チョン・ウソン×クァク・ドウォン共演によるポリティカル・サスペンス。
エンターテイメント作品でありながら、実際に起こるかもしれないと思わせる怖さも備えた良作です!
キャスト、あらすじ、感想などをまとめました。
(トップ画像公式ページより)
鋼鉄の雨【韓国映画】キャスト一覧
2017年12月14日韓国で公開
(2018年3月14日にNetflixにて全世界公開)
上映時間:139分
観客動員数:約455万人
監督、脚本:ヤン・ウソク
「弁護人」
【オム・チョルウ役】チョン・ウソン
韓国に逃げてきた北の偵察要員。
【クァク・チョルウ役】クァク・ドウォン
韓国大統領府の秘書官。
【現韓国大統領役】キム・ウィソン
【次期大統領役】イ・ギョンヨン
【北の要員役】チョ・ウジン
【リ・テハン役】キム・ガプス
北朝鮮偵察総局長。オムの上官。
本作は大作ウェブ漫画「スチールレイン」を映画化したもので、長編デビュー作「弁護人」(2014年のソン・ガンホ主演映画)が観客動員数1,100万人超えの大ヒットとなったヤン・ウソク監督による作品。
韓国では450万人超えのヒットとなり、その後Netflixを通して世界公開されました。
主演のチョン・ウソンとクァク・ドウォンは映画「アシュラ」で共演しており、本作で二度目の共演となりました。
アシュラでは敵対関係でしたが、本作では北の工作員と南の政府関係者という立場でありながら友情を育んでいきます。
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鋼鉄の雨【韓国映画】あらすじ
北朝鮮でクーデターが起き、その場に居合わせたエリート要員のオム・チョルウ(チョンウソン)は、瀕死となった将軍様と共に南へと脱出することになりす。
しかし、北の要員に命を狙われる一行は、病院で偶然出くわした南の大統領秘書官クァク・チョルウ(クァクドウォン)と協力して戦争の危機を回避しようと奔走するのですが・・・。
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鋼鉄の雨【韓国映画】みどころ
本作は21世紀の「JSA」とも呼ばれるポリティカル・サスペンスです。
壮絶な銃撃シーンや格闘アクションをはじめ、韓国国内はもとより北でも対立する政治的主張なども描かれる上、映画「コンフィデンシャル/共助」のようなバディムービー要素もあったり、韓国映画に欠かせない家族のドラマなどもあるなど、エンターテイメントとしてバランスのよい作品になっています。
タイトルにもある”スチールレイン”(多連装ロケットシステム)による衝撃的なシーンや、核ミサイル発射までのハラハラドキドキなどエンタメ要素満載のシーンがみどころなのは勿論ですが、北の将軍様がクーデターにより韓国に避難してきたり、北の核の脅威に対して核で対抗するかどうか現大統領と次期大統領が意見が分かれたりと、立場の違いにより対立する場面が色んなところで起きるのも見ていて緊張感が走ります。
北のクーデターにより韓国の立場が危うくなっていくのは、現実問題として起こりそうでかなりリアルに感じます。
アクションについても見応え抜群で、チョン・ウソンのかっこよさは当然ながら、敵対するチョ・ウジンも冷徹なかっこよさを見せています。
それでいてチョン・ウソンとクァク・ドウォンのコンビはとてもいい相性で、このシリアスとコミカルのさじ加減が絶妙なのも本作の魅力です。
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鋼鉄の雨【韓国映画】感想・評価
韓国サスペンスの定番のテーマといえば、やはり南北問題でしょう!
これまでに「JSA」や「シュリ」といった日本でもヒットした作品をはじめ、このテーマを使って数多くの映画やドラマが作られてきました。
とはいえ、同じ南北問題を描いていてもシリアス一辺倒なものからコミカルさもあるもの、アクションに特化しているものや悲恋を描いたものなど様々なタイプのものがあり、作品それぞれに違った持ち味があるんです。
普段から韓国映画を見ない人からすれば、どれもこれも似たような作品に見えるのかもしれませんが、その中にはエンターテイメント性の強いものからメッセージ性重視のものもあり、間口が広いテーマだと言えます。
そんな中で本作は、北と南との戦争勃発か!?というヒリヒリとしたサスペンスでありながら、様々なアクションシーンも満載で、更にはバディムービー要素や政治ドラマ要素もあるというエンターテイメント作品となっていました。
ですが、単純に戦争の脅威を食い止めて終わりというだけの作品ではなく、そういう事態になった際の対応の仕方が真っ二つに分かれる様が描かれるのもみどころでした。
北の軍部の暴走や、その時の中国やアメリカの対応、そして主人公を通してみる一人の人間としての想いなど、ただのシリアスなサスペンスというだけでなくヒューマンドラマとしても見応えがありました。
近年のように朝鮮半島問題が連日ニュースになる状況で本作を見ると、いつか同じような事が起こってもおかしくないと思え、ただ楽しく見るだけでなく考えさせられるとこもある作品だったと思います。
ただ、本作の中ではアメリカや日本に対する皮肉なども多少描かれているので、見る人によっては嫌悪感を抱くこともあるかもしれませんので、その点はご注意下さい。
現実の時代背景や国際情勢などが反映されながらも、堅苦しくなり過ぎていないエンタメ映画です。
最後に
本作の続編となる作品が、現時点で「鋼鉄の雨2」改め「首脳会談」というタイトルとして制作に入っています。
監督は勿論ヤン・ウソクで、チョン・ウソン、クァク・ドウォン、ユ・ヨンソクという主要キャストも発表されています。
ただ、本作とは役柄が変わっておりチョン・ウソンは韓国の大統領、クァク・ドウォンは北朝鮮の強硬派護衛総局長、そして新加入のユ・ヨンソクが北の委員長役を演じる予定となっています。