キム・ヒョンジュ、パク・ヒスン主演。
「トロッコ問題」をテーマにした政治ミステリードラマ!
キャスト、全何話、あらすじ、感想、最終回などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
車輪【韓国ドラマ】キャスト・何話
原題:トロリー
Netflix全16話
放送期間:2022年12月19日~2023年2月7日まで韓国SBSで放送
Netflixで同日配信
平均視聴率:3.8%
最高視聴率:4.6%(初回)
演出:キム・ムンギョ
脚本:リュ・ボリ
「ブラームスは好きですか?」「17歳の条件」など
【キム・ヘジュ役】キム・ヒョンジュ
自宅で本の修繕家として働く二人の子供の母親。
【ナム・ジュンド役】パク・ヒスン
2期目の国会議員。ヘジュの夫。元弁護士。
【チャン・ウジェ役】キム・ムヨル
ジュンドの首席補佐官。元記者。
【キム・スビン役】チョン・スビン
ジュンドの息子ジフンの子供を妊娠したという女性。
【ヒョン・ヨジン役】ソ・ジョンヨン
カルグクス屋社長。ジュンドとヘジュの家で一緒に暮らすヘジュの姉のような存在。
【ナム・ユンソ役】チェ・ミョンビン
ヘジュとジュンドの娘。中学2年生。
【チン・スンヒ役】リュ・ヒョンギョン
ヘジュの高校時代の同級生。ギヨンの妻。
【チェ・ギヨン役】キ・テヨン
スンヒの夫。ゴルフ練習場経営。投稿が見つかりません。
キム・ヒョンジュさんとパク・ヒスンさんが夫婦役を演じた政治ミステリードラマです。
トロッコ問題とは?
このドラマは「トロッコ問題」をテーマにした政治ミステリードラマ。
「トロッコ問題(トロッコジレンマ)」とは、倫理学に登場する正解のないある難題で、ブレーキが故障したトロッコが線路上を走っているとき、あなたがトロッコの進行方向を変える事ができるとしたら、5人の作業員と1人の作業員のどちらを救うか?という問題のことです。
結果的には誰かが犠牲となるのですが、その際に1人が自分が愛するものだとするなら、1人を救うために5人を犠牲にするのか?
それとも決断できずに逃げ出してしまうのか?というもの。
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車輪【韓国ドラマ】あらすじ
国会議員ナム・ジュンド(パクヒスン)の妻であることを周りに隠して自宅で本の修繕家として働いていたヘジュ(キムヒョンジュ)は、夫と議員の妻として表に出ないという約束をして静かに暮らしていた。
しかし、考え方の違いで娘と揉めたある日、夜に娘が部屋から姿を消していることに気付き、仕方なく夫の力を借りて警察に捜索を行ってもらうことに。
ところが、発見されたのは探していた娘ではなく、謎の死を遂げた息子だったのだ。
しかも、亡くなった息子は何故か覚醒剤を所持しており、それがマスコミに報道されただけでなく、国会議員が不正に警察権力を利用したとバッシングまでされてしまう。
そんな中、スビン(チョンスビン)と名乗る謎の女性が突然家を訪ねてきて、息子の子供を身籠っていると告白してくるのだが…。
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車輪【韓国ドラマ】みどころ
“多くの命を救うためには一人を犠牲にしてもいいのか?”というテーマをもとに描かれた政治ミステリードラマ。
国会議員の妻であることを隠して暮らすヘジュと、期待の若手国会議員として奔走するジュンドには、過去に秘密を抱えているという共通点があります。
高校時代のある秘密が明らかになることを恐れて国会議員の妻として表舞台に立つことを敬遠する妻と、そんな妻を愛し守り続ける夫。
しかし、二人のある秘密が明らかになることで夫婦の仲はもちろん、国会議員としての評判や世間からのイメージも損なうことになります。
その切っ掛けとなったのは、娘の失踪事件であり、息子の事故死や覚醒剤所持という犯罪で、さらに亡き息子の子供を身籠っているというスビンという女性の存在でした。
唐突の事件の連続によりヘジュの静かな暮らしは壊れていくことになるのですが、果たして息子の死の真相とは?スビンの語ることは真実なのか?そして、夫婦が隠す秘密とは何なのか!?
正解のない選択の難しさと、嘘により人生が変わってしまった人の苦悩を描いた作品です!
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車輪【韓国ドラマ】感想・評価
一つの嘘が他人の人生を狂わせる。
登場するキャラの殆どが嘘つきで信用できないというのは先の展開が読めず面白いのですが、それにしても全編陰鬱で重苦しいため見進めるのがキツかったですね…。
悪役や裏社会の人間役が抜群に似合うパク・ヒスンさんが政治家役をやるというのは新鮮でしたし、イメージと違うからこそジュンドというキャラクターがどういう人物なのか分かりにくくさせていたのはお見事でした。
キム・ヒョンジュさんも派手すぎず地味すぎずな政治家の妻になりきっていて、どことなく影があるキャラクターとの親和性も高いものでした。
確かに俳優の演技力は素晴らしいのですが、ストーリーが予想外に地味というか尻すぼみに感じたんです。
タイトルは「トロリー」というトロリー問題(トロッコ問題)」を匂わせるものなのに、主要キャラ個々の問題はそれとは関係なく、ヘジュが勇気を出して一歩踏み出したことで他の人たちも追随するといった流れになっているんです。これはいわゆるMeToo運動ですかね?
それ自体は悪くはないのですが、序盤で娘が行方不明になる、息子の死、政治家の息子が覚醒剤所持、さらに亡くなった息子の子供を妊娠しているという女性が家に訪ねてくる、というショッキングな事件が多発して今後の展開を期待させた割には、その後特に大事件が起きるというわけではなく個々の問題の真相や嘘が明らかになるというものなんです。
これが地味に思えてしまったのは最初に大風呂敷を広げてしまったのが原因ですよね!
そんな大事件を匂わせる展開にしなければ、展開が遅いとか暗いとは感じずに丁寧な作品だと思ったかもしれません。
そして、俳優の演技力は高いものの、キャラクター的には魅力を感じられなかったというのも大きく、ヘジュは政治家の妻なのにその務めを果たさないのには違和感がありましたし、過去に何かあるから表に出たくないなら政治家の妻という立場から降りるべきかもしれません。
大きな家に住み夫に守ってもらうばかりでコソコソしているという人には共感できませんしね。
それにジュンドの政治家として考えや人間性も理解できないもので、政治家として大きなことを成すから小さなことは見逃してくれ、という思考は自己中過ぎます。
本作には自分勝手な人ばかり登場しているのも苦手な点で、それは犯罪者や一般の人たちにも当てはまります。
犯罪者を非難したらその犯罪者が自殺してしまったというのは犯罪者自身が悪いだけで、それで非難したものが犯罪者の親や世間から叩かれるなんておかしいですし、そもそも犯罪者のせいで一人の女性が死ぬことになったのに、逮捕もされておらず非難されて自殺したのを人のせいにするなんて最悪すぎます!
しかも、自分が悪いのに自殺することで逃げようとする者が多かったのも腹が立ちましたね。
そして、報道や世の中の流れによって態度やコメントをコロコロと変える人たちにもイライラさせられ、そういう人たちが平気で嘘をついているのにもムカムカしました。
殺人事件や権力者たちの不正といったものを描くのではなく(本作にも悪い政治家はいますが…)、そこまで大きな罪にならないのが現状の事件をテーマにしたのはいいと思いますが、それ故に事件が次々と起こって主軸が何なのか分からなくなるというのは失敗でしたね。
大きなことを成し遂げる為には小さな犠牲は仕方ない、という考えはどうなのか?ということにだけ絞って描くべきでしたね!
車輪【韓国ドラマ】最終回感想
ーーー*ネタバレあり!ーーー
最終回が都合のよいハッピーエンドにならなかったのは良かったですが、一つの嘘から様々な問題がはじまったとはいえ娘を犠牲にしてでも真実を話すというのはあまりにも極端だと思いましたね。
結果としては娘が強くなったことで何事も起きませんでしたが、大半の子供はイジメにあったり引きこもったり心を病む可能性がありますよね。
そして、息子の死の真相も明らかになり実はいいヤツだと分かるのですが、一方で不倫した父親への嫌がらせで事件を起こしていたという22歳とは思えない子供じみた行動も明らかになってしまいます。
一旦持ち上げといてまた下げるとは、ここはいいヤツだと分かるだけで良かったのでは??