有名なフレンチノワールをイ・ソンミン、ユ・ジェミョン主演によりリメイク。
かつて相棒だった二人の刑事が連続猟奇殺人犯を追う中で対立する様を描いたクライムサスペンス!
キャスト、あらすじ、感想、レビューなどをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
ビースト【韓国映画】キャスト一覧
2019年6月26日韓国にて公開
(日本公開日2021年10月15日)
上映時間:131分
監督・脚本:イ・ジョンホ
「ベストセラー」「さまよう刃」など
脚本:チョン・ウィモク
【チョン・ハンス役】イ・ソンミン
刑事。殺人課捜査1班の班長。
【ハン・ミンテ役】ユ・ジェミョン
刑事。殺人課捜査2班の班長。
【イム・チュンべ役】チョン・ヘジン
出所したばかりの情報屋。
【ジョンチャン役】チェ・ダニエル
ハンスの相棒刑事。
【オ・マダム役】キム・ホジョン
ハンスの情報屋。
【チョンヨン役】アン・シハ
監察医。別居中のハンスの妻。
【ヨ・ミヨン役】イ・サンヒ
捜査2班刑事。元麻薬課。
【ソン課長役】キム・ビョンチュン
殺人課課長。
フランス映画「あるいは裏切りという名の犬」(2004年)をイ・ソンミン、ユ・ジェミョン主演でリメイクした作品です。
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ビースト【韓国映画】あらすじ
かつて相棒同士だった殺人課の刑事ハンス(イソンミン)とミンテ(ユジェミョン)は、それぞれ捜査班を率いる班長として仁川(インチョン)で起きた猟奇殺人事件の捜査を行っていた。
二人は、課長昇進をかけて競うライバル同士であり、その有力候補なのが犯人を逮捕するためなら方法も手段も選ばないハンスだった。
今回の事件もハンスが早々と容疑者を逮捕してくるのだが、その逮捕に疑問をもったミンテが独断で釈放し二人の仲は更に深刻なものになってしまう。
そんな中、刑務所から出所したばかりの情報屋チュンべ(チョンヘジン)から呼び出されたハンスは、猟奇殺人事件の情報を提供する条件としてある事を要求される。
そして、ハンスの銃を突然奪ったチュンべはある男を射殺してしまう。
いきなり殺人事件に巻き込まれてしまったハンスは、チュンベのアリバイ作りと隠蔽工作に加担することを余儀なくされるのだが、その結果得た情報により容疑者のアジトを突き止めることになる。
しかし、アジト突入の際に様々な事件が起き、しかも海に沈めたはずの遺体と拳銃の銃弾が発見されてしまい…。
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ビースト【韓国映画】みどころ
傑作フレンチノワールをリメイクしたクライムサスペンス。
イ・ソンミン&ユ・ジェミョンという名優がライバル刑事役を演じた作品で、猟奇殺人事件を捜査していく中でのライバル争いが描かれます。
その中で特徴となるのが、犯人を逮捕するためなら方法も手段も選ばない刑事がある殺人事件の隠蔽工作に加担してしまうということ!
事件解決の為の情報を得るためとはいえ犯罪を犯してしまった刑事は、犯人探しをするだけでなく証拠隠滅をしなければならなくなります。
対象的な刑事二人による熾烈な昇進争いと、警察と裏社会との繋がり、刑事と情報屋との関係、信頼と裏切りのドラマなど、犯罪捜査を行う中で様々な人間模様が描かれていきます。
連続猟奇殺人犯の正体とは?
殺人事件に加担してしまった刑事の結末とは?
そして昇進争いの結末やいかに!?
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ビースト【韓国映画】感想・評価
イ・ソンミンの演技は素晴らしかったものの、話を盛り込みすぎな上に説明不足や矛盾点が多かった作品。
かつては相棒だった二人の刑事が昇進を巡って争い、そんな二人に釣られて部下たちも険悪な関係という設定は面白いのですが、連続猟奇殺人の捜査以外に麻薬取引が絡んでくるので無駄に複雑になっていました。
本作には二人の対立と犯人探しという二軸がありますが、犯人の捜査に関しては情報屋から得たものばかりで、刑事たちが情報を掴んでくるどころか連続猟奇殺人事件でありながら一人の捜査しかしていないという体たらくなんです!
その理由が、連続殺人だと事件をよそに横取りされるからという手柄欲しさというのも…。
だからなのか、犯人探しのミステリーとしては物足りませんし、麻薬取引の捜査をしている麻薬課ともモメたり、無駄に麻薬組織のボスを怒らせたりと余計な伏線を作っているんです。
その割には組織との対決は描かれないんですけど…。
そして、視聴済みであるオリジナルの内容は詳しく覚えていないのですが、ダニエル・オートゥイユとジェラール・ドパルデューが演じた正義を貫く刑事と野心家の刑事2人が対立する作品と比べると、本作はイ・ソンミンの方が圧倒的に目立っていてユ・ジェミョンはかなり控え目に映りました。
そして本作の正義側であるはずのミンテはハンスを蹴落とすことしか考えてないように見えるんです。
犯人逮捕の為なら何でもやっていいわけではないですが、とはいえライバルである前に同僚であり、かつての相棒である相手の足を引っ張ることばかりしている方が正しいとは思えませんし、そのせいで容疑者を殺されたり、仲間を刑事を死なせるミンテの方が悪い刑事に見えました。
本来二人の対立が主軸なんですから、ミンテに感情移入できるポイントも作ってほしかったところ。
とはいえ、ハンスを演じたイ・ソンミンの鬼気迫る演技はとても素晴らしく、追い詰められれば追い詰められるほどその迫力は増していったように思います!
イ・ソンミン好きなら必見の作品かも!!
そしてライバルとの争いや証拠隠滅のパートが増えたことで、犯人探しのドラマとしては物足りないものに…。
最後に
ーーー*ネタバレあり!ーーー
ラストの展開はまるで「セブン」かのようで、犯人から犯行時の音声を聞かされたハンスの絶叫は本作のクライマックスでしたね!
ですが、その後の展開が何とも言えないもので、度々喧嘩するライバルでありながらも結局は仲間思いだったハンスに対して、いい人ぶっていたミンテは冷酷な裏切り者だったなんて…。
出世したってこんな奴に誰もついていかないよな!!