チャン・リョウォン、イ・ギュヒョン主演によるリーガルミステリー。
タイプの違う二人の国選弁護士が衝突しながらも連続殺人事件の真相に迫る!
キャスト、あらすじ、全何話、評価、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
弁論をはじめますキャスト・全何話
Disney+全12話
放送期間:2022年9月21日からディズニープラスで配信開始
演出:カン・ミングン
「梨泰院クラス(共同演出)」など
脚本:キム・ダン
【ノ・チャッキ役】チョン・リョウォン
大手法律事務所“張山(チャンサン)”のエースから国選専門弁護士に。
【チャ・シベク役】イ・ギュヒョン
司法研修院を首席で卒業した有能な弁護士だが、わざわざ無料弁護をしている変わり者。
【チャン・ギド役】チョン・ジニョン
法律事務所チャンサンの代表。
【オ・ハラン役】キム・ヘウン
チャン・ギドの妻。ユル建設の専務。
【ド・ヨンス役】コ・ギュピル
国選弁護人事務所の事務長。
【シン・チシク役】キム・サンホ
チャッキとシベクが通う餃子店店主。
【ハン・ダルジェ役】チョン・ミンソン
記憶喪失の餃子店店員。
【ユ・ギョンジン役】イ・サンヒ
強力犯罪捜査隊警部補。
実話をもとに書かれた同名のエッセイを基にしたリーガルドラマです。
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弁論をはじめますあらすじ
大手法律事務所チャンサンのエースとして知られる弁護士ノ・チャッキ(チョンリョウォン)は、勝つためには手段を選ばないことから魔王という異名で呼ばれていた。
7年目にしてパートナー弁護士の座を狙うチャッキだったが、友人が関わる事件でチャンサンが不利益となる行動をとり、内定していたパートナーの座を失いチャンサンから国選弁護人事務所に飛ばされることになる。
しかも、国選弁護人事務所で同僚となったのは、以前訴訟で相対した変わり者の弁護士チャ・シベク(イギュヒョン)で、二人は衝突しながらも国選弁護士として様々な依頼人の弁護を担当していく。
ところが、チャッキと関わりのある人物たちが次々と何者かに殺害される事件が起き、警察はチャッキとシベクをマークするのだが・・・。
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弁論をはじめますみどころ
二人の国選弁護士が衝突しながらも事件の真相を明らかにするために奮闘する姿を描いたリーガルミステリードラマ。
勝つためには手段を選ばない大手法律事務所チャンサンのエース弁護士と、司法研修院首席卒業なのにお金にも地位にも興味がない変わり者の弁護士が、国選弁護士として活躍していくとういう作品で、結果を出して事務所にカムバックしたいチャッキと、あえて無料弁護を選択したシベクという対象的な二人が主人公となります。
ドラマの軸となるのは二人の周辺で起きる連続殺人事件とチャッキの変遷で、二人が事件の容疑者として疑われたり、弱者からの弁護依頼を国選弁護人として受けることでチャッキの弁護士としての考え方が変わっていきます。
以前は企業の不正や悪事をエース弁護士として処理してきたチャッキが、どんな過程を経て反対の立場になっていくのか?
怪しい行動をとり容疑者として疑われるシベクの目的と秘密とは?
そして、連続殺人事件の犯人の正体と目的とは!?
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弁論をはじめます感想・評価
設定だけ見るとよくあるドラマのようですが、絶妙なミステリー展開に引き込まれる名作でした!
本作の前に「わずか1000ウォンの弁護士」というエンタメリーガルドラマを見ていたこともあって、「どこかで見たような内容だなぁ」とか「ロマンスも笑いもそこそこで地味だなぁ」という印象が最初は強かったのですが、ストーリーが進行するうちに出てくるサスペンス味や謎の連続殺人事件を追う展開が魅力的で印象が好転していきました。
確かに「わずか1000〜」や、話題となった「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」などと比べるとキャラクターの魅力は控え目ですが、水と油のような主人公たちのバディ感は良いですし、演出が過剰じゃない分扱う事件をじっくりと描いていて、見るとハマるタイプのドラマだと思いました。
警察が相変わらず無能だとか、大手法律事務所が権力者の味方というのは相変わらずでしたけどね。
それでも大手法律事務所に居たときは魔王と呼ばれるほど恐れられていた冷血なチャッキが、国選弁護人となることで次第に変化していくのは楽しかったですね。
とはいえ、徐々に変わっていくのではなく意外と早い段階でいい人ぶりを見せたのには拍子抜けしました。
そして、大きな事件だけでなく、国選弁護人に頼るしかない弱者たちの事件を扱っているのも韓国ドラマとしては新鮮で、そんな事件をこれまで大企業の尻拭いをして金を稼いてきたチャッキが担当するというのも面白いところ。
さらに、悪人が夫婦で足の引っ張り合いをしていたり、過去の事件の関係者が被害者と容疑者候補となるなど、一連の事件の犯人が誰なのかを追うミステリーとしても惹き付けられました。
ただ、何かあれば「だから出自が大事なんだ」と言う者や、表面はいい人ぶっているのに本性は下劣という人が多かったり、息子が悪さをしてたのに叱るどころか徹底的に踏みつけろ!
なんて言い放つ最低な親もいたりと、人間のクズのような悪人ばかり登場するのにはイライラさせられます…。
そんな悪人が被害者となっていくので、犯人が怖いと感じるよりも被害者の自業自得と思えたのは本作ならではの特徴かもしれません。
そんな被害者たちに誰が恨みを抱いていたのか?どんな悪事を働いて恨まれていたのか?
そして、怪しい人物が何人もいる中で誰が犯人なのか?など、みどころ抜群の作品でした。
しかし、法廷でのシーンは思った以上に少ないので、リーガルドラマを期待するとガッカリするかもしれません。
とはいえ、弁護士としての活躍や苦悩はしっかりと描かれていましたし、後半からのミステリー展開と連続殺人事件の真相に迫る流れは一瞬も見逃すことができませんでした!
特に追い詰められて悪事を重ねていく悪人の暴走っぷりは滑稽とすら思え、敵の敵が味方になるという展開も痛快でしたね。
悪人たちのクズっぷりには心底虫唾が走りましたが、その悪事の全てが明らかになるラストは爽快そのものでした!!
そして終盤にかけて加速していく復讐劇が胸熱なもので、悪人たちが見苦しい悪あがきの末に罰せられる展開は痛快でしたね!!
最後に
韓国社会の闇を描いているとはいえ、差別や階級意識が色濃く描かれているのは見ていて気持ちがいいものではありませんでした。
有能なのに女だからと差別され、出自が悪いと疎まれ、法律事務所チャンサンからはうまく利用され捨てられる。
社会自体が変わってないのかもしれませんが、この男尊女卑や選民意識の強さが描かれた作品はどうにも古臭く感じてしまうんです。
主人公が所属するチャンサンは、弁護士としては優秀な人達が集まっているのかもしれませんが、人間的には片寄った考え方の持ち主ばかりで、誰も彼もが鼻持ちならない。
そんな人たちばかりがいるから、最低な企業の弁護もするし、弱者を平気で踏み潰す。ストーリー展開は確かに過剰ではありませんでしたが、この”弁護士のほとんどが悪の手下”という描かれ方はちょっと偏り過ぎだと思いますね!
ーーー*ネタバレあり!ーーー
そして、被害者たちが昔秘密警察として人々に酷いことをしてきたという設定は韓国作品ではよく見るものですね。
彼らに恨みを抱くものたちが数十年後に復讐を開始するという流れで、元凶が分かってしまえば全ての辻褄が合ってきます。
しかし、怪しい人物は沢山いても犯人候補が絞られてくるのは終盤で、それまでは仲間内での揉め事なのか、恨みを抱くものからの復讐なのかと様々な推測をすることに。これが実に面白い!
設定だけ取ってみると特に目新しいものではないんですが、作品としてのまとまりが非常に素晴らしく、政治家や大企業の不正を描いたものとは違ったメッセージ性があったように思います。