ほえる犬は噛まない【韓国映画】あらすじ・キャスト・感想・意味は?

ほえる犬は噛まない韓国映画
「パラサイト 半地下の家族」のポン・ジュノ監督による長編映画デビュー作。

マンション団地内で起きた犬の失踪事件をヒューマンドラマタッチで描いたコメディ映画!

キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。

(トップ画像公式ページより)

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目次

ほえる犬は噛まない【韓国映画】キャスト一覧

原題:フランダースの犬

2000年2月19日韓国にて公開(日本公開日2003年10月18日)

上映時間:110分

観客動員数:約57,000人

監督:ポン・ジュノ
「殺人の追憶」
「グエムル漢江の怪物」
「母なる証明」
「オクジャ」など

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脚本:ポン・ジュノ
ソン・テウン、ソン・ジホ

【コ・ユンジュ役】イ・ソンジェ
大学の講師。

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【パク・ヒョンナム役】ペ・ドゥナ
ンション管理室で働く経理職員。

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【ペ・ウンシル役】キム・ホジョン
ユンジュの妻。妊娠中。

【ピョン警備員役】ピョン・ヒボン
マンションの警備員。

【ユン・ジャンミ役】コ・スヒ
団地内の売店店員。

【チェ某氏役】キム・レハ
マンションの地下に住む浮浪者。

1999年の映画「ユリョン」で脚本家を担当したポンジュノ監督が2000年に手掛けた長編映画デビュー作。

本作はその他のポン・ジュノ作品と比べるとヒットした作品ではありませんが、第21回青龍映画賞女子新人賞(ペ・ドゥナ)受賞や、第19回 ミュンヘン国際映画祭新人監督賞受賞をはじめ、国内外の映画祭に多数ノミネートされ高く評価されました。

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ほえる犬は噛まない【韓国映画】あらすじ

巨大なマンション団地に暮らすユンジュ(イソンジェ)は大学教授を目指す冴えない大学講師で、年上で身重の妻に養われていました。

なかなか出世出来ない彼はいつも妻から虐げられ、アパート内から聞こえてくる甲高い犬の鳴き声にもイライラさせられていました。

そんなある日、となりのドアの前に犬がいるのを見つけたユンジュは、思わず犬を捕まえてマンションの地下室に閉じ込めてしまいます。

しかし、いつも吠えていた犬は別の犬だということが分かり、急いで閉じ込めた犬を探しに行くのですが・・・。

ユンジュが暮らす団地の管理事務所で経理をしているヒョンナム(ペドゥナ)は、団地内で連続して飼い犬が失踪する事件を解決しようと躍起になっていました。

そんな中で、マンションの屋上から犬を投げ捨てた場面を偶然目撃し、犯人を捕まえようと追いかけるのですが寸前で逃してしまいます。

一方、妻が買ってきた犬をユンジュが散歩させていると、突如として犬が行方不明になってしまいます。そのことを聞いたヒョンナムはユンジュと共に犬を探し始めるのですが・・・。

ほえる犬は噛まないタイトルの意味は?

邦題の意味については不明ですが、原題の”フランダースの犬”については主人公がフランダースの犬の主題歌を歌ってる場面があるからなんとなくで決めたそうです。ちなみにエンディングでもフランダースの犬のアレンジ曲が流れます。

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ほえる犬は噛まない【韓国映画】みどころ

本作はポン・ジュノ監督の長編デビュー作にして、既に天才たる片鱗を見せている作品でもあります。

主人公の一人を演じるペ・ドゥナや警備員役のピョン・ヒボンを世に知らしめた作品としても有名で、中流階級が暮らす団地を舞台としたシュールな笑いが魅力の作品になっています。

近年の監督作品と比べるとメッセージ性やエンターテイメント性は薄いのですが、韓国の悪しき風習や社会の負の側面をブラックジョークを交えて描いており、派手さはないものの何度も見返したくなる魅力があります。

主演二人のコミカルな演技はもちろん、ピョン・ヒボンの魅力が発揮された”ボイラー・キムさん”の話も本作の名場面の一つですし、その他の脇役陣も個性派ばかりでキャラクターの宝庫となっています。

サスペンスなのかと思って見ていたらコメディで、コメディだと思っていたら社会派ドラマでもあるというとてもユニークな作品!

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ほえる犬は噛まない【韓国映画】感想・評価

本作は今をときめくポン・ジュノ監督の作品の中では一番地味な作品ですが、他の作品でも扱ってきた監督お得意の要素が全て詰まっている名作です!

社会的なメッセージとユーモアが同居しているところなどは「パラサイト~」と似ているところもありますし、全体的なまとまりや展開の妙などでは「パラサイト~」の方が上ですが、シュールな笑いの面からするとこちらの方が上という場面もあります。

警備員が犬を捕まえて鍋にしたり、屋上から犬を投げたりといった問題シーンが恐ろしく描かれているのではなく、ハラハラドキドキしながらもブラックジョーク的に描いているのが特徴。

ユンジュはうるさい犬を捕まえるのにコントみたいな手を使ってみたり、ヒョンナムはあり得ないイタズラ電話に騙されたり、鍋を作っている警備員が席を外した隙に浮浪者がその鍋を食べたりといったコミカルなシーンが満載で、先の展開が全く読めないのも本作の魅力でした。

キャラクターも個性派揃いで、行動の理由や背景を細かく描いていないのも逆に見返したくなる要因となっていました。

作品全体に伏線が張られていたり、ドラマチックな盛り上がりがあるタイプの作品ではないですが、だからこそリアルに見えるところもあります。

タランティーノ作品のように本筋とは関係ない小噺が入っているのも楽しく、監督のセンスが光る作品になっていると思います。

ただ、犬好きな人や行動に理由付けをしたい人からすると本作は不快に感じるかもしれず、どこが面白いのか分からないかもしれません。私は大好きですけどね!

まとめ:単純に善悪だけでは語れないユニークな人間群像劇。

サスペンス、コメディ、社会派ドラマの要素がうまくミックスされた、タイトルからは想像もつかないオリジナリティ溢れる作品です!

最後に

本作は韓国では2000年に公開された作品ですが、日本での韓流ブームもあって2003年に公開されました。

よく考えるとこの作品は韓国でヒットしてませんし、大ヒット作「殺人の追憶」もまだ公開されていない時期に何故日本で公開されたのか不思議で、そんな作品をたまたま映画館で私が見れたのも運が良かったと思います。

この作品が気に入ったお陰で「殺人の追憶」を見に行き、さらに韓国映画が好きになりました。

そういった意味でも私にとっての記念すべき作品と言えるかもしれません!

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