シム・ウンギョンが抜群の演技力を発揮して、見た目は20歳で心は70歳のヒロインをコミカルかつ感動的に表現したファンタジー・コメディ!
シムウンギョンのおばあちゃん演技必見!各国でリメイクされた大ヒット作です。
キャストやあらすじ、見どころ、感想などをまとめました。
怪しい彼女【韓国映画】キャスト一覧
原題:Miss Granny
2014年1月22日韓国で公開(日本では2014年7月11日公開)
上映時間:125分
観客動員数:約865万人
監督、脚色:ファン・ドンヒョク
【オ・ドゥリ役】シム・ウンギョン
【オ・マルスン役】ナ・ムニ
【ハン・スンウ役】イ・ジヌク
【パン・ジハ役】ジニョン(B1A4)
【パク氏役】パク・イナン
【パク・ヒョンチョル役】ソン・ドンイル
本作は、衝撃的な社会ドラマ『トガニ 幼き瞳の告発』、歴史ドラマ『天命の城』のファン・ドンヒョク監督によるコメディ作品です。
三作とも高い評価を得た作品で、その中でも本作は2014年韓国映画第3位となる観客動員数865万人を記録しました。
本作は世界中で高い評価を受け、日本でも2016年に多部未華子主演で『あやしい彼女』としてリメイクされたのをはじめ、中国やベトナムでもリメイク版が制作され、タイ、インド、インドネシア、ドイツなどでもリメイクが計画されています。
OST情報
本作はヒロインがとある経緯から歌手としてデビューする作品でもあります。
中身はおばあちゃんなので歌うのは古い歌ばかりなのですが、現代的にアレンジされていてただの古くさい曲にはなっていません。
シム・ウンギョン歌唱による「雨水」や「白い蝶」、「ロスに行けば」に「もう一度」などが映画を盛り上げてくれます。
怪しい彼女【韓国映画】あらすじ
オ・マルスンは女手一つで息子を育て上げた立派な女性ですが、口が悪いのと頑固な性格のため周りからは敬遠されがち。
家事全般や孫のことにも口を出ししていると、息子の嫁がストレスから入院してしまいます。
更には過去に因縁のあった人と再会し罵倒されたことも重なり、流石のマルスンも落ち込んでしまいます。
バス停でぼんやりとしていると「青春写真館」という不思議な店を見つけ入ることに。
そして、何の気なしにその店で写真を撮ると、なんと20歳のときの若々しい姿になっていたのです!
突然のことにマルスンは戸惑うも、これを期に人生を取り戻そうと決意し、髪型や服装を変え名前もマルスンからドゥリに変えることに。
その後、飛び入りで出たのど自慢大会で注目を集め・・・。
怪しい彼女【韓国映画】みどころ
『サニー 永遠の仲間たち』での素晴らしい演技に、韓国のみならず日本でも絶賛されたシム・ウンギョンは、20歳にして70歳の毒舌おばあちゃんを熱演し絶賛されました。
当初は配役が疑問視されたのですが、いざ公開されるとそんな心配は必要ないほどの好演を見せてくれました。
そんなシム・ウンギョンの素晴らしい演技力がみどころの作品なんですが、マルスン役のナ・ムニも貫禄の演技を見せてくれますし、マルスンに長年思いを寄せているパク氏役のパク・イナンは本作随一のコミカルな役柄で奮闘しています。
他にも、ドゥリの若者らしくない言動や歌声に惹かれるスンウや、彼女をバンドに誘い込む孫のジハなども好感が持てます。
そんなキャラクターの妙とは別に、ベタなコメディ展開や、切ない恋心を描いた恋愛ドラマなども本作のみところで、総合すると万人受けの良作エンターテインメントとなっています。
ヒロインのキャラクターが立っているのは勿論ながら、若返ったことで家族にも気付かれず孫がバンドに誘ってきたり、歌の上手さが認められてデビューしてしまったりと、ドタバタコメディとしてシンプルに楽しい作品なんです。
それでいて家族ドラマとしてもちゃんと感動させてくれるのも素晴らしいですね!
怪しい彼女【韓国映画】感想と評価・評判
コメディ作品の定番設定として、整形やダイエットによって美人に変身するとか、何らかの原因で魂が入れ替わったり、幽霊が乗り移ったり乗り移られたりと、様々な要因で生まれ変わり変身願望を叶える作品が多くありますが、本作は写真館で写真を撮ると何故だか見た目が二十歳にまで若返る!というもの。
これで何が面白いのかというと、髪型や服装はそのままですし、話し方や考え方も勿論老人の時のままだということ。
なので、二十歳の若い女性としては異様に映り言動が可笑しく見えて笑えるわけなんです。
老けメイクをするでもなく老人の気持ちに成りきるのはとても難しく、それを見事にやってのけたシム・ウンギョンはお見事としか言いようがありません!
冒頭は、これまでの生きてきた過酷な人生や老人としての生きることの辛さが想像され悲しくなってしまうものなんですが、写真館で若返るのを境に一気にコメディ路線へと突っ走って行くんです。
これまでに味わえなかった楽しいことや、若さゆえに出来ることを満喫し、2度目の青春を謳歌するかのようにドゥリとして生まれ変わる姿は、人によっては胸にグッと来るものがあるかもしれません。
後半のテレビ出演時の「白い蝶」を歌うシーンは、ドゥリの悲しい半生の映像も相まって泣いてしまいますし、ドゥリがマルスンだと気づいてからのパク氏のコミカルな行動の数々は可愛らしくもあり微笑ましいもので、ドゥリ&パク氏コンビは最高の笑いを届けてくれます。
一つ贅沢を言うなら、ラストのライブでやる「もう一度」が、これまでの路線とは違ったポップソングなのはちょっと残念ですかね。
しかし、最後の最後でカメオ出演するキム・スヒョンには驚かされました!
怪しい彼女【韓国映画】を日本リメイクと比較すると?
最後に、日本でのリメイク版と比較すると、やはり主演女優のレベルの違い(なりふり構わないところが特に)がデカいですね。
多部未華子が決して悪いわけではないんですが、シム・ウンギョンが段違いだと思いました。
歌唱部分でいっても、本作だと原曲がどんなものだか知らない日本人にとっては新鮮に聴こえていい曲だなぁと感じるんですが、日本版だと原曲を知っている分それと比べると素直に上手い!とは思えないんですよね。
オリジナル曲がクオリティが低いのもイタいですね。
それ以外もオリジナルに寄せようとし過ぎて、本作が薄まった印象になってしまっています。
どう考えてもリメイク版はオリジナルにはかなわないということです!
最後に
シム・ウンギョンの振り切った演技には笑わされましたが、個人的にはパク氏のキャラクターが大好きでした。
子供の頃からマルスンをお嬢様と慕い、口うるさく傍迷惑な老人となっても態度を変えないパク氏がとても可愛らしく、ドゥリがマルスンだと気付いてからは若者に対抗しようとしたり、二人の関係を娘に疑われて怒ったりと、とても愛らしいキャラクターでした。