「悪女 AKUJO」の監督×「グッド・ドクター」のチュウォン主演によるNetflixオリジナル映画。
記憶を失ったまま危険な任務に投入された男カーターが、自らの正体と任務に挑む理由について探るため奮闘するSFゾンビアクション!
キャスト、あらすじ、感想、続編についてなどをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
カーター【韓国映画】キャスト一覧
2022年8月5日からNetflixにて配信中
上映時間:134分
監督・脚本:チョン・ビョンギル
「殺人の告白」「悪女 AKUJO」など
脚本:チョン・ビョンギル/チョン・ビョンシク
「悪女 AKUJO」など
【カーター・リー役】チュウォン
記憶を失った男。
【キム・ジョンヒョク役】イ・ソンジェ
朝鮮労働党の中将。
【ハン・ジョンヒ役】チョン・ソリ
カーターに指示を出す謎の女。
【チョン・ハナ役】キム・ボミン
感染症医チョン博士の娘。
【チョン・ビョンホ役】チョン・ジェヨン
感染症の治療薬を作れる博士。
【キム室長役】チョン・ヘギュン
国家情報院室長。
「殺人の告白」「悪女 AKUJO」が高い評価を得たチョン・ビョンギル監督によるNetflixオリジナル映画。
脚本を共同執筆したチョン・ビョンシクさんは監督の実の兄弟です。
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カーター【韓国映画】あらすじ
男(チュウォン)が目を覚ますと、そこは見知らぬモーテルのベッドの上だった。
その男には何の記憶もなく、しかも銃を構えた屈強な男たちに何故か囲まれていた。
その時、男の耳の奥からカーターと呼ぶ声が聞こえた。
男のことをカーターと呼ぶその声は女性のもので、このおかしな状況から逃げ延びる手助けをすると言うのだ。
記憶のない男に対して質問を投げかけてくる謎の集団と、その場から逃げる手段を示す女性。
男は訳もわからないまま女性に従い、爆発と同時に窓を突き破ってその場から脱出することにする。
ところが逃げ込んだ場所はヤクザだらけの大浴場であり、カーターと数十人ものヤクザたちは大乱闘となる。
その場を何とか切り抜けたカーターは、女性の指示に従いハナ(キムボミン)と呼ばれる少女の救出作戦に挑むことになるのだが・・・。
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カーター【韓国映画】みどころ
本作は記憶を失った男が謎の声に従いながら、自らの記憶を取り戻し世界を救おうとする様を描いたSFアクション映画です。
記憶を失った男と彼を追う謎の集団との追走劇、男を導く謎の女性と男の手助けをする韓国の国家情報院と北朝鮮の兵士、そして世界に蔓延しているとされる謎のウィルスとその治療薬制作の鍵を握る少女。
自分のことも分からない男が、誰が味方で誰が敵かも分からない状況の中で、襲い来る敵を排除しながら真実を求めて突き進んでいく。
ほぼ全編アクションシーンで贈る骨太な作品です。
カーターと呼ばれる男の正体と記憶を失った理由とは?
何故カーターはCIAから狙われるのか?
カーターをサポートとし少女を救おうとする女性とその背後にある組織の目的とは?
さらに、謎のウィルスが蔓延しているとされるこの世界の行く末とは!?
壮絶なアクションシーンのみならず、謎多きストーリーからも目が離せないごった煮エンターテインメント作品!
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カーター【韓国映画】感想・評価
カルト作品か!?とも呼べるかなり癖の強いアクション映画!
それにしてもカメラワークが特殊すぎて、とにかく見にくいし疲れます!!
アクションシーンは「ボーン〜」シリーズのようなリアルさはあまり感じられず、どこがゲーム画面を見ているかのような非現実感がありますし、追走劇や立ち回りなどは「ミッション・インポッシブル」シリーズでは人間が出来る動きの限界に挑戦するかのようなスリルと興奮がありますが、本作にはそのようなギリギリを攻めたような印象はなく、やはり非現実味(ゲーム感)が強いんですよね。
確かに見たことないようなアングルの映像や、ドローンなどを駆使して撮影したであろう不思議な画角もあるのですが、終始視点調整が難しい海外のゲーム画面を見ているような感じなので、とにかく見ていて疲れますし内容が入ってきにくい!
せめてアクションシーンのみのカメラワークだったなら良かったのですが、そもそも9割方アクションなのでやはりキツイかと。
これがアクションだけに重きを置いた作品なら、そういうものだと割り切れたかもしれませんが、主人公カーターの正体を探ったり、CIAと南北朝鮮のどちらを信じるかだったり、アメリカ、韓国、北朝鮮の複雑な政治事情が絡んでいたりするストーリーなので、アクション以外にも注目するところは多数あるんです。
それなのに3Dゲームのような複雑なカメラワークなので、ストーリーに集中するどころではありません。
しかも、それらにプラスしてゾンビ要素まで入ってくるんですから、明らかに詰め込みすぎですよ!
これがゲームだとしたら「バイオハザード」と「アンチャーテッド」を混ぜたような感じで面白いかもしれませんが、2時間の映画にするならアクションにこだわるか、ストーリーで見せるかのどちらかに注力すべきでした。
それにゾンビといっても見た目はゾンビらしい要素はなく、ただ何かのウィルスの感染者という坊主頭の集団が襲ってくるだけ。分かりやすいビジュアルにしないのなら、ゾンビのように噛みついたり、それにより感染するという設定にする必要なかったのでは?
ただの謎のウィルスの蔓延した世界でも良かったはずです。
確かに冒頭のヤクザ(これ何故日本のヤクザなの?日本語話してましたよね?今回も日本人=悪人という演出なのか??)とほぼ全裸で対決するシーンは見ごたえがありましたが、これはかなり好みの分かれる演出で・・・
相手も全裸という銭湯が舞台ですし、アクションというよりも殺戮シーンというかなり過激なものなのでR−18になったのも納得。。
なにせチェウォンさんは初登場の姿がTバッグのブーメランパンツ一丁というものですからね!
まとめ:この趣味要素満載の作品を実現させたことはスゴいと思いますが、それを他の人が見て面白いと感じるかと言えばそうでは無かったという問題作!
確かにこのカメラワークは凝ったものでしたが、アクション映画が苦手だからとかいう以前に、ほとんどの人が見づらく感じる作品かも!?
ストーリーも凝ってる割に、何も回収されないまま終わってるというのも不親切かと。
カーターの続編は?
監督は続編について
「中国から始まりロシアに向かう話にするかもしれないし、カーターの過去を扱うスパイものにするかもしれない。また”カーター”がワンテイクだったとしたら、ワンテイクではなくカットスリラー映画にすることもできる。多くのケースが見込まれ、悩んでいる」
とインタビューで回答しています。
具体的な発表は何もありませんが、評判によっては続編が作られるかもしれませんね!
最後に
結局のところ、ハリウッドの大作アクション映画で見たような憧れのシーンを、独自のカメラワークとセンスを駆使して韓国で映画化したけど、あまりにも癖が強すぎて欠点だらけの映画になってしまった!?というような作品ですかね。
「ボーン・アイデンティティー」を初めて見た時は、最初は動きまくる視点カメラに慣れずにいましたが、本作の場合は見慣れるというレベルではなく明らかに失敗だと思いました。
アクションに関しても、主人公の強さに対抗しうるライバルがいないのも物足りませんでしたし、そこまで凝った格闘シーン(格闘センスを披露するようなシーン)はなく、飛行機の中や走行中の列車、ヘリコプターという派手な舞台設定と複雑なカメラワークで装飾しているだけなんです。
しかも、その結果スタイリッシュになるでもなく見にくいだけという・・・。
基本、人間対人間のアクションなのに、到底実現不可能という突っ込みどころ満載のアクションシーンばかりだったのも理解不能で、そういった超絶アクションを描きたいのだったらもっとSFテイスト満載にしたら良かったのに!
ストーリー的にも色々と伏線や謎を配置しながらも、結局は回収されることもなかったり無駄な設定が多かっただけという印象で、完全に監督の趣味全開でやりたいことを詰め込んだにすぎないといった感じがしました。
まぁ、続編で描く予定かもしれませんが、それでもある程度は回収しておくべきでしょう。。ある意味挑戦的とはいえますが、アクション映画好きでも途中でリタイアしうる作品かと。。。