日本でも映画化された五十嵐大介のマンガをドラマ「ミスター・サンシャイン」のキム・テリ主演により再映画化!
都会の喧騒とはかけ離れた美しい自然と美味しい料理に癒される心休まるヒーリングドラマ。
キャスト、あらすじ、感想・レビューなどをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
リトル・フォレスト春夏秋冬【韓国映画】キャスト
2018年2月28日韓国にて公開(日本公開日2019年5月17日)
上映時間:103分
監督:イム・スルレ
「提報者 ES細胞捏造事件」
「グローリーデイ」(制作)など
脚本:ファン・ソング
【ヘウォン役】キム・テリ
都会から故郷に戻ってきたヒロイン。
【ジェハ役】リュ・ジュンヨル
ヘウォンの旧友。都会から戻り果樹園をはじめる。
【ウンスク役】チン・ギジュ
ヘウォンの旧友。農協で働く。
【ヘウォンの母親役】ムン・ソリ
ある日突然姿を消してしまう。
アニメ映画化もされた「海獣の子供」などの作品で知られる漫画家五十嵐大介。
その五十嵐が実体験を元に描いた作品が漫画「リトル・フォレスト」であり、2014年には橋本愛主演により「リトル・フォレスト夏・秋」「~冬・春」として既に映画化もされています。
それを映画「お嬢さん」「1987、ある闘いの真実」やドラマ「ミスター・サンシャイン」のキム・テリ主演により韓国で再映画化した作品です。
キム・テリさんは世界的に高い評価を得たパク・チャヌク監督作品「お嬢さん」で映画賞を総なめにしており、Netflix映画「スペース・スウィーパーズ」ではソン・ジュンギ、チン・ソンギュ、ユ・ヘジンらとともにメインキャストを務めています。
これまでに貴族のお嬢さん、両班の令嬢、宇宙船の船長など特殊な役柄を演じてきたキム・テリさんですが、本作では都会での生活に疲れ故郷に戻ってきたヒロインという普通の役柄を演じています。
共演は、ドラマ「応答せよ1988」でブレイクし、映画「タクシー運転手」「毒戦 BELIEVER」といった大作にも出演するリュ・ジュンヨルさん。ヒロインと同様に都会の生活に嫌気が差し故郷に帰ってきた青年を演じているのですが、将来をどうするか考えあぐねているヒロミとは違い、果樹園を開いて田舎で暮らす道を選んでいます。
さらに、二人とは違い田舎に残り農協で働いているヒロインの旧友を、ドラマ「ここに来て抱きしめて」や「初対面だけど愛してます」の主演で知られるチン・ギジュさんが演じ、基本的にこの3人が主な登場人物となります。
そして、行方知らずとなっているヒロインの母親を映画「ペパーミント・キャンディー」「オアシス」などのムン・ソリさんが演じ、出演シーンは少ないながらも存在感を発揮しています。
ちなみにイム・スルレ監督作品に出演するのはこれが3度目となります。
スポンサーリンク
リトル・フォレスト春夏秋冬|あらすじ
就職活動が上手くいかず、彼氏との関係も微妙になってきたヘウォンは、故郷である田舎村に戻ってきます。
そこで旧友であるジェハとウンスクに再会したヘウォンは、農作物を育てそれを料理して友人たちと食べるという生活を送るようになります。
最初は、しばらく滞在したのち都会へと帰るつもりだったヘウォンでしたが、故郷での生活を通して自分を見つめ直すようになり、そして料理を通して行方知らずとなっている母のこと思い起こすようになります。
スポンサーリンク
リトル・フォレスト春夏秋冬|みどころ
本作は人気韓国の農村を舞台としたヒーリングドラマです。
日本のマンガが原作だけあって、舞台や出てくる料理以外は韓国らしい様素がないのが特徴で、都会での生活に疲れたり田舎での暮らしなどの経験がある人にとっては共感しやすい内容となっています。
四季によって移り変わる農村の美しい風景と美味しそうな料理の数々、自ら野菜を育てそれを食す喜びなど、田舎生活ならではの楽しみ方と都会生活では味わえないしあわせが詰まっています。
母との思い出が詰まった美味しくて優しい料理を通して、主人公は本当の幸せを見つけることに。
人生に悩み将来を迷っている方にこそオススメの癒し系ドラマです。
スポンサーリンク
リトル・フォレスト春夏秋冬|感想・レビュー
キム・テリさんは、日本の女優で例えるなら宮崎あおいや蒼井優のようなタイプだと思う。
モデルのような華やかさやスタイルではないものの、少女的な可憐さと芯の強さを兼ね備えたナチュラルビューティーな女優さん。そんな彼女には本作のような自然の移り変わりとキャラクターの心情を丁寧に描くような作品が似合っていると感じました。
共演の俳優陣も抜群で、いかにも韓流スター的なタイプではなく田舎で暮らしていても違和感ないタイプを起用したのは正解だったと思います。
原作が日本のマンガということもあってか、作中で劇的な事件は起きませんし、恋愛面での見せ場やそもそも山場的な場面すらありません。そこがいいんですけどね!
一般的な韓国映画とはかなりタイプの違う作品で、都会での生活や人間関係に疲れた人などが見ると癒されること間違いなしじゃないでしょうか。
このように作品のテイストとしてはかなり好みだったのですが、惜しい点もいくつかありました。
それは日本版映画が二部作なのに対して本作はこれ一作で1年を描いているということ!
作品のテーマが1年の田舎生活を通して感じるものや、農作物を育てそれを自ら料理し食べるということの素晴らしさに気付かされるというもので、それを四季の移り変わりと共に丁寧に描くことだと思うのですが、そのわりにはちょっと早足過ぎるというか、これ以上にもっとゆったりのんびりしていても良かったと思うんですよね。
ひょっとすると韓国の人にはスローテンポな作品が受け入れられにくく、それゆえにコンパクトにまとめたのかもしれませんが、個人的には話を長くしてでももっと細かいところまで描いて欲しかったですね。
あとは、肝心の料理に惹かれなかったこと!
基本的に韓国料理があまり得意ではないこともあって、見ていて食べたくなったり作りたいと思ったりしなかったんですよね。
日本版と比べると俳優はこちらの方が良かったですし、作品として分かりやすいのはこちらなんですが、作品のテーマであったり美味しそうな料理シーンなどは日本版に軍配が上がると思います。足して二で割るとちょうど良かったかな?
まとめ:原作に描かれたメッセージを上手く捉えたのは日本版でしたが、俳優陣の演技面から見ると本作の方が好みでした!
日本人なので和食が出てきた方が美味しそうに思えましたが、韓国料理が好きな方なら心惹かれるシーンがいくつもあると思います。
情報量の多いサスペンスや社会派ドラマもいいけれど、たまにはこんな多くを語らない作品もいいのでは?
最後に
自分で育て、自分で料理し、それを仲間たちと楽しく食べる。まさにスローライフのお手本のようなもの。
しかし、後半で少し描かれたように農業というものはこんなオシャレで簡単なものではなく、自然の驚異に晒され丹精込めて育ててきたものが一瞬で奪われてしまうこともあるんですよね。
それに本作では基本野菜ばかり登場していましたが、動物の命を頂くといったシーンが描かれていなかったのは残念でした。