

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KCIA 南山の部長たち【韓国映画】感想・評価

パク・チョンヒ大統領暗殺事件についてよく知らなくても楽しめる、素晴らしい政治ドラマでありサスペンスとしても秀逸な作品でした。

政治ドラマと書きましたが、本作の登場人物はぜったいてき権力を誇る大統領に、中央情報部の人間や警備、そして大統領派である軍部の首脳陣というもので、政治家やメディアなどは殆ど登場しません。

そのためよくある政治ドラマのような権力闘争もありませんし、犯罪捜査ドラマ的展開もないんです。

では何が描かれているのかというと、18年にも渡る軍事政権を終わらせたい人たちと、政権を維持したい大統領とそれに従うものたちの対立が描かれているんです。

そんな対立構造の中心にいるのが主人公ギュピョンで、大統領への尊敬と失望との狭間で揺れ動くことになります。

クーデターを共に戦い革命を起こしたかつての姿と、民衆を簡単に殺そうとする今の大統領のどちらが本当なのか。

これまで大統領の為に何でもしてきたギュピョンでしたが、軽薄な警備室長を側に置き自分を疎むようになった今の姿に怒りを覚えるようになり、このままではアメリカをはじめとする世界を敵に回した結果、国が駄目になってしまうと危惧するようになるんです。

本来、大統領を守るために存在しているのが中央情報部なんですが、元々は国を変えるために革命を起こした訳で、世界を敵に回してしまうような大統領は駄目だと思うようになります。

このギュピョンの葛藤をイ・ビョンホンが見事に表現していて、「インサイダーズ 内部者たち」で見せた狂気の姿とは違ったものを見せてくれています。

実際には、この人が正義だったのかどうかは分かりませんが、このままパク大統領政権が続いていたとしたら、今の韓国という国は無かったのかもしれません。

サスペンスとしての結末(大統領が暗殺される)は最初から分かっているのに面白い!

これは、俳優陣たちの熱量とスリリングな演出によるものが大きく、主演のイ・ビョンホンは言うまでもなく名演でしたし、イ・ソンミンの存在感、クァク・ドウォンのトリックスターぶり、そしてイ・ヒジュンの憎たらしさなど、誰もがお見事でしたね。

そして、シーンごとの音楽使いや、マフィア映画のような雰囲気を醸し出す映像作りとライティングも素晴らしく、史実を基にしながらもちゃんとエンターテインメントとして楽しめるようになっているのも凄いと思いました。

まとめ:イ・ビョンホンがとにかく素晴らしい!

主人公が暗殺をするに至るまでの感情の移り変わりを見事に表現していましたし、結末が分かっていても楽しめるというエンターテインメント作品に仕上げていた監督の手腕も見事だったと思います。

さらに共演陣の演技力の高さも抜群でしたね。

最後に

政治ドラマや史実を基にした作品と聞くと敬遠してしまう人も多いかと思うんですが、本作に限ってはそんな方にも是非見て欲しいと思える作品でした。

その理由として挙げられるのは、韓国に興味がなくてもサスペンスとして抜群に優れているということ。

そして、政治家の暗殺やその時代背景などについて詳しくなくても、登場人物のキャラクターがそれぞれ際立っていますし、その立場も明確で人間関係も分かりやすくなっているのも良かったですね。

つまり、歴史を知れると共に誰でも楽しめるエンターテインメント作品に仕上がっているんですよね!

元々韓国は、過去に起きた事件をエンターテインメント作品に落とし込むのが非常に上手かったのですが、そんな作品群の中でも本作はかなり上質な作品だったと思います。

 

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