ハ・ジウォン×ペ・ドゥナ共演で贈る実話を基にしたヒューマンドラマ。
卓球を通して南北統一チーム選手の友情を描く!
キャスト、あらすじ、感想、みどころなどをまとめました。
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【ハナ奇跡の46日間】キャスト一覧
原題:KOREA
2012年5月3日韓国で公開(日本では2013年4月20日公開)
上映時間:127分
観客動員数:約187万人
監督:ムン・ヒョンソン
脚本:ユ・ヨンア、コン・ソンフィ
【ヒョン・ジョンファ役】ハ・ジウォン
【リ・プニ役】ペ・ドゥナ
【チェ・ヨンジョン役】チェ・ユニョン
【ユ・スンボク役】ハン・イェリ
【チェ・ギョンソプ役】イ・ジョンソク
【イ・ウンイル役】パク・チョルミン
【チョ・ナンプン役】キム・ウンス
1991年千葉県で開催された世界卓球選手権で、史上はじめて結成された朝鮮半島南北統一チームが女子団体戦で優勝した実話を基に制作されました。
本作のキャストは演技派女優が多くキャスティングされているのが特徴で、特に主演のハ・ジウォンとペ・ドゥナの演技合戦とも言える作品なんです。
二人とも広く知られていますが、今回の卓球選手役になりきるために厳しいトレーニングを受けたそうで、ペ・ドゥナに至ってはプラス北朝鮮訛りまで習得しなければなりませんでした。
【ハナ奇跡の46日間】あらすじ
ヒョン・ジョンファ(ハジウォン)は韓国のスター卓球選手。
しかし大会ではいつも中国に勝てず銀メダルに終わっていました。
そんな折、1991年の千葉で行われる世界選手権大会で南北統一チームが結成されることとなり、いつもライバルとして大会で競いあっていた北朝鮮のリ・プニ(ペドゥナ)ともチームメイトとなります。
この突然の決定に選手やコーチたちも反対するのですが、「コリア」という統一チームにより南北融和をアピールする狙いもあり強行されることとなります。
しかし、生活方式や練習方法などことごとく違う選手たちは簡単に馴染めるはずもなく、何かと衝突することに・・・。
そして、誰が大会に出場するのか、誰と誰がダブルスを組むのかなどでも揉めるようになります。
【ハナ奇跡の46日間】みどころ
本作は実話を基にした作品なので、南北統一チームがこの世界選手権で優勝することは分かっています。
では何を楽しみ作品なのかといえば、どういう経緯で統一チームが生まれたのか、そして突然結成された即席チームをどうやって優勝に導いたのかが注目となってきます。
ハ・ジウォンの演技力はもちろんのこと、相変わらずの運動神経の良さも披露し、韓国を代表する卓球選手ヒョン・ジョンファになりきっていますし、ペ・ドゥナもハ・ジウォンのライバル役として負けず劣らずの熱演を見せてくれます。
そしてハン・イェリは、クールなイメージとは反対の純朴そうな役柄で登場し、チームメンバーの中で一番の変貌を見せます。
チェ・ユニョン演じる明るいキャラクターも重要となってくるので注目です!
他の南北の交流を描いた作品でも見られることですが、北と南のカルチャーギャップが面白く描かれていたり、選手自体も分かりやすくキャラクター分けされていて、和気あいあいとする韓国選手に対して、終始無言で身動きもしない北朝鮮選手というのが、見ていて笑ってしまいます。
これらを観ると韓国と北朝鮮という国の違いが透けて見えてきますね。
しかし、それが徐々に打ち解けあいチームメイトとして仲良くなっていき、当初のような違いはなくなってきて爽やかな友情も生まれていきます。
コミカルなシーンも多く、特にパク・チョルミンとオ・ジョンセは期待通りに笑わせてくれています。
そしてイ・ジョンソク演じる北朝鮮の男子選手と、チェ・ユニョン演じる韓国の女子選手との恋愛も見どころで、女性からグイグイ迫られタジタジになるイ・ジョンソクというのも珍しくて笑えます。
しかし、後半になると浮かれていたツケが回ってきたかのように北朝鮮側に不穏な空気が立ち込めていきます。
果たして南北統一チームは無事に大会に挑むことが出来るのかに注目です!
【ハナ奇跡の46日間】感想と評価・評判
これは日本人が大好きなやつでしょ!
基本はスポ根作品であり、ライバル、対立、友情、恋愛、困難、勝利など、まるで少年漫画のような設定が盛り沢山で、悪く言えば「ベタ」と呼ばれてしまうものかもしれませんが、よく言えば幅広い層に受け入れられる作品なんです。
韓国と北朝鮮選手たちは予想通り揉めるシーンも出てきますが、意外としょうもないこと(北朝鮮の人からすると重要なんだろう)だったりして、もっとピリピリするのかと思っていたのに非常にコミカルなものでした。
とはいえ、いくら南北友好の為とはいっても、突然合同チームを作ると言われて選手にしたらたまったもんじゃないですよね!
何年間もかけてチームワークを作ってきたりしてたものが、準備期間も僅かでよく知らない相手と組まされるなんて、選手たちの心情を考えると可哀想でなりません。
2018年の第54回世界卓球選手権でも突然、南北合同チーム「コリア」が結成され話題となりましたが、これが本作で描かれた大会以来27年ぶりのチーム結成だったようです。
ここでも両国の選手は快諾と報道されましたが、普通に考えてそんな分けありませんよね。本当は2か国分の出場選手枠があるところが半分になってしまうのですから。
では、この映画ではそんな愚痴を言ってるだけなのかといえば当然そんなことはなく、チーム一丸となって北も南も関係なく勝利を目指して奮闘していくんです。
最終戦での熱戦は手に汗握るもので、解説者の二人なんかまるでプロレスの実況かのような熱の入りようで笑ってしまいました。
そして、ダブルスの二人も素晴らしく、ペ・ドゥナなんかまるでカン・ドンウォンかのような目力とカッコ良さが漂っていました。
この作品で一番グッと来るのはやはり最後の別れのシーン。
通常の「またいつか会おう」というものとは違い、「もう二度と会えないかもしれない」という死別にも似た悲しさがあるからなんです!
ジョンファが言う
「『また会おうね』とか『電話するね』とか『手紙書くね』とか、どれも無理なのに何を言えばいいの?」というセリフには、とても切実な現実が表されて見え隠れしていて
リ・プニの返す
「バカね、『お元気で』で良いじゃない」という前向きなことばに泣かされてしまいました!
これこそが韓国と北朝鮮の現状であり、このチームが結成されたこと自体が奇跡的なものだったんですね。
話の展開に斬新さや驚きなんかは無いですし、結末など最初から分かっているのに感動出来るというのは、話の組み立て方と演技者の素晴らしさがあるからだと思いました。
まとめ:韓国より日本でヒットしそうな王道スポ根映画だと思いました!笑いと根性、そして涙無くしては見れない展開など、きっと観客動員数以上の多くの人に受け入れられる作品だと思います!!
最後に
この作品は実話を基に描かれた作品です。
これまでにも南北の交流を描く作品は沢山ありましたが、本作ではスポーツを通しての心を通わせていく様が描かれていて、スポーツと政治を一緒に語るべきではないという理念も伝わってきます。
しかし、この南北統一チームは国際卓球連盟会長だった荻村伊智朗さん(94年死去)の尽力で実現したものであるのですが、そこには触れられていないというのは何とも残念な気がします。
あとタイトルの「ハナ」も、人の名前なのかペットの名前なのかと思うくらいで意味が分かりません。
実はこの作品の英題は「As One」となっていて、「ハナ」は韓国語で「ひとつ」という意味なんですね!それを知っていれは内容と合っていると分かるんですが「ハナ」では分かりにくいですね。