チョン・ユミ×コン・ユの三度目の共演!
韓国で130万部突破の大ベストセラー小説映画化し、観客動員数367万人の大ヒットとなったヒューマンドラマ。
現代を生きるすべての女性たちに贈る!!
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
82年生まれキム・ジヨン【韓国映画】キャスト一覧
2019年10月23日韓国にて公開(日本公開日2020年10月9日)
上映時間:118分
観客動員数:367万人
監督:キム・ドヨン
長編デビュー作。
脚本:ユ・ヨンア
「ハナ 奇跡の46日間」
「7番房の奇跡」
「あの日、兄貴が灯した光」など
【キム・ジヨン役】チョン・ユミ
ごく普通の主婦。
【チョン・デヒョン役】コン・ユ
キム・ジヨンの夫。
【ミスク役】キム・ミギョン
キム・ジヨンの母。
【キム・ウニョン役】コン・ミンジョン
キム・ジヨンの姉。
【キム・ウンシル役】パク・ソンヨン
ジヨンの職場の上司。チーム長。
【ヘス役】イ・ボンリョン
ジヨンの先輩。
【チソク役】キム・ソンチョル
ジヨンの弟
韓国で社会現象を巻き起こしたチョ・ナムジュ作家のベストセラー小説を映画化した作品。
キムドヨン監督は1970年生まれの女性監督で、演劇の世界では働いていたものの映画学校に入ったのは40代半ばという新人監督です。
本作は国内の映画祭において、新人監督賞や主演女優賞など数多くの映画賞を受賞しています。
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82年生まれキム・ジヨン【韓国映画】あらすじ
82年生まれのキム・ジヨン(チョンユミ)は、結婚を機に仕事を辞め育児と家事に追われていました。
しかし、子供の母、夫の妻としか見られない生活を送るうちに妙な閉塞感を抱くようになり、次第に妙な言動をするようになってしまいます。
平凡な会社員である夫デヒョン(コンユ)は、別人のような言動するようになったジヨンのことが心配になり、悩んだ末に精神科医に相談することにします。
ジヨンは自らの変化に自覚がないようなので、その事は告げずに一人で病院に行ったのですが、医者からは本人が来ないことには何も始まらないと言われてしまい・・・。
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82年生まれキム・ジヨン【韓国映画】みどころ
育児と家事に追われるだけの毎日に疲れてしまった女性たちに贈る共感度100%のヒューマンドラマ。
小説家になるという夢を諦め、勉強に励みなんとかして就職したものの、結婚・出産を機に仕事を辞め、育児と家事に追われる毎日。
夫の家族からは家政婦のように扱われ、自分の実家にはなかなか帰れない。
近所の人たちからは子供の母として、夫の同僚たちからは妻としてしか見られない。
そんな本来の自分が少しずつ失われていくかのような毎日に疲れてしまったジヨンは、本人も知らないうちにまるで別人かのような言動をとるようになってしまいます。
本作には、韓国ドラマにありがちな愛憎劇があるわけでもなく、不倫や離婚といった夫婦問題があるわけでもありません。
過剰に夫の家族からいじめられているわけでもありませんし、職場でのパワハラやモラハラがセンセーショナルに描かれているのでもないんです。
つまり、家庭では女性として見られず妻としてしか扱われず、職場では女性という理由で出世が遠退き、男性社員とも差別される、そんな状況がごく普通に蔓延しているということなんです。
そんな女性が生きづらい状況が現実としてあり、そんな日々に疲れてしまった女性たちの代表としてキム・ジヨンが描かれています。
女性ならば誰もが感じたことがある場面を体験するキム・ジヨンの姿を見て、あなたは何を感じ何を見つけますか?
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82年生まれキム・ジヨン【韓国映画】感想・評価
現代女性に対する差別や生きづらい環境を描いた作品というのは、かつては日本でもよく描かれてきたテーマでしたが、韓国では未だにそんな状況が続いているんですね。韓国ドラマを見るとそのような状況がたびたび描かれていますが、日本よりも韓国の方がかなり深刻なことが見受けられます。
まず、親戚たちが集まる何らかの行事があると長男の嫁が全てやるということ!
日本だと(昔の)女性陣が総出で料理を担当したりなんてことが通常でしたが、韓国の場合は長男の嫁以外は基本何もしないんですよね。
その上、長男が家族全員の面倒を見たり、家族たちはそんな状況が当たり前だと思っていたりと、はじめてドラマなどでその状況を見たときには違和感しか覚えませんでした。
そんな妻ばかりが重責を担うことの不満や夫婦間の認識のズレが積み重なって離婚問題に発展するというドラマは数多くありますが、それでもメインはラブストーリーであって現代女性の様々な問題というのはトッピングに過ぎませんでした。
しかし、本作に関してはラブストーリーではなく女性としての生きづらさを描くのがメインになっているんです。
女性に対する偏見や差別が描かれているとはいえ、韓国メロドラマと比べると過剰ではないので見易いですし、そんな状況の積み重ねによって女性としての何かが崩れていくんだということがキチンと伝わってきます。
キム・ジヨンが誰かに憑依されたようになってしまうというのは極端かもしれませんが、その手法によって彼女の中で何かが崩れてしまっているということが分かりますし、それを自分自身が認識していないというのが怖いと感じました。
日本はこんなに酷くない!とか、韓国は男尊女卑が酷いから!と他人事のように思うのではなく、私たちも無自覚の内に誰かに対してハラスメントを行っていないか心配するべきなんだと思いますね。
まとめ:誰かの妻であり、母である前に、一人の女性であり娘でもある。
やってもらっている事を当たり前だと捉えるのではなく、それに対して感謝し自分に置き換えて考える。
そんな事を思わせてくれた社会派作品でした。
最後に
韓国の男性は女性に優しいとよく日本男性と比べていることがありますが、確かに恋人同士のうちは優しいのかもしれませんが、結婚して家族になると優しさなんて忘れてしまうのでしょうか?
韓国作品を見ているとそんな事を度々思ってしまうのですが、それは家庭内では女性に全てをさせて男性が動かないからかもしれません。ただ、そんな状況を作っているのは親や親戚たちの古い考えによるところも大きく、息子ばかりを可愛がり娘には昔ながらの風習?習慣?を押し付ける。
これのどこが優しいのか?結婚前の女性には優しいのかもしれませんが、家族の一員になってしまえばこき使ってもいいのか?
このような事は他の国のことだからと自分の事は棚に上げて意見出来るのかもしれませんが、実は自分が気付いていないだけでいつの間にか同じような事をしているのかも知れません。
悲劇的なラストが待っているとか、誰か一人のお陰でヒロインが助けられるといったドラマチックさはありませんが、だからこそリアルに感じたんだと思います!