韓流スター、カン・ドンウォン主演によるファンタジックでミステリアスなラブストーリー。
キャスト、あらすじ、感想、みどころ、実話かどうかについてまとめました。
(トップ画像http://www.topstarnews.netより)
隠された時間【韓国映画】キャスト
英題:Vanishing Time: A Boy Who Returned
2016年11月16日韓国で公開(日本では2017年8月19日公開)
上映時間:130分
観客動員数:不明
監督:オム・テファ
脚本:オム・テファ/チョ・スルイェ
【ソンミン役】カン・ドンウォン
【スリン役】シン・ウンス
【スリンの義父役】キム・ヒウォン
【アン刑事役】クォン・ヘヒョ
【児童心理学者ミン・ギョンヒ役】ムン・ソリ
【テシク役】オム・テグ
【ソンミン(少年期)役】イ・ヒョジェ
監督は、本作が長編デビューとなるオム・テファさん。第54回大鐘賞映画祭で新人監督賞を獲得しています。
監督は、映画『親切なクムジャさん』のスタッフなども務め、パク・チャヌク監督の秘蔵っ子として知られています。
主演は数多くの代表作を持つカン・ドンウォン。本作によりニューヨークアジア映画祭でアジアスター賞を受賞!これは韓国の俳優では3人目の快挙だそうです。
隠された時間【韓国映画】あらすじ
スリンは、母親の事故死により義父と共にとある島に引っ越して来ました。
彼女は義父と馴染めずに、異世界や幽体離脱などに興味を持ち、学校でも変わり者として知られていました。
そんな中、施設育ちの少年ソンミンと出会い、二人しかわからない独自の文字を使ってやり取りをはじめ仲良くなっていきます。
ある日ソンミンとその友人たちがトンネル工事の現場を覗きに行こうという計画を立て、そこにスリンも加わります。
しかしその行動によりスリン一人を残し、3人の少年たちが謎の失踪を遂げてしまったのです!
事件の捜査は難航し大人たちが右往左往する中、スリンが言う奇妙な洞窟と卵の話も、事件の後に突如現れた謎の男は失踪したソンミンだと言う話も誰も信じてくれません。
警察たちが謎の男を誘拐犯として追う中、スリンだけは彼を信じて行動を共にするのですが・・・。
隠された時間【韓国映画】みどころ
本作は、韓国映画の中では非常に珍しいファンタジーラブストーリー作品。
「時間が止まった世界の中に閉じ込められる」という斬新な設定を使い、ミステリー要素も取り込んで唯一無二の作品に仕上げています。
物語の冒頭は少年たちの冒険もののようで、どこか『グーニーズ』を思わせるところもあり一気に引き込まれます。
そして、そこからファンタジー要素満載の展開となり、ソンミンたち3人は自分達以外の時間が止まった世界の中に閉じ込められてしまいます。
そのアイデアこそが本作のみどころの一つであり、その謎を究明することをメインに置くのではなく、それによって大人になってしまった少年とスリンとの切ないラブストーリーこそが真のテーマとなっています。
そして少年失踪事件を追う警察や住民達から一人助かったスリンに疑惑の目が向けられ、その後現れた謎の男も誘拐犯として追いかけられることに。
この展開がサスペンス映画のようなスリリングさも備え、ファンタジーと現実とを繋ぐこととなります。
俳優達の演技力も素晴らしく、カン・ドンウォンは見た目は大人だけど中身は少年とたいして変わらないという難役を見事に演じ魅了を存分に発揮していますし、シン・ウンスはじめ子役たちの演技力にも目を見張るものがありました。
その点にも注目してご覧下さい!
隠された時間【韓国映画】は実話なの?
実話の事件を元にしたのではないと韓国でも多く検索されていましたがフィクションです。
映画の冒頭で実話を基にしたように取れるテロップが入るのですが、これは映画の中に登場する児童心理学者ミン・ギョンヒがスリンから聞いた話を基に書いた本の中の一文であって、この作品は学者がスリンから事件の顛末を聞いているという形。
なので、現実世界で実際に起きたわけではありません。
隠された時間【韓国映画】感想と評価・評判
この映画、カン・ドンウォン主演とはいえ韓国でヒットしたようではないのでスルーしていたんですが、この度見てみると非常に好みの作品でした!
特にヒロインのシン・ウンスが素晴らしく将来有望なのが見て取れますし、カン・ドンウォンの少年期を演じたイ・ヒョジェがちゃんとカン・ドンウォンに似てるのもいいですね。
抜群の目力があり、ちょっとイ・ジュンギにも似ているかもしれません。
他の子役たちも素晴らしく、この事からもますます期待が高まりました。
ストーリーもやり過ぎないファンタジーなところが素晴らしく、CGを多用していないのも正解でした。
止まった時間の中で少年達だけが成長していくというのは「浦島太郎」の物語より残酷なもので、まわりに知る人がいない世界へ年老いて帰って来たのと、まわりには知り合いばかりいるのに、自分だけ年を取ったせいで誰からも気付かれないという方がより残酷だと思いましたね!
しかし、大人になったソンミンとスリンが出会ってから、誘拐犯扱いされたり小児性愛者扱いされるのは妙に生々しく、一気にファンタジー世界から現実世界に引き戻されるのは個人的には無しのように思えました。
少女の話を嘘だとして信じてくれない大人達や社会との関係を描きたかったんでしょうけど、もっと童話的な展開に出来なかったんでしょうか。
どんな作品にもサスペンス要素入れたがるのは韓国の悪いところだと思いますね。
まぁ、この点は見る人の好みによるかもしれませんが。
ラストも賛否が分かれるところでしょうが、それは見てのお楽しみです!
色々と「もっと、こうしたら」という点もあったんですが、それは基本的にこの映画が面白かったからで、注文をつけるのも更なる傑作になって欲しいと思ったからなんです。
ファンタジー映画、切ないラブストーリーが好きな人は観ることをお薦めします!
まとめ:この映画は他の韓国映画はもちろん、世界的に見てもその斬新なアイデアとテーマ性は唯一無二のものでした!俳優陣の演技力も素晴らしく、時間が止まった世界の描写も秀逸でした。